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3653 DB 120 001-3 / Ep.IV [Maerklin-Lok]

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111形、151形と来れば、やはり次に来るのは、120.0形でしょうか。この3つの機関車は、メルクリンの最もモダンなDBの電気機関車として80年代のカタログに華を添えていました。メルクリンは、いつもドイツの花形機関車についてはすぐさま反応する様で、この機関車も実車が5両のみという量産先行機にも関わらず、量産機登場以前にリリースされました。
120形の量産機(BR 120.1)と大きく違う点は塗装色で、量産機のOrientrotに対して、103形と同じTEE色です。TEE色と言ってもモデルの紫赤色は明るく、屋根上に立つシルバーのパンタグラフ台座にブルーの碍子が良いアクセントとなっています。

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[実車について]
1979年5月14日、DB初のインバータ制御・三相交流誘導電動機を持つ電気機関車の量産先行車として120 001-3が落成、DBに引き渡されました。当初は最高速度は160Km/hに制限され、Bw Nürnberg Rbf(ニュルンベルク操車場機関区)に所属し、各種テストを重ねていました。

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▲ 明るい紫赤色の屋根に設置されたワンアームタイプのパンタグラフとシルバーの台座、青色の碍子が特徴的なデビュー当時の120.0形

落成から5年後の1984年10月17、18日の2日間、ようやく公式に公開に至りました。そしてその初日の10月17日、001号機はAugsburg - Donauwörthで250tの車両を牽引し、最高速度265 km/hをマーク、運輸大臣他、多くの関係者が見守る中、三相交流誘導電動機機関車として世界記録を打ち立てました。

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台車は、このサイズの機関車としては異例の4軸です。111形の特徴の1つに1軸あたりの重量軽減が大きかった成果があり、120形についても車両の軽量化によって同じ軸重の範囲内で軸数を抑えることができたと考えられます。

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▲ 車体中央のDBマークと形式・車体番号

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▲ 製造メーカーの表記は、電装系のBBC社と機械・車体製造については、Kraus-Maffei、KRUPP、HENSCHELの3社が連名で記されています

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▲ REV表記は1980年4月21日、所属は、BD Nürnberg(ニュルンベルク連邦鉄道局)、Bw Nürnberg Rbf(ニュルンベルク操車場機関区)です

1985年には、DBとSNCFにより120.0形の高速試験対応による電動機などの強化が行われ最高速度280Km/hを目指していましたが、達成はできなかったようです。その後752形に形式変更され、2004年4月21日にSüssen付近で走行中、重大事故を起こし大破。廃車となりました。

[モデルについて]
このモデルは、Koll'sによれば車番は120 001で1986年、87年の2年間リリースされた3653.4であると思います。...「思います」と書いたのは、友人から長期無償貸出機として我が家に来たものであり外箱がなかったことと、120.0形(デジタル)モデルは、1985年に製品番号3653として120 002-1の車体番号で登場、1986年にはこのモデルと同じ120 001-3になり、かつニュルンベルグ市の紋章ワッペンが車体側面に印刷されているため、1985年から1987年までの3年間に同じ製品番号(3653)で違う車体バージョンが4種リリースされている複雑な状況であったためです。

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丸型バッファとカプラーは樹脂製のHakenkupplung Typ 11(フック式連結器)です。

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真上から俯瞰した車体と内部です。

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3653と言えば、初期のデジタル機で、内蔵されたデコーダーやDIPスイッチは見事にデカいです。ただ、この機関車がリリースされた当時の1980年代半ばに模型業界でメルクリン以外にはデジタルなどなかった時代です。メルクリンは当時多くのモデルを持つユーザーに対して、1本のレール上に80台迄の機関車を個別制御出来るという技術で大きなアドバンテージを持っていました。しかし、一方で制御機器などデジタル機器の高価さは、中々普及出来なかった一因でもあったのは事実。今では当時と比べれば、驚くほどの安さでデジタル機器も機関車も購入出来るので、この世界の技術革新のスピードには驚かされます。

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モーターは交流のDCMで3極の回転子の仕様です。音は昔ながらのメルクリンH0の煩いサウンド?と言えますが、これがメルクリンらしいと懐かしくも思えます。走りは今のレベルと比較するとスムーズとはお世辞にも言えません。

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実は、私もこの120.0形には憧れがありました。理由は、「鉄道ファン」誌に掲載されたIVA(International Verkehrsausstellung)の記事と、その時初めて見る120.0形に釘付けになったことです。何しろ103.1以来の大型急客機(しかも、高速貨物牽引も可能なインバータ制御機)であるからです。そのエクステリアデザインは、サイドのエアフィルターが屋根に近く配置され、窓もないため、B'B'機でありながら、6軸機レベルの車体の長さ=ダイナミックでスマートな容姿には、111形のコンパクトさとは別の意味で憧れました。

そして1985年の冬、大学生の身で私が初めてドイツ旅行に行った時、アナログの同形モデルである3153を購入。車番はこのモデルと同じボディの120 001-3で確かDM150,-だったと思います。その時のレートはDM1,- = ¥80ぐらいだったので、現地価格の安さに感動した記憶があります。(この時購入したモデル(3153)については話が長くなるので、またの機会に譲ります)

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現在は、手元の3153モデルが別の車体番号なことから、幸運?にも外観がダブることもなくこの001号機と共に仲良く我が家にいます。

参考サイト:
DB-Baureihe 120 / Wikipedia ドイツ

[EDIT] 2020-06-18


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