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Zugbildung TEE 56 Bavaria 1970/71 Winterfahrplan (16. Feb. -) [Zugbildung]

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▲ クリックすると拡大します。

TEE 56 Bavariaの1970/71年冬ダイヤの編成表です。この列車の走る路線は、現在でもドイツで最も大きい湖で景勝地でもある保養地LindauやAllgäu路線を経由した風光明媚な路線として、南ドイツのメトロポールミュンヘンとスイスの経済の中心地でもあるチューリヒを結ぶ路線でもあり、オーストリアからの連絡もある早くから国際優等列車が走る路線です。

この1970/71年冬ダイヤではTEE 56 Bavariaは、当初はSBBのRAmが運用されていましたが、1971年2月9日に運行中のRAmが脱線大破し、死者28名、負傷者42名を出す鉄道史に残る大事故を起こしました。その影響で、この路線は運行停止に陥り、TEE Bavariaも運休となりました。その約1週間後、2月16日から運行再開となったTEE Bavariaは、それまでのSBB RAmは調達できず、DBが量産中の62系列客車2両とバー車1両の客車を急遽拠出して編成を組むことになりました。今回の編成表は、2月16日から1971年夏ダイヤ開始までの期間、再開された客車列車によるTEE 66 Bavariaについて記したものです。

それまでのRAm気動車から客車による運用になったため、牽引機関車もDBでは当時最新の高速タイプのガスタービン機関車210形2両(210 001-4、008-9)が担当することになりました。(例外的に218形が運用に就くこともあり)また電化されているスイス、オーストリア側では、SBBの電気機関車が集電舟の短いタイプのパンタグラフのため、急カーブのあるÖBBのLindau Hbf - Bf. St. Margrethen間では、ÖBBのRh 1180がその任に付きました。3月5日からはSBBの電気機関車にÖBBの運用が可能な2種類のパンタグラフを装備したRe 4/4 II2機(11196、11201)が用意され、Lindau Hbf - Zürich HBを直通運転可能になりました。

客車については、急遽用意せざるを得なかった食堂車の代わりの1等区分室/荷物室/バー客車(ARDümz 106)は、通常食堂車とペアを組んで運行するように設計された供食車両で、厨房は最低限の設備に留まっているため、ミュンヘン(17:48発)からチューリヒ(21:55着)まで利用者からは、ちょうど夕食時間にあたるため不評であったようです。(逆向きのTEE 57列車も昼食時間中にあたりこちらも問題でした) このバー車による運用は、1971年夏ダイヤ改正前まで続き、改正後はSBBの食堂車(WRm)に変更され、落ち着いたようです。

メルクリンH0からは、この短い期間の運用車両の3両セット(43859)がリリースされています。(TRIX H0からT23427としてリリース) 問題はこの変則的な運用に際しての牽引機関車で、DB側の210形ガスタービン機関車は、この列車に向けてあてがわれた001号機は、1971年仕様が39189としてメルクリンH0でリリースされています。また、担当した機関車ではないですが、003号機の1972年仕様が39188としてリリースされました。218形もありますから、München Hbf - Lindau Hbfについては、モデルが揃っています。

一方でLindau Hbf - Zürich HBについて中々難しいです。まず事故復旧直後の2月16日から3月4日までは、ÖBBのRh1180がLindau Hbf - Bf. St. Margrethenを牽引していますが、メルクリンH0からはリリースされていません。またそこからZürich HBまでの運用機関車については、文献で確認できていないので、おそらく...SBBのRe 4/4 IIではないか程度でしか想像できません。 また、3月5日からLindau Hbf - Zürich HBを直通運転した機関車は、文献では2種類のパンタグラフを装備したRe 4/4 II(11196、11201)が牽引にあったとされています。この2機については、メルクリンH0ではリリースがなく、その製品化が待たれるところです。

それから約30年後の2000年代に入ると、RAmの再来ではないですが、ICE-TD(605形)の登場で再びこの路線に気動車による国際優等列車が投入されましたが、このICE-TDは前代未聞の不具合が発生し、わずかな期間で当局から運行停止処置によって運転できなくなり、その後はSBBのTyp EC客車主体の列車で運用されています。

*この記事は、元記事を大幅にリニューアルしたものです。記事中の誤記などありましたらコメントいただければありがたいです。

参考サイト:TEE Bavaria / Welt der Modelleisenbahn

[EDIT] 2021-11-08


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コメント 4

seidoh

Akiraさん、ご無沙汰しています。
改訂版のBavaria記事、改めて拝読させていただきました。
あえて付け加えれば、後継のECには現在RABe503型(元々はイタリアのETR610)が充当され、両都市間を4時間10分ほどで結んでいるようですが、こういう歴史ある列車が引き継がれていくのは、昨今の脱炭素社会に向けた動きを別にしても、単純に嬉しいことです。
この路線にはまだ乗ったことがないので、いずれ普通に海外渡航できる日が来たら、是非乗り鉄を楽しみたいと思っています。
by seidoh (2021-11-08 11:22) 

Akira

seidohさん、こちらこそご無沙汰しています。
EC Bavariaの後継がRABe503とのことですが、これは電車ですね。Lindau - Münchenは電化されたのでしょうか?最近そうした情報に触れていないので....。
海外渡航可能になるのはいつになるやらですが、行きたいですねぇ。
by Akira (2021-11-08 22:19) 

seidoh

おはようございます。
アルゴイ線の電化は昨年8月末に完成して、今年の新ダイヤから電車が走り出したようです。ご参考までに記事のアドレスを貼り付けておきますね。(ちなみに、私は英訳して読みました( ̄▽ ̄;)

https://www.bahnonline.ch/2202/elektrifizierung-allgaeu-nach-zweieinhalb-jahren-bauzeit-folgen-nun-drei-monate-testbetrieb/

これによると、今年末には所要時間が3時間半に短縮されるとのことです。
by seidoh (2021-11-09 11:03) 

Akira

seidohさん、ありがとうございます。アルゴイ路線も電化が進んでいたのですね。そうなるとDBもICE-Tを走らせればとも思いますが、どうなのでしょうね?Lindau中央駅も移転して行き止まり駅ではなくなるという話もありますので、今後はどんどん変わってくるでしょうね。
by Akira (2021-11-09 22:37) 

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