39120 DB E10 345 / Ep.IIIb

昨日、待ちに待ったモデルE10.3形（39120）が届きました。実車は、E03が登場するまで最高速度160Km/hを実現したF-Zug用の機関車でした。
素晴らしい外観は期待していた通りの出来です。金属製ボディに塗装されたKobaltblauとTiefschwarzは、艶消し仕上げでなかなか良い質感。印刷も現在の最高水準に達していると出来映えだと思います。台車もおそらく新規のものと考えられます。今迄の樹脂製ボディのBügelfaltenタイプのE10.3形モデルと比較するまでもなく、格段の出来映えと言えましょう。各種ジャンパ栓、全面スカート、ダミーのスクリュー式連結器は別付けのパーツが添付していますが、全面サイドのジャンパ栓のみを取り付けました。（他のパーツは、カプラーを外してのみ取り付け可）

▲ 車体中央にレイアウトされているDBマークと車体番号表記

▲ 製造銘板（電装：SIEMENSと車体製造：KRAUS MAFFEI）はシルバーで精彩な印刷。DKH 10.1964は、1964年10月に落成の意でしょうか。

表記類は、さすがに新規設計モデルだけあって精細な印象です。
流線形の顔を持つE10.3（Bügelfalten）の実車（E10 288 - 510）は、E10.1からの通し番号で1956年から69年まで製造されています。

台車です。E10.12はギア比を交換した高速台車を履いていますが、この台車は高速台車ではなさそうです。

さて、モデルですが、このモデルを手にして初めて気づいたことに、金属ボディの肌の薄さです。上画像は、ボディを外して裏側からボディを見たところです。画像からその薄さが理解できると思います。この薄さと同じ寸法で樹脂にした場合、強度を保てないと感じるほどです。そのためか、金属製にも関わらず、ボディは軽い印象です。

▲ 台車の上に小さい２連スピーカーが見えます。

▲ 反対側にはサウンド基板とmfxデコーダーが見えます。

▲ サウンド＋デコーダー基板を上から見たところ

▲ 基板を横にずらすとカルダンシャフトに結ばれるギアが見えます。ここに走行に応じて定期的にTRIXのグリスを加えるよう指示されています

一方、重量を稼ぐためか、シャシーはモーターとカルダンシャフト、台車部分を除いて大きな金属製ブロックで覆われています。

モーターは、SDSモーターにフライホイールを付けています。動きは低速が効く非常に静粛でカルダンシャフトを通して全軸駆動になっています。デコーダーはmfxで、サウンドは２種類が奏でられます。
ファンクションは前照灯/尾灯on/offのほか、以下の3つになります。

f1: 漸次加減速 on/off f2: 警笛 on f3: 駅構内アナウンス on

技術革新により、肌の薄い金属加工と精細な彫刻が可能になった全金属製のボディになり、細かなディテールを楽しめるようになった反面、部品が細かく樹脂パーツなどは壊す恐れのあるような華奢な作りとなったのは、メルクリンが培ってきた頑丈なイメージを覆すことになる程残念な部分と感じます。画像では取扱説明書の他に別途添付されていた注意書きで、樹脂製スカート部分を持ってはならないと記されています。モデルを持つ時は台車付近を持つことが多いので、このスカート部分を持つなというのは無理があるように感じます。実際に私のモデルもスカートを付ける爪の部分が欠けてしまいました。

屋上部分のディテールは申し分ない完成度だと思います。パンタグラフも実車同様赤色塗装されています。

正面から見たところです。鼻筋が通った流線形状はBügelfalten（ズボンの折り目）と呼ばれる独特な造形ですが、国鉄のEF58流線形ボディにも通じるものを感じます。 このE10.3形モデルは、オリジナルの姿を忠実に再現しています。砲弾形バッファ受けやスカート、連続したエアカバーなど、その後何度かの改造を受けた112形にはこうした美しい姿からは離れてゆきました。また、数々の優等列車を牽引したのもこのE10.3であり、ベージュとコバルトブルーのF-Zug色や最高速度160Km/hのTEE"Rheingold"/"Rheinpfeilなど、TEEカラーで疾走した姿は今も多くの写真で見ることができます。

参考サイト：
DB-Baureihe E 10 / Wikipedia ドイツ

[EDIT] 2021-07-30

タグ：DB Elektrolok Kobaltblau Buegelfalten Ep.IIIb E10.3