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29845 DB 03 1022 / Ep.IIIa [Maerklin-Lok]

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久しぶりに蒸気機関車を紹介します。今回は03.10形のEpoch IIIa、F-Zug向け青ボイラー仕様です。メルクリンからは、03形を様々な仕様で以前から数多くリリースしています。この仕様は、第二次大戦後DRGからDBに生まれ変わり、ようやく戦後の復興が軌道に乗り始めた1950年代初頭にDBも悲願のF-Zug Rheingold-Expressの運行をはじめた頃のことです。客車は戦前の濃緑色のSchürzenwagenの一部をF-Zug専用色である鉄青色に塗り替えられました。そしてライン左岸線の路線を運行する蒸気機関車も戦前の18.3形から流線型ボディを外しリニューアルした3シリンダ機03.10形の車体を客車と同じ鉄青色に塗り替えられたことで、美しい編成美が蘇りました。

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さて、その03.10形モデルですが、メルクリンでは何故か厚遇されず、リニューアル前の2シリンダの旧ボディのままボイラーの塗装だけ変更し、03.10形の番号が印刷されリリースされています。ここに紹介する03 1022は、先に紹介したV160 029と同じPremium Startset(29845)に同梱されていたものです。

このプレミアムスタートセットは、メルクリンが初めてデジタルコントローラ(Control 80f)を同梱したセットで、かつファンクション付きの2台の機関車牽引の旅客列車と貨物列車、レールには退避ができるポイントもセットにした充実したもので、ファンの間でも話題になったスタートセットでした。

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キャブに印刷された表記類です。DBマークはなく「Deutsche Bundesbahn」の文字のみ。所属はED Essen(エッセン鉄道局?)、Bw Dortmund Bbf(ドルトムント操車場駅機関区?)と印刷されています。テンダーの表記は、ブレーキや車重、積載量などが印刷されています。

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前面とテンダー側の正面画像です。色以外はほとんど従来のモデルと同じです。

また、それより前にリリースされた同じ仕様の03 1043(3097)は、アナログのHOBBYブランドでリリースされています。つまり、メルクリンは敢えて新規金型で03.10形を作製せず、スタートセットやHOBBYブランドでのリリースに留め、価格も押さえる戦略を取っています。そして2007年の新製品でも2機の03形機関車を2機で1機分の価格にしたリーズナブル戦略でリリースするのですが、このうちの1機(37955-01)が03.10形鉄青色仕様(それも銀帯付き)です。(下の画像は、03 1022と03 1043の並びと03 1014の並び)

また、その後2010年には新開発モデルとしての換装後のボイラを載せた03.10形モデルのリリースに伴い鉄青色のモデルも少数ながらリリースされたのですが、これも実車が換装前のボイラなので印象が異なり正しい仕様ではありません。 ちなみに、鉄青色塗装に変更された03.10形は1950年台初頭で、03 1014/1022/1043の3両のみとのことで、この3両は全てメルクリンからリリースされています。(2010年3月7日追記)

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とは言うものの、今回紹介する1022号機は、それでも当時最新仕様のデコーダーを積み、サウンドはないとは言え、新しく動輪等の点灯や標準装備の発煙装置など、嬉しい仕様となっています。そしてメルクリンの03形は、長きに渡ってリリースされているに相応しく、実に気持ちの良い走りをするのです。

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私が03形モデルを好きな理由の1つがこのディテール。小型の鐘?がボイラー上部に付いています。実際にこの03 1022に付いているのかは未確認ですが...。

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Ep.III時代のモデルを集めているファンとしては、当時の最高種別であったF-Zugとその牽引機関車は外せない存在であり、そしてその中でもF-Zug専用塗装を纏った03.10形は、最も重要な機関車と言っても過言ではない..と思っています。そういう意味ではメルクリンの03.10形でも走らせていれば気にならないと言えばそうなのですが、ファンの気持ちとしてはROCOの同形機に負けない03.10形をリリースしてもらいたいという気持ちがあります。それは、もちろんメルクリンらしく。それはダイカストボディであり、過剰なディテールアップで走行性能を犠牲にしては欲しくないからです。

*当ブログ記事は2007-06-13の記事に画像を加えてリニューアルした記事です。

[EDIT] 2020-04-25


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klaviermusik-koba

確かに過剰なディテールを施したために走行性能が損なわれるのはよくあることで、模型鉄道というのは、まずきちんと走ってなんぼのもの。これが私がMaerklinのすきな理由の一つです。

だいぶん以前、Ludwig 2世の宮廷列車、全セットがそろったところで走らせたら、機関車がスリップして走らない。本社に送りかえしたら、さすがMaerklin、ウエイトを増やすなどして、完璧になって戻ってきました。でもそれ以来、新しいものにはすぐ飛びつかないようにしているのです。

