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3790 DB 011 056-9 / Ep.IV [Maerklin-Lok]

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昨日に続いて機関車、それもBR 01.10の石炭焚きであるBR 011(3790)のモデルを紹介したいと思います。
昨日のモデルと同様Ep.IV仕様のため、UIC番号化でBR 011(石炭焚き)となった仕様のモデルです。これは、私がドイツに渡って4〜5年経ったころでしょうか、当時メルクリンH0の01.10形では、昨日紹介した重油焚き仕様しかなかったのですが、このモデルが発表され、どうしても欲しくなりました。その頃の私は、ようやくドイツで学生生活から社会人となり、給料ももらえる身分になったこともあったので、模型店のショーケースに誇らしげに鎮座しているこの011形を眺めては、他店との比較をしたことを覚えています。

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このBR 011モデルの魅力は、テンダーの形状だけではなく、BR 012のちょっとスリムで高めの煙突に対して、ボイラーとのバランスが一体的な低めの煙突形状のスタイルです。長距離旅客列車用機関車らしいダイナミックなスタイルが素晴らしいと感じています。

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[実車について]
さて、このモデルの実車は、昨日紹介した012形と同じく元々は1939年にSchwarzkopf社(BMAG)で01.10形として製造されました。この機関車は、登場時から戦後まで流線型ボディを纏った姿で通常の01形とは全く異なりました。
新製当初は01 1056として、Bw Halle P(ハレ機関区)に配属、その後は現在のポーランド領であるBw Bresrau Hbf(現在のヴロツワフ)に転属ましたが、終戦直前の1944以降に全機西側に移されたました。転属の理由は不明ですが、終戦直前に東側のツァイス社の一部が西側に移動となったように、この機関車も何らかの事情で西側に移動させられたのかも知れません。

戦後の1946年には、1056号機は1両のみの01.10形として北ドイツのBw Uelzen(ウェルツェン機関区)に配属されています。しかし、実際に運用にはついていなかったとのことです。1949年までに点検整備の難しい流線型ボディを外し、南西ドイツの独仏国境でもあるフランス・ストラスブール近くのBw Offenburg(オッフェンブルク機関区)に転属となっています。
1953年には、01.10形全てのボイラー交換が始まり、更に1958年には34両は重油燃焼式になりましたが、1056号機は対象から外れ、石炭燃焼式のままです。(1054、1055号機も1057-1061号機も重油燃焼式なのですが、なぜ1056号機が石炭燃焼式のままなのかはわかりません。

1961年には、中部ドイツのBw Kassel(カッセル機関区)に配属しています。ここは東西分裂したドイツの西側での南北を貫く幹線上にあります。ここで多くのD-ZugやF-Zugを牽引していたと思われます。
1968年には、形式表記のUIC化により石炭燃焼式の01 1056は、011 056となりましたが、所属機関区の011形運用は終焉を迎え062号機と共に予備機として、臨時列車などの運用に当たるのみとなっています。そして1970年にこのモデルの表記でもある北ドイツのBw Rheine(ライネ機関区)に転属しています。1971年には廃車となりました。同機関区の011形は、次々と廃車され1973年の同機関区のリストには011形は無くなっています。056号機は廃車後も同機関区で保存されていましたが、現在は、Darmstadt-Kranichstein(ダルムシュタット・クラニッヒシュタイン)の鉄道博物館で現存する唯一の石炭燃焼式01.10形として静態保存されています。

このモデルの表記は、Bw Rheine(ライネ機関区)で所属はBD Münster(ミュンスター鉄道管理局)と記されています。つまり、最晩年期の1970年から71年の姿の仕様だと思われます。

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[モデルについて]
この機関車モデル(3790)は、1991年にアナログモデルの3390がリリースされた翌年の1992年から1995年までの4年間リリースされました。このモデルは当時最新のデジタルデコーダーc90(6090)を備えていることで漸次加減速や過負荷でも自動的に定速度走行制御される走りを実現しています。しかし、ファンクションのなかった時代であったので、発煙装置はSeuthe社のNr.11を使用し、常に発煙状態でした。

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その後、私の012形のデジタル化を機に、このモデルも60901デコーダーキットに交換しました。更に動輪灯も取付け、発煙装置も一般の7226に変更。ファンクションを活かしたデジタル化改造になりました。(上画像は動輪灯を点灯させた状態です)

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画像では見えにくいですが、01.10形の特徴であるボイラー右側前頭部に配管があります。ヴィッテデフによって横からは隠されていますが、中々魅力的なディテールです。

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ボディを外すと、動輪灯基盤が見えますが、これは後に部品を調達して取り付けたものです。
モーターは5極直流のDCMです。
テンダーを開けるとデコーダーが見えますが、元々は6090デコーダーが付いていて、これを60901デコーダーに交換しています。

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折角なので012形(3310)と一緒に並べてみました。ほとんど変わらない姿ですが、煙突形状の他、011形(3790)は足回りのニッケルメッキが施されて車輪が光らなくなった分、より実感的な佇まいになっているのがわかります。鉄道模型の概念の変わり目といった印象を持ちました。

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今となっては、Ep.IIIのBR 01.10の方が優等列車牽引などで華やかな姿で良いのですが、Ep.IVの石炭焚きBR01.10の晩年期に北ドイツを疾走する姿も中々渋い選択であると思います。(負け惜しみ...?)

