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2862 DB 111 068-3 / Ep.IV [Maerklin-Lok]

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1986年にDBは独自の新しいCI(Corpolate Identity)を構築し、発表しました。その際、DBの各プロダクト(つまり機関車や客車などの車両)を種別毎に統一した塗装色にする試みを行い、以前の試験塗装であったポップカラー以来の色彩豊かなカラーリングとなりました。DBのコーポレートカラーをOrientrotとし、当時の列車種別の頂点であったInterCity/EuroCity向け車輌もこのOrientrotを基調とする色彩に改められました。この時、特筆に値するのは、それまでの等級別塗装(1等/食堂車はTEE色、2等はタルキス色)を改め、IC/ECは赤、新種別であるIRとFDは青、Nahrverkehr(近郊列車)はグリーン、S-Bahnはオレンジと4つの種別で色を変え、等級別ではなくなったことです。(近郊形やS-Bahnの1等車はのちに窓上に黄色のストライプで表記)
この合目的で美しい色彩計画も1つだけ計画に不備がありました。それは夜行列車の塗装色です。当時は寝台車はUIC標準色のTENカラーで簡易寝台車はタルキスカラーでしたが、この新色に変わったのは新車で登場したTalgo ICNとLUNAで組成されたWGmのみに留まっていました。

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さて、このCI変更時にDBではプレゼンテーションを行い、その際に111形+Gruppe 53系列2等座席車2両にIC/EC向けの赤色とIR/FD向けの青色を、またSilverlingeのN客車2両に近郊形のグリーン、S-Bahnのオレンジを塗装し、公開されました。111形機関車には警戒色の赤に、更に明暗で認識できる(白に近い)明るいグレーの塗り分けを施し、客車は色の違いで目的の列車種別をいち早く認識できる塗装になりました。この美しく機能的なコンセプトは、私にとってもインパクトのあるもので、はじめてブルーに塗装されたInterRegio客車を見た時は感動したことを憶えています。

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前置きが長くなりましたが、今回紹介する111形機関車は、この時のプレゼンテーション列車をモデル化したセット(2662)に同梱されていたものです。ちょうど私がドイツへ留学した1988年にリリースされ、ホームステイしている身にも関わらず、この大きなセットを思わず購入してしまいました。当時の私の部屋が狭かったので、このセットは暫く寮に住んでいる知人に預けていました。

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[実車について]
111 068-3は、1次車として電装はBBC社にて行われHenschel社にて落成しました。1985年にはDBの新塗装試験車両として赤色に白帯の塗装され、更に翌年には赤色1色塗装や左右側面に異なる試験塗装が施されるなど、BZA MünchenのDB Design Centerによって塗装試験が繰り返されました。そして1986年に最終的に決定されたOrientrot塗装でプレゼンテーションデモンストレーション列車の先頭に立つことになりました。更にその後前面の涎掛けと揶揄された白色塗装部分が若干改良された仕様に変更、DBAGの標準塗装色であるVerkehrsrotには2004年に変更、2012年11月29日に留置、 2013年2月6日に廃車、2013年1月30日に OpladenのBender社にて解体されました。

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▲ 車体中央のDBマークと車体番号

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▲ REV表記は、1981年11月30日と表記されています。

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▲ 所属表記は、München 1(ミュンヘン第1機関区)です。

[モデルについて]
この機関車は、前にも記しましたが1988年に1年限りでリリースされました。当時ブレーメンに語学留学中でホームステイ先の近所にあった模型店のショーケースに飾られていたこのセットをどうしても欲しくなり、購入してしまいました。

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▲ 台車は、新しいステップ付きに変更されています。

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▲ 運転台は、それまでのグレーから薄緑色に変更され実感的になりました。

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屋根上を俯瞰した画像です。パンタグラフは最後まで菱形のタイプでした。

このセットの機関車はアナログでしたが、後にデジタル化改造を販売店に任せました。デジタルはもちろん第1世代(c80)のもので、モーターも3極回転子で交流もまま。走りも音もアナログと変わりないです。

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▲ デコーダーは第1世代のc80です。8桁のDIPスイッチが見えます。

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▲ モーターは3極回転子のDCMです。界磁が錆びてきています。直流化したいです。

しかし、デジタル改造時に、ついでにと尾灯も点灯してもらうようお願いしました。電球時代では機関車の尾灯は一般化されておらず、尾灯に切り替えると上部レンズにも光が廻ってしまいます。

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▲ 前照灯(白色)のみの電球に赤色尾灯の電球を加えました

この機関車には縁があって、以前書いたかもしれませんが、後にミュンヘン滞在時、ガラス電車ツアーに応募した時、車両故障で急遽111形+Bpmz 1両になりました。その時の自宅に111形機関車のO.Rot色モデルがあったので、帰宅後、狭いアパートに線路を敷いて、このOrientrotの111形にBpmzモデル1両を繋げて走らせたのは言う迄もありません。実車は041でしたけど。

参考サイト:Baureihe 111: Bestand und Verbleib / Loks D

[EDIT] 2021-03-18


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