3074 DB 216 090 / Ep.IV [Maerklin-Lok]
Ep.IV時代タルキスカラーの111形、151形。TEE/ICカラーの120.0形と今迄集中的に触れてきましたが、ディーゼル機では、やはり216形を外す訳にはゆきません。この216(V160)形モデルは地味であるのですが、メルクリンからは長く生産され、2000年代に入ってもEp.III時代のV160形としてメガスタートセットなどに同梱されていた息の長いモデルです。
このモデル、メルクリンが216形/V160形をリリースした当初は、1968年の216形(3075)紫赤色仕様でしたが、画像のモデルは1975年から77年までの2年間、その後若干の改良をされた同仕様が1978年から91年まで14年間(合計16年間)リリースされたタルキスカラーの216形(3074)モデルです。
1978年のカタログを見ると、この2機は同時にカタログモデルとして載っていて、何故かタルキスカラーが日本価格で500円高いです。しかし、リリースされていた当時、実車はタルキスカラー全盛の時代で紫赤色塗装も多く残っていたため、手頃な価格と相まって両方とも良く売れたと思われます。
この216形モデルの特徴は、218形とほぼ同じスタイルながら屋上の煙突部分などに若干の違いがあり、あまり出っ張りのないごろっとした姿で、この車体の大きさといい、出っ張りのない姿といい、子供でも安心して持たせられる機関車だと思います。それでいて、ある程度の重量があるところは、持った時の価値を感じさせ、牽引力にも貢献しています。子供がモデルを持った時も、その存在感は他の樹脂製玩具とは全く違うことを、触覚で理解出来ます。そしてその走りですが、私が部屋や運転会で線路を引いたとき、まず最初に216形/V160形を走らせて通電テストを行うように非常に安定した走りを見せます。(たまにポイントで立ち往生する瞬間がないわけではないのですが、少し押してやればすぐに回復します)
車体側面中央から少しオフセットされてレイアウトされたDBマークと車体番号です。
台車は、当時のメルクリンH0モデルでは標準的なモーターと一体型の2軸が駆動するタイプです。もう片方の2軸台車は集電シューが備わっています。
所属表記です。上から「BD Stuttgart」(シュトゥットガルト連邦鉄道管理局)、「Bw Ulm」(ウルム機関区)、Aw Nürnberg(ニュルンベルク修理工場)です。
製造メーカー銘板は「HENSCHEL」社のロゴが印刷されています。
REV表記は、1974年6月27日です。「Aw Nur」は、検査がニュルンベルク修理工場を意味しています。
床下のタンク部分にあるハッチには、「Feuerloschanlage」(消火機器)の文字があります。
前頭部正面です。
俯瞰してみました。屋根上のルーバーや排気口などは他の同形モデルと同じです。
ボディを開けるとモーターとリレー(逆転機)が見えます。
モーターはLFCMのようです。車重がある分強力なモーターが必要なのかも知れません。
逆転機は、リレータイプです。私個人はこのタイプに馴染みがあります。
同じタルキスカラーの218形モデルと比較してみました。顔を見る分には印象はさほど変わらないのが理解できます。
218形(上)と216形(下)モデルを並べてみました。異なる屋根色は同じEp.IVでも時期によって銀色屋根時代(Ep.IVa)とダークグレー屋根の時代(Ep.IVb)があったことを裏付けています。また、全長の違いは実車も同様で218形は若干長いです。
私にとって、216形/V160形機関車は、安心出来る相棒のような存在...とここまで書いて、実はこの機関車も前に紹介した151形同様、長期無償借り入れ機のうちの1台で、アナログ仕様のため現在はほぼ休車状態です。そのため実際の露払い機関車は、別のデジタルV160形にその役を受けてもらっていますが、このタルキス色の機関車も子供の頃から手にしたい1台であったため、このモデルもmfxサウンド付きデジタル機に改造したいです。
そんな訳で、メルクリンからも幾つか216形をベースにした218形がリリースされていますが、今一歩「もどき」の域を抜けていないので、新開発の218形がリリースされている現在は、全て金属製の新しい車体を持った機関車になるでしょう。
参考サイト:
V160ファミリー/RiG
[EDIT] 2020-04-28
V160の一族は、ドイツ鉄道のよきバイプレーヤーですね。メルクリンの216で不思議なのは、ヨーロッパ諸国ならばたいていどの国の列車の編成の先頭に立たせても、違和感なくおさまってしまうこと。存在感が薄いところがその存在感といったおかしな機関車ですが、ディテールに目を向けるとなかなかどうして立体感に溢れてカッコイイです。とくに屋根上など絶品です(金属製モデルになって、残念なのはここの色…樹脂製のややメタリック調の方がよいですね)。
