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2867 DB 111 049-3 (LHAE) / Ep.IV [Maerklin-Lok]

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少し前に103.1形のLHAE専用機関車を紹介しました。今回は、その103.1形が運用に入る前に使用されていた111形のLHAE専用機関車を紹介します。

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[実車について]
1990年夏ダイヤから1年間、この111 049はFrankfurt/M-Flughafen BfとStuttgart Hbfを結ぶ第2のLHAE路線の牽引機関車として専用のLHAE塗装を施され、Avmz 206形客車(LHAE仕様)3両を従えて最高速度160Km/hで運転されていました。1991年からはBretten - Stuttgartを結ぶICEの高速新線(NBS)の完成により同路線経由に変更され、最高速度も200Km/h運行に合わせて200Km/h運転可能な機関車である103.1形に変更となりました。

当時、私はPforzheim造形大学の学生としてKarlsruheに住んでいたので、近くを通るLHAEには興味を持ち、この列車を見るためにStuttgart Hbfに行った程です。この頃は、飛行機に乗る機会もなく残念ながらLHAEにも乗車することも出来なかったのですが、中央駅で停車中のLHAEにアテンダントのお姉さんにお願いして車内を見学させてもらい、この時車内にあったLHAEの絵葉書を貰いました。

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▲ 形式と車体番号はDB表記のままです。

111 049-3は、1次車として落成。不思議なことにメーカー銘板はこのモデルには記されていません。おそらくですが、前後の車体番号のメーカーから車体製造はHenschel社で、電装はBBC社と思われます。
1990年からLHAEとして翌年の103 101にバトンタッチするまでの短期間この塗装を纏っていました。その後はOrientrot塗装に変更されています。111形機関車ではこの049が唯一LHAE塗装となった機関車です。

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▲ REV表記は、1988年2月9日と表記されています。

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▲ 所属表記は、Bw Frankfurt 1(フランクフルト第1機関区)です。

111形は、多くがミュンヘン機関区とS-Bahn塗装のルール地域に集中していましたが、一部はフランクフルトにも所属していたようです。
DBの民営化によりVerkehrsrot色に塗装変更されています。2020年4月現在は、既に運用を離れ、Kaelsdorfで留置されているとのことです。

[モデルについて]
さて、肝心のモデルですが、メルクリンでは機関車も客車も既に製品プログラムにあり、これらモデルの塗装と印刷変更のみでこの魅力的なLHAEのセット(2667/2867)が、MHI製品として1991年の1年のみリリースされました。

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▲ MHIモデルのパンフレット

このセットの客車モデルは、当ブログでも紹介しています。
この時点では、まだデジタル運転していなかった私は、アナログ仕様のこのセット(2867)を購入しました。後にリリースされた103.1形のLHAE仕様との塗装面での違いは、111形には前頭部中央に赤いDBマークが施されている程度でしょうか。あく迄LHはDBから車輌を借入しているという形であったことからこのような塗装となったのでしょう。103.1形にはこのマークはないです。


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台車です。色彩は若干茶色寄りのダークグレーです。このモデルの台車は新しいステップ付きになります

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運転室のインテリアはグレーから実車同様の薄緑色になりました。

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カプラーは、KKKです。

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屋根色はDB標準色のOrientrotからLHAE標準色の白色に変更されています。

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▲ DCMモーターに5極回転子と界磁を交換して直流化しています。

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▲ 60760デジタルデコーダーを載せています。

このモデルはアナログモデルのため、交流DCMモーター、エレクトロニクス逆転器の装備された車体塗装以外はごく普通のモデルです。しかし、他の111形同様昨年60760デコーダーの購入で、このモデルも同時に直流モーター化とデジタル化を果たしています。

2015年には、282mmのLHAE客車モデルとのセット(26671)が1年限りでリリースされています。この111形機関車モデルは、基本的には同じモデルですが、mfx+デコーダーを搭載しています。

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この塗装は、103.1形の時ももちろんそうなのですが、実に美しく111形にも見事にマッチする塗装です。LHAEが103.1形に代わってからは、元のOrientrot塗装に戻され、民営化後のDBAGでは、車体塗装の全面変更となってVerkehrsrot塗装のCIが施されたのですが、DBAGはLHをCIの見本としたと聞いています。しかし、これより遥かに古いLHAEの塗装が優れていると感じているのは私だけではないでしょう。LHのCIは戦前の創業時からの色を忠実に守る哲学を持ち、DBAGは新生会社とはいえ、残念ながら表面的なCIのみを手本にしたように思えます。CIで大切なことは歴史とそれに基づく企業哲学であることが、この2社の塗装から読み取れます。