この03セットはもう実績十分のものだから大丈夫、本当は青い塗りのものがほしかったのですが、セットで同じ値段ということで注文はしましたがまだ届いていません。
by klaviermusik-koba (2007-06-13 15:22) 

Akira

今年の新製品の03形セットですが、出荷予定表では今月リリース予定になっていますね。私も注文しましたが、私も欲しいのは鉄青色の03.10形でEp.IV仕様の003形はどうしよう?とお悩み中です。
どなたか欲しい人は居ますかね〜。
by Akira (2007-06-13 16:25) 

ナベ

僕もゼロサン大好きです♪
メルクリンを始めるにあたって、スタートセットと一緒に買ったのがゼロサン
でした。普通ならゼロイチを買うのかもしれませんが、何故か僕はこっちに惹かれてしまいます。この青いボイラーのモデル、カッコイイですね!デフの形状違いなどがあるのは知ってましたが、こんなモデルまであるなんて知りませんでした。
最近、ウチにある140号機は発煙装置がダメになってしまったのか、煙が出なくなってしまいました。クリーニングしてみても出る気配無し。取り替えてしまう方が早いかなと考えています。
by ナベ (2007-06-13 19:55) 

Akira

03形の良さは、幹線機でありながら亜幹線も走れるマルチプレーヤーでもあり、そのスタイルも細身のボイラーが、動輪とのバランスが素晴らしいことでしょうか。デフは、やはり重厚なワーグナータイプのオリジナルより、ヴィッテタイプの軽快な方がより似合っていると思います。(個人的な好みですが..)
発煙装置は、空焚きを続けると電熱線が切れることがあるので、交換した方が良いかもですね。
by Akira (2007-06-13 20:28) 

ナベ

おっしゃる通り、ヴィッテデフの方が似合ってる感じがします。購入当時、ヴィッテデフを探していたのですが、01はあれど03は在庫無し。悩んだ挙句140号機を入線させた次第です。
発煙装置の件ですが、知らない間に発煙をオンにしたまま30分位空炊きしてしまった事があったので、もしかするとそれでダメになってしまったのかもしれません。近いうちに交換しようと思います。
by ナベ (2007-06-13 22:04) 

Akira

140号機はワーグナーデフでしたか、失礼なことを書いてしまいました。すみません。でも、03形は数多くあっても良いモデルだと思います。今度は是非ヴィッテデフを入線させてください。
by Akira (2007-06-13 23:17) 

KDB

お早うございます。KDBです。
何故か流線形から改造後の03-10は、あまり製品に恵まれない機関車でしたね。60年代では今は亡きTTゲージのロカール製品にあったくらいでした。70年代にフライシュマンの01新ボイラーを改造する03-10のキットが、これも今は亡きM+Fから出ていましたが、元々オーバースケールのフライシュマン01でしたから、出来上がりは01-10なのか03-10なのか判らないようでした。表題のメルクリン03塗り替え03-10は、キャブドアがないなど細かいことを省けば、まずまずの製品だったと思います(買いそびれましたが)。同じような感覚で、東側の03にした製品もありました。給水加熱器が元のままでしたが、煙室戸中央にハンドルを追加し、デフの外見が少し異なる(周囲の補強がない)など、結構よくできていました。これらは遊び半分かもしれませんが、メルクリンの姿勢は楽しく思います。むろん、ボイラー交換前の03-10も新しい製品で欲しく、動態保存機の03-1010(ミニトリックスに製品あり。確か実物の写真はAkiraさんにお送りしました)や、DBの青塗装も出たらよいですね。その時はメルクリンらしい製品を期待したいと思います。正直、ディテールは付ければよいーーーというものではありません。某メーカーが最初に出した01など、まるでボイラーの両側に「土管」がうねっているみたいで、実感を削いでいました。それとーーテンダードライブは好ましくありません。2年前に出たB社の01は良い外観でしたが、この点がどうもーーーでした。製品の作風はやはりメルクリンに期待です。
by KDB (2020-04-07 10:10) 

Akira

こんにちは、KDBさん。

お久しぶりです。お元気そうで何よりです。メルクリンと03.10形は1970年代から登場したと思いますが、流線型モデルなので、戦後仕様のモデルが登場したのは3097が初めてだったと思います。これも鉄青色だったので、メルクリン内部には鉄青色の03.10形モデルのファンがいたのかなと思えるほどです。キャブの扉は大きな違いなので流石に大々的に03.10形と銘打つわけにもゆかなかったのでしょうね。ただ、新しいボイラのついた03.10形は、前照灯位置が異なるなど更に印象が実車と異なるので、どうもうまくゆきませんね。そういう意味でも03形の新規開発を行えば、扉付きキャブと組み合わせて、3種の03形バリーションが期待できますね。私もテンダードライヴはちょっと...。
by Akira (2020-04-07 12:26) 

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