あえて脱線すれば、国鉄のDD54という遠い親戚にも、根強いファンがいますね。とくに全面窓がHゴム支持のタイプはV160そっくりの顔ですが、しばらく前、オークションで「出雲」のヘッドマークを付けた218が出品されていたのを見て、さもありなんと思ったものでした。
by kuma (2006-10-03 02:47)
そう、箱形ボディのディーゼル機関車は、ヨーロッパでは主流ですが、日本ではDF50やDD54などの箱形機関車は過去のもので、やはりDD51などの凸形イメージがありますねぇ。あとヨーロッパの箱形ディーゼル機はごつさの中にも柔らかな曲線を取り入れたものが多く、そのあたりもヨーロッパらしさという感覚があるのかも知れません。
V160の前面形状がロロスタイルから逆スラントに変更されたのは、画期的だったそうです。DBデザインセンターで実習していた時、モデラーの方から聞いた話ですが、当時の技術者がこのスタイル変更を提案したそうで、その時の資料のコピーを貰ったのですが、ドイツから帰国する際に何故か処分してしまったようで、今となっては本当に惜しいことをしたと感じています。
あの全面形状は、当時としては画期的で今でも充分に通用するデザインです。(個人的にはヘラクレスのデザインの方が陳腐化が早いのではと思う)
あと、何故かヨーロッパは電気式ディーゼル機が多いのに対して日本では液体式ディーゼル機が多いのと言うのも気になるところです。電気式はDD54で懲りたのかな?
by Akira (2006-10-03 08:40)
ロロと逆スラント、ちょっとした違いのようですが、見比べるとかなり印象が異なります。ロロは何ともいえない味があるのですが、やはり野暮ったい印象を受けます。このスタイル変更の詳細を知りたいところです。
これは全くの主観ですが、運転台下が突き出た前頭部のデザインに、魅力を感じます。たとえばイタリアのE656、日本の車両で言えばED72/ED73やJR西日本の「はるか」など好きですね。
液体式は技術的には難しいけれど、軽量小型になると聞きます。ただ近年になってさまざまな技術革新が進んだのか、JR貨物のDF200デーゼル機関車やJR東日本のキハE200ディーゼル車など電気式が採用される例も出てきています。
by kuma (2006-10-04 00:32)
そうでしたね。DF200など日本でも電気式ディーゼル機が活躍しはじめていますね。電気式ディーゼルは、旅客の目から見ると液体式に比べてある種の汚さをあまり感じさせません。やはりモーターで駆動しているからかもしれませんが。ドイツのICE-TDは不運な車輌でしたが、ディーゼルの魅力も捨て難いものがあります。
そうそう、明日は液体式気動車に乗って片道1時間半の旅です。帰りは電車ならラッキーです。(これは早く到着するから...)
by Akira (2006-10-04 13:05)
気動車に乗って片道1時間半…八高線?? あの線にも走るキハ110に私が初めて乗ったのは小海線でしたが、明るくきれいな車内、パワフルで軽快な走りに驚きました。旧型の車両も大好きですが、新しい車両にはやはり洗練された魅力を感じます。フランスのX73500やドイツのBR644など、旧来のディーゼルカーのイメージを払拭する格好よさですね。
by kuma (2006-10-04 20:42)
私がドイツで住んでいたWeidenとこの日本の交通事情を比較します。
Weidenは、人口4万人強で、約100Km弱離れたNuernbergとの間に単線非電化の路線があります。ちょうど私がWeidenに来てすぐに、VT610形振子気動車が配属され、RSB(後のRE)としてNuernbergとの間に2時間ヘッドで結びました。カーブを160Km/hで突っ込んでゆくその走りはまるで絶叫マシン!(ちょっとオーバー)所要時間は1時間弱。本当に早いです。
一方明日乗る八高線は、ほぼ同じ距離を高麗川乗り換えで所要時間2時間半です。軌間の違いがあるにしても快速設定もないし、ちょっといただけません。
望むなら、八高線も2時間間隔で快速運転、単線でも良いから路線強化して振子気動車を導入。できれば半室グリーン車付き。駆動装置は電気式で八王子直通にするため、高麗川駅で電車と併結運転。これで所要時間が1時間半であれば文句なしですが...まぁ無理でしょうね。
あまりにWeiden-Nuernberugと条件が似ているので、つい比較してしまいました。
by Akira (2006-10-04 21:16)