参考文献:
Der Lufthansa Airport Express / Bahn-Special 2/92 GeraNova Verlag München

参考サイト:
DB-Baureihe 111 / Wikipediaドイツ
Baureihe 111 / Schrottloks in Deutschland / elektrolok.de

[EDIT] 2020-08-17


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HUH

ICE 2に103、そして111と、私好みの話題が続いていて嬉しいです。LHAE塗装の111は格好良いですね、個人的には103以上に似合っていると思います。
(ちなみに、103 101がLHAE牽引を行っていた時も、あくまでDB所属だったはずで、何故正面にDBマークがなかったかは謎です。側面にはありましたが)

LHとDBのCIに対するスタンスの違い、確かにその通りですね。LHもCIを検討する段階ではいろいろと検討したようで、シルバーメタリックの機体、黄色の尾翼などが登場していますが、最終的には鮮烈さはないものの、実にLHらしい、信頼できるおのだと思います。

DBについては、Verkehrsrotにはいろいろと議論があることは分かっていますが、統一性の取れたCIを採用し、それに徹しているという点は進歩かもしれません。これを良い形で育てて、新しい伝統が出来上がっていくことを期待したいです。
by HUH (2007-06-24 00:33) 

Akira

なんだかんだ言って、やはり自分の馴染みがある車輌に興味はゆくものですね。
103.1形LHAEの正面にDBマークがないのは、やはりLHであることの主張のような気がします。ボディサイドのDBマークは実に控えめですし...。
LHのCIは、派手さはないものの堅実で透明感と清潔感のあるグラフィックだと思います。DBAGのVerkehrsrotの色自体は私も悪い色だとは思っていません。と言うか、良く言われている言葉に「汚い色というのは存在せず、汚い色の組み合わせが問題である」というのがあります。DBのVerkehrsrotは、以前のOrientrotより退色した時の色より余程良いくらいです。しかし、機関車のあの全面の白い帯は私には馴染めません。またICEカラーを客車にも採用したのは正解であったか?ということも私には疑問です。

統一性に関して言えば、身近に走っている民営化された鉄道会社より遥かに優れています。少なくとも色にドイツ鉄道の中での位置付けとコンセプトがありますから。ただ、その前のCIが良かっただけについ文句も出てしまう...ということでしょうか。
by Akira (2007-06-24 00:57) 

HUH

いつもながら、Akiraさんのコメントには勉強になります。

ICEカラーのIC客車には私もずいぶんと違和感を覚えました。もう、慣らされましたが、それでも似合うかといわれれば、、、、

今のCIについての議論はこれからも出るでしょうが、安易にころころ変えるのはそれはそれで考えものですし、難しいですね。
ICEは完全に確立されていますし、近郊車両も最近の新型車両にはそれなりに似合っていると思いますが、それ以前の車両についてはどこか違和感が残っているのは否定の出来ないところですし、、、、、
by HUH (2007-06-24 01:10) 

kids

いつもお世話になっております。
また楽しく読まさせていただいております。
ところで、表題ではEP Vとなっておりますが、103 よりも前の時代なら、EP IVではないのではないでしょうか?
私の勘違いかもしれませんが。
by kids (2007-06-24 09:48) 

Akira

ICEカラーの客車...特に60年代のTEE時代からの客車に至っては「老婆の厚化粧..?」なんて揶揄される始末ですが、色というのは難しいと考えさせられる時でもあります。この点さらっと美しい塗装を車輌に塗り分けてしまう、SNCFやSBBにはいつも脱帽ものです。

Kidsさん、コメントありがとうございます。エポックについては様々な意見もあるかと思いますが、私の場合1985年のDBのCI変更をEp.IVとVの移行点と考えています。(メルクリンカタログでは1990年からEp.Vとなっています)
LHAEのStuttgart線が運行を開始したのが1990年夏ダイヤからですから、この時の牽引機111形は、やはりEp.Vですね。
by Akira (2007-06-24 15:11) 

kids

Akiraさま
そうなんですか。
知りませんでした。
いつも本当に教えていただき、ありがとうございます。
by kids (2007-06-25 06:55) 

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