29855 DB AR4üm-65 / Ep.IIIb [Maerklin-Reisezugwagen]
▲ 解放室側
▲ 食堂/厨房側
以前このブログでも紹介した24センチ鉄板客車でもある同形のARüm-65の27センチ樹脂製モデルについて今回触れてみます。
これは、プレミアムスタートセット(29855)に同梱されているモデルですが、WRümh 132形モデルをベースに塗装を変えただけなので正確なモデルではありません。(ショートスケールであるのはもちろん、窓配置などが違います )
それでも、この塗り分けのモデルは今迄になく、F-Zugを編成にするのに重宝するので、客車のみバラで購入しました。
1等車側車端部側面です。実車とは正確には印象が異なりますが、雰囲気は悪くないと思います。
車体中央にDBマーク、そしてその左側に「SPEISERAUM」(食堂室)と大きく記されているのは、Ep.III時代の特徴です。ただ、問題はモデルのDBマークの位置が異なることで、実車は窓の中程の高さに位置しています。少し不思議なのは当時食堂車の車両保有は、サービスを担うDSGなので車体横にはDSGの文字が大きく描かれていますが、これはそれがなくDBマークが配置されています。これは半室が客室ゆえに車両保有がDBだからなのかも知れません。
表記の印刷は、当時の水準に感じます。表記されている車体番号の「11 878 Stg」は、手元の資料には見つからず、実際の番号であるかどうかは未確認です。(資料では3両のみEp.III表記があり、「12 089 - 12 091」となっています) 全車25両ある同形式のうち3両がEp.III仕様で1966年より登場し、残り22両の2次車と最後の3次車は1968年から70年に掛けて製造されています。モデルはEp.III仕様なので1次車を想定しているものと推察できます。
座席側のサボ周りです。サボには「Stuttgart - Lindau」と印刷されています。禁煙表記の印刷場所にはやや無理を感じます。台枠には「Handbremse am anderen Ende」(手ブレーキは反対側車端)との表記があります。(つまり非手ブレーキ側)
RICラスターは、6カ国鉄道入線許可が記されています。
REV表記は、1956年1月27日(次回検査日1958年1月27日)とあります。この表記では、1956年には実車の存在があると理解できますが、1966年にデビューしたこの形式を考えると矛盾と言えます。 他に、所属駅がStuttgart Hbfとなっています。
せっかくなので、この派手なKakadu塗装の色(KobaltblauとPurpurrot)が正しいかどうかRAL色票と比較してみました。結果は、ほぼ印象どおり正しい色の範疇にあると評価できます。
実車の世界では、全長26.4mのWRümh131(瘤付き食堂車)が登場後、他のTEE向けに平屋のWRümh132が全長27.5mで登場しました。これは乗車定員を増やすための工夫の一つであり、そのため、全幅が26.4m客車より若干少ないです。そしてこれをベースに短編成のF-Zug向けに製造されたのが、この半室食堂車のARüm 65(後のARüm 217)であるといえるでしょう。半室が座席車とはいえ、大きなテーブルを挟んだ1+2のボックスタイプの解放形客室であり、食堂部分とはドア1枚で隔てられているだけです。おそらく..ですが、この1等車はプルマンタイプと言っても良く、食事は自席で取れるようになっていたのかも知れません。
モデルを手にしてからは、室内照明や導電カプラーの取付などで少しづつグレードアップ?を試みましたが、今一歩雰囲気が出なません。そこで、VT11.5/VT602の食堂/バー車で使われているテーブルランプをパーツで購入し、テーブルに穴を開けて取付けてみました。このテーブルランプもちょっとオーバースケールですが雰囲気は出ている様に思います。(これでプライザ−のフィギュアがあれば良いのですが..)
ドイツの改造派のツワモノは、さらにこのテーブルランプまで灯らせる者もいますが、さすがに自分では出来そうもないので無灯火状態です。強いて言えば、ランプの傘やテーブルに白を差してそれらしくしてはみましたが、どうでしょうか?
その後、これに気を良くして42990/42991のRheingold '68セットの食堂車/バー車や、Schürzenwagenの食堂車などにも同様にテーブルランプを取付けてみました。個人的にはこれを見つつ結構悦に浸っていますが...。
282mm客車でもビュフェ合造客車がありますが、これにテーブルランプが付いていません。一方で、131形や132形食堂車モデルにはテーブルランプが装着されています。デジタル仕様のモデルはテーブルランプも点灯します。
寒い冬の夜に食堂車から漏れる暖かな電球色を見るにつけ、(私だけ?)癒しの効果があるように感じられます。
参考文献: AR4üm-65 / 「WAGEN」GeraNova Verlag[EDIT] 2016-06-17
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