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37538 DB 120 002-1 (IVA) / Ep.IV [Maerklin-Lok]

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私の持っている120.0形機関車モデルの最後の紹介です。今となっては120形機関車も量産機が数の上では圧倒しているので、OrientrotやVerkehrsrotの赤いイメージが先行しますが、私にとっての120形のイメージは、どうしても5両しか存在しない試作形のTEE塗装が印象深いのです。理由は、おそらく実車の試作形が登場してから量産形が登場する迄に長い時間が掛かったこともあるでしょうが、それ以上に試作形が登場した時のインパクトは私にとって大きかったのです。

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この実車が登場したのは1979年で、当時の「鉄道ファン」誌にハンブルグで開催されたIVA(国際交通展示会)の記事があり、そこに掲載されていた側面に大きく「E120」とオレンジで描かれた最新鋭のDB電気機関車の120.0形を見た時に、日本の機関車との違いもさることながら、当時のDB最新鋭機関車であった111形と同じデザインテイストで纏められながらも全長が長く流麗な姿が強く私の脳裏に焼き付きました。この時DBでは既にPI(Product Identity)という概念があったのでしょう。

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今にして思えば、この120形のデザインは、当時のDB Design Centerで行われたものであり、この機関車のレンダリング(完成予想図)を描いたBodack氏は、HfG Ulm(ウルム造形大学)の学生も経験している。JR500系やICE 3のデザインで有名なA. Neumeister氏も卒業したHfG Ulmは、1960年代に多くの企業とコラボレーションしながら今では当たり前となったCI(Corpolate Identity)やPIを実践した大学であり、現在でも多くのドイツ企業がHfG Ulmの影響を受けています。

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[実車について]
このモデルの実車は、Henschel 32017として1979年に落成し、IVA(International Verkehrsausstellung [国際交通博覧会])に出展後DBに引き渡されました。その時点ではボディサイドに大きくオレンジでE120と2ケ所に描かれました。TEEカラーにオレンジ色の文字と言うのは今の感覚から言えばあまりセンスが良い配色とは言えませんが、当時は茶色やオレンジ色が流行だったように思います。また、DB最後のTEE "Rheingold"はTEE色の赤とクリームの塗り分け部分に細いオレンジ帯が入れられていました。このオレンジ色と同じであるように思います。
そのE120という文字もIVAの展示の後にはこの文字も無くなっていて路線走行中にこのままの姿では確認していません。会期後に会場で外されたのかもしれません。
2001年1月1日付で廃車され、 2005年5月17日にニュルンベルクで解体されています。

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▲ 製造メーカー表記はBBC(電装系)とKrauss-Maffei、KRUPP、HENSCHEL(機械及び車体製造)3社が記されています。

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▲ REV表記はブランクになっています。これは、展示会後にDBでの手続きがあるためと考えられます。

[モデルについて]
このモデルは、MHIモデルとして2005年に1回限りのリリースが行われました。表記やボディの印刷以外は004号機(37537)と同じと言ってよいと思います。新しい全金属製のボディとシャシーで、111形モデルから続いた(若干であるが)以前の120.0形にある軽量タイプの印象とは打って変わってずっしりと重い印象です。

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▲ ボディを開けると基盤が見えます

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▲ その基盤の下にコンデンサのついたサウンド基盤が両面テープで接着されていてデコーダーはその下です。

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▲ デコーダーの隣にスピーカーが台枠に埋め込まれる形で装着されています。

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▲ 5極回転子の直流DCMモーターです。

デコーダーはmfxになる直前の過渡期デコーダーとも呼ばれるものです。アドレス用DIPスイッチがなく、6021やMS/CSでの設定変更が可能となっています。
デジタルファンクションは以下の通りです。

前照灯/尾灯のon/off(f0)
運転室照明(f2)
警笛(f3)
漸次加減速(f4)

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▲ 照明を点灯中の運転室

この120.0形の実車は試作機として5機が登場しましたが、現在メルクリンから製品化されているのは001から004号機のみです。005号機は、速度試験を目的の一つとして製造されたため、前面のスラント角が異なり形状が若干違うので、模型化されていません。

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参考サイト:
DB120 004 / Ep.IV

[EDIT] 2020-06-27


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ナベ

去年の暮れにゲッピンゲンを訪れた際、新ミュージアムのハンパ物コーナーで売っているのを見ました。ハンパ物と言っても、何処が悪いのか解らない位の美品で(確か180ユーロ前後でした)悩みましたが、結局違う車両を買ってきた次第です。今となってはとても後悔をしております。僕の中では103形同様、この120形もいかにもDBの機関車といった雰囲気で大好きな車両です!いつかはコレクションに加えたい1両です。
by ナベ (2007-05-31 19:13) 

Akira

このモデル、あまり馴染みがなかったようでMHI製品の一回限りの生産だったにも関わらず、売れ残ったようでした。おそらくErlebnisweltのFundgrube(ハンパモノ)コーナーにあったのは、売れ残ったモデルでしょう。
私は、「鉄道ファン」写真のインパクトが余りに強かったので迷わず定価?で購入しましたが、後で大安売りされるのを見るとちょっと残念な気もしないわけではないですが、買って後悔ということはないです。
by Akira (2007-05-31 19:28) 

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