3553 DB 120 104-5 / Ep.IV [Maerklin-Lok]
昨日は、最後の120.0形の紹介と記しましたが、今日もBR 120です。と言っても、今回紹介するのは、120形の量産車BR 120.1です。試作形の120.0形と量産形の120.1形の大きな違いは一見すると塗装色程度で、103形のような形状での大きな違いは見えないのですが、良く観察すると色々と違いも見えてきます。実車でもかなりの時間を掛けて試作形から量産に移行したので、その違いはメルクリンのモデルでも反映されています。屋根上の機器類はもちろんその大きな違いの一つですが、それ以外には、ボディ両側面下部に4ケ所の穴があり、蓋がついています。また、台車の砂箱の形状やら、乗務員扉の取っ手の位置や数も違います。実車の技術的な部分の違いは、Wikiの解説に詳細は譲りますが、当時は花形機関車としてデビューを飾っただけあって、メルクリンも試作車から量産車まで手を抜かず、新しい金型を起こして製作しているのは好感が持てます。さらに現在はボディも試作型と共に金属製となり、デジタルもmfx+デコーダーが搭載されるなど進化を遂げています。
塗装色は、現在のVerkehrsrotではなくOrientrotと呼ばれる若干青みがかった赤色で登場しました。前面にはLetzchen(ヨダレ掛け)と揶揄された白の塗り分けがあり、これは赤色に対してコントラストを付けることによって遠方から機関車の存在を認知、また警戒させる意味があります。また、このモデルのプロトタイプは、初期の仕様のため、Letzchenの塗り分けが前面窓迄一体化されたもので、オリジナルの塗装ですが、後の仕様は前面窓とLetzchenの間に赤いスキマが出来ています。(よって後の仕様はLetzchenの横幅が若干狭い印象になります)
[実車について]
モデルの実車である「120 104-5」は、1987年12月18日にThyssen-Henschel社の「32882」として落成しました。Bw Nürnberg 2(ニュルンベルク第2機関区)所属となり、現在まで廃車は確認していません。
▲ 車体側面中央のDBマークと形式、車体番号表記
▲ 製造メーカー表記は左から電装メーカーのAEG、BBC、SIEMENSの3社、右側には機械・車体製造のKRAUSS-MAFFEI、KRUPP、HENSCHELの3社の表記が記されています
▲ REV表記は1987年5月7日と記されています
[モデルについて]
この3553は、アナログの5極DCMモーター仕様です。このモデルがリリースされた1988年当時は、アナログ3極モーター仕様(3353)とデジタル仕様(3653)の3種のモデルが同じボディを纏ってリリースされていました。いずれも1992年まで5年間リリースされました。
私はこのモデルをオークションで落札し、比較的リーズナブルな価格で入手できました。最初は、長い間動かさなかったためか、決して調子が良いとは言えない状態でありましたが、注油して暫く空転させながらギアを馴染ませると、メルクリンらしい気持ちの良い走りが蘇りました。これがメルクリンのメルクリンらしさの所以なのでしょう。長く放置していても、動かすことによって再び回転が安定し走りもスムーズになるのが魅力です。
その後60901デコーダーキットでDCMモーターの直流化を行い、現在では定評のある粘り強い低速走行が堪能できます。しかしながら、前照灯を除く折角の4つあるファンクションのうち漸次加減速(f4)のみしか機能させていないのが残念なところです。これなら安価な60760に変えた方が良いのかも知れません。
メルクリンから同じOrientrot(DBAG/Ep.V)のBR120.1が幾つかリリースされていますが、こちらはスタートセット(29835)のもので、また単品モデルもリリースされています。この時代になると、DBのスターの座が最新機関車からICEに変わったのでしょう。中々モデルも目立たなくなりました。これらは私は持っていませんが、番号が違うので是非見てみたいものです。
他に広告塗装機でディズニーや、アートロコ、Dresdner Bank、メルクリン自社広告機などなど数種類がリリースされていて、そちらの方が目にする機会があります。
真上から俯瞰した120.1形モデルです。屋根上の配線が3本で試作機の登場時とは大きく異なります。
▲ デコーダーは後付け改造の60901ですDIPアドレススイッチと2つのボリュームが見えます
▲ モーターは直流化したDCMです。界磁と5極回転子は交換しました
Orientrot色の111形モデルと一緒に並べてみました。
この樹脂製ボディの120.1形モデルと金属製ボディの120.0形モデルを見比べていた時、モデルの凹凸が少ないこともありますが、見た目には素材の違いを感じさせないのは驚いた部分です。もちろん手にすれば、ボディの触感や重量感ですぐに違いが分かるのですが、 20年前のモデルと比較して素材の違いが見極められないというのは、当時のモデルクオリティの高さを証明するものでしょう。私の眼が節穴なのかも知れませんけど...。
参考サイト:
DB-Baureihe 120 / Wikipedia ドイツ
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