29811 DB 221 104-3 / Ep.IV [Maerklin-Lok]
昨日まで書籍を紹介したので、今日は再び機関車を紹介したいと思います。これは、K式レールのMobile Station付きスタートセット29811に同梱されているディーゼル機関車モデルで、これのバラしをゲットしたもの。2004年にリリースされ翌年には絶版になったスタートセットです。スタートセットをバラしたものなので外箱はないですが、安価ということもあり、前から欲しかったモデルなので満足しています。
実は以前、ドイツの百貨店でこれのタルキスカラーが箱無しで大安売りしていたのですが、その時は計画していなかったので、購入せず後になって後悔したのでちょっとしたリベンジでもありました。
さて、この221形ですが、Ep.IIIの表記だとV200.1となり、有名な優等列車用牽引機関車のV200.0(BR220)と少し形状が違います。1番の違いはボンネット部分の鼻の長さで、運転室スペースを広げたことで、221形はちょっと短いです。他には、ボディ側面の大型の窓が小さく3枚に分割されていることなどが外観上の特徴として挙げられますが、最大の違いはエンジンの出力をV200.0(BR 220)の1100PS x 2から1350 PS x2に大幅にパワーアップしたことです。 221形は1962年から65年に掛けて、V200.1(V200 101-150)として50両全機ミュンヘンのKrauss-Maffeiで製造されました。1968年のUIC表記化によりBR 221となりましたが、モデルの車体番号104号機は、V200当時の車体番号を踏襲してV221 104となっています。 モデルの104号機の所属は「BD Augsburg」(アウグスブルク連邦鉄道局)、「AW Nürnberg」(ニュルンベルク修理工場)とあり、検査日は「1968年12月18日」となっています。残念ながら所属機関区の表記を見つけることはできませんでしたが、当初は南ドイツのアルゴイ路線の主に重量級の旅客輸送を中心に輸送力強化に用いられたため、Bw Kempten(ケンプテン機関区)に配属されたと考えられます。
エンジンは、1,350PSのDaimler-Benz (Typ MB 12 V 652 TZ) を2基搭載、変速機はMaybach Mekydro K184Uです。電装系はSIEMENS製。 BR 221(V200.1)形は1963年から1974年までは、Bw Kempten、Bw Lübeck、Bw Villingenの3カ所に所属していましたが、1976年からはBw Oldenburg、77年にはBw Gelsenkirchen-Bismarkが所属機関区に加わり、1982年には全機48両がルール地方のBw Oberhausenに集結するなど、旅客輸送から貨物輸送に変わっていった変遷が所属機関区からも理解できます。 モデルの104号機は、車体表記は確認できませんでしたが、BD Augsburgであることから、おそらく1963年落成以来Bw Kempten所属と考えられます。Bw Kemtenでは18.6形や39形の運用を置き換え、ジュネーブ発着のD 92/93 "Bavaria"、D 96/97 "Isar-Rhone"、D 98/91のMünchen - Lindau間を担当した他、München - Würzburg間にも運用があり、特に1963年夏からわずか2年間ですが、Treuchtlingen - WürzburgでF 55/56 "Blauer Enzian"も牽引しています。
モデルの仕様は1969年頃と思われますが、この時もBw Kempten所属で貨客牽引に就いていたと考えられます。その後、高速対応のガスタービン機関車210形の登場により1974年から75年に掛けてBw Villingenに転属した221形の1台だったようです。1977年にはルール地方のBw Gelsenkirchen-Bismark、1982年1月にBW Oberhausenに移り、1987年5月22日に留置となり、同年7月30日に廃車。その後は1990年にLayritz Penzbergに売却されましたが、1992年にNürnberg交通博物館に221 116用の部品取りに買い取られ、 2002年にAw Bremen(ブレーメン工場)にて解体とのことです。 [モデルについて]
先にも記しましたが、2004年にスタートセットの同梱機関車として2005年までの2年間のみリリースされました。V200.0モデル(37803)とほぼ同じ仕様となっているようで、mfxデコーダーではなく、サウンド基盤付きの60902デコーダーと通常の5極DCMモーター仕様で、粘りのある低速が楽しめるモデルです。 台車は、V200.0ほど「車輪だけ」のような外観ではありませんが、下部の梁がある以外は、車軸受けなども速度計測定部など一部にしかない構造になっているのがわかります。 前頭部正面です。前頭部のスラントが無くなり前照灯/尾灯ケースの形状が楕円から円形になることで顔立ちがより優しい印象になっています。 車体を俯瞰して観たところです。上は221形、下はV200.0と比較した画像です。冷却装置の形状の変化や中央に排出口が増えていることがわかります。 モーターは5極回転子を持つDCMです。 マイナスドライバーで漸次加減速と最高速度を調節できる60902デコーダーが装着されています。デジタルアドレスも80アドレスを変更可能なDIPスイッチです。 大型スピーカーが縦にレイアウトされた巨大なサウンド基盤です。 V200.0形モデルと並べて比較してみました。どちらも魅力的なスタイリングですが、おとなしく端正な顔立ちの221形に対して、V200.0は、どこかアグレッシヴな印象があります。 主に重量級の貨物列車や旅客列車にも使用され、その汎用性はどの列車にも似合う機関車として重宝する...とは言ったものの、まだこれが我が家に入線してからレールを拡げていないので、常設のちっちゃな直線を行ったり来たり....。でも、そのサウンドはV200.0と同様好みの音です。しかし...人間、欲が出ればキリがなく、その前にやはりスタートセットバラしでゲットしたサウンド付きmfxデコーダー仕様のV160の音を聞いたら、V200.0形やこの221形のサウンドが色褪せて聞こえてしまう。音量が小さいせいかもしれません。
初めてV200.0のサウンドを聞いた時の感動は未だに脳裏に焼き付いていますが、それより良い音を聞いてしまうと...困ったものです。 余談になりますが、この機関車は晩年ルール地方など、ドイツ北西部で活躍していました。V200.0同様この機関車のファンも多く、退役したこの221形を動態で個人が買い入れ、時々運転を楽しんでいるという話も聞いたことがあります。しかもその個人は女性というのだから驚きました。日本であれば考えられないことですが、鉄道の上下分離がこのような自由が可能になるドイツと言うお国柄は、文化的に進んでいるだけでなく、本当の意味での自由の尊重が感じられます。こういう事例がドイツを成熟した国と言わしめる所以の1つなのだと改めて感じます。 Special Thanks: HUHさん 参考文献:
Abschied von der Baureihe 221 - Das Ende einer Epoche / Eisenbahn Journal 6/1988 / Hermann Merkur Verlag GmbH i. Gr. 参考サイト:
DB-Baureihe V 200.1 / Wikipedia ドイツ
Tfz-Übersicht Baureihe 221 / Udo & Tim Krupp - Fotografie pur - [EDIT] 2020-05-19
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