参考文献:BR 01.10ものがたり / HUHさん

[EDIT] 2020-05-08


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しげやん

昨日のブログを見て私も01.10を走らせたくなり、引っ張り出してきました。アデナウアーセットと同時に出た銀リングのやつです。銀リングの蒸気が欲しかったのでこれがアナウンスされたときは飛びついてしまいました。本当は銀リングとDBマークがついてるのが一番いいんですけど(こいつは「DEUTSCHE BUNDESBAHN」表記)。残念ながらデルタですので、引っ張り出したついでに余剰の機関車からデコーダーと直流モーターを奪って、デジタル化してしまったのです。やはり5極モータ+デジタルはよろしいなあ。できれば動輪灯とサウンドも付けたいですね。いつのことになるのやら..
by しげやん (2007-01-23 12:42) 

Akira

ども、しげやんさん。実は012形に動輪灯を付けるつもりで01用動輪灯パーツを2つ注文していました。結局012形はシャシー構造が古くて改造も不能。よって011形のみ改造してパーツが1つ余っています。御入り用でしたらお譲りしましょう。
でも、銀帯01.10はイイですね〜。
by Akira (2007-01-23 12:53) 

しげやん

どもども、Akiraさん。お心遣い頂き、Dankeです。メルクリンHPで私の持っている01.10のパーツ表を調べたのですが、品番自体、載っていないようでした。で、39104のものを見てみたんですが、動輪灯基板を付ける際には、専用のボルト?が必要になるのでしょうかねえ。チップLEDを使えばもしかすると基板なしでもできるかな?と思ったりもするんですが...基板を使った方がすっきりと仕上がるかも。そうそう、もしメッセに行かれるんでしたら来年以降、尖がり煙室扉の01.5激しくキボンヌ、とメルの人にお伝えください(笑)。
by しげやん (2007-01-23 13:15) 

Akira

私が改造した時は、最初動輪灯とそれを取り付けるネジのみを注文して、届いてから、現物合わせで他に数個のパーツが必要なことが分かり、また追加注文と部品を揃えるのに随分時間が掛かりました。それだけに完成した時の喜びはひとしおでしたが....。
パーツ表は39103のものを使ったと記憶しているのですが....。
by Akira (2007-01-23 17:47) 

しげやん

例のデジタル改造した01.10、毎晩走らせています。締め切った部屋で煙もうもうとさせて悦に入っておりますが...(笑)。オイルで部屋がべたべたにならないか、心配です。こうなるとやはりサウンドも入れたくなりますね。同時に購入したアデナウアーセットもずっと箪笥の肥やしだったのですが、ようやく陽の目を見た感じです。これにも室内灯を入れれば、だいぶ愛着あるものに変わりそうですね。このアデナウアーセットは3両ですが他の車両も組み合わせることが出来るのかな?
by しげやん (2007-01-25 16:36) 

Akira

いいですね〜。BR01.10、私も欲しいですが、まだ我慢です。発煙させて部屋がべたべた...なんて考えたこともありませんが、あまりモクモクさせるとそうなるのでしょうか?

アデナウア−セットも羨ましい限り。何しろ客車ですから他のEp.IIIのSchuerzenwagenなどと繋げても良いのでは?そう、昨年からリリースが始まったEp.IIIの緑Schuerzenwagenが今年はWRやPwも含めてリリースされますね。
by Akira (2007-01-25 19:03) 

BOAC VC10

家でPC使えないので、012と合わせて亀レスです。

01.10は元々流線型・3気筒だったのを、戦後にカウルを外し、
更に材質に問題のあったボイラーを載せ変え、
1968年のコンピュータナンバー化で、
石炭炊きが011、重油炊きが012に改番されたという流れですね。

末期にはDC-Zugとか引いてましたが、
うちでは012に、緑・青UIC-Xや黒裾シルバーリンケに、
戦前型客車をちょちょっと混ぜて遊んでます。

012のところで出てきた6600のコントローラー、すごく憧れましたが、
その後リコールになってしまった記憶があります。
(012の逆転機自体、他のものと違っていた記憶が・・職場からなので現物が・・。)

012は003の足回りをそのまま流用していましたが、
011はロッド回りが新調されて「進歩」してしまい、
その後、012も改良版に切り替わったので、
(他の大型蒸気を含めて)当時は悔しい思いをしたものです。

ただ、フレーム周りは現行製品も003からの引継ぎですので、
実物や他社製品と比べると、煙室下付近の形でばれてしまいます。

発煙液ですが、子供の時分はいっぱいいっぱい入れて、
長めに逆転の過電流を流して加熱して、思いっきり煙を出すという、
昨今のデジタル機では怖くてできないことをしていましたが、
発煙液自体でべとべとになった事はなかったです。
ただ、付近が白っぽく煤けるのと(逆にリアル?)、
前照灯のプリズムまで染みてプラが劣化したのと、
(原因か?ですが)除煙板の塗装が剥げてしまったことはあります。

ZゲージのS3/6で「銀河鉄道999」をやって(「発射」のトコです)
モーターを焼き切ってしまった前科ありのBOAC VC10でした・・。
by BOAC VC10 (2007-01-26 12:48) 

Akira

BR012はBR003の足回りをそのまま流用していたんですね。初めて知りました。私のBR012も旧タイプですね。今年の新製品のUIC-Xは、黒裾タルキスカラーなので、BR012やBR011にも牽かせられそうですね。
by Akira (2007-01-26 21:28) 

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