4227 DB Bpmz 293.2 Orientrot / Ep.IV [Maerklin-Reisezugwagen]
▲ 手ブレーキ(トイレ)側
▲ 非手ブレーキ側
今日もOrientrot塗装のIC/EC客車について触れてみます。今回は2等開放室車Bpmz293.2モデル(4227)です。実車にこのOrientrot色の車輌が出始めた1980年代後半、ドイツ初の新幹線がHamburg - Frankfurt - Stuttgart - Münchenを結ぶ準備が進行中で、ICE車輌がリリースされる前からICEの走行路線の路盤改良路線ABS(Ausbaustrecke)や高速新線NBS(Neubaustrecke)が整備されつつありました。
特にトンネルの多いNBS区間を走るIC/EC、FD、IR列車は、最高時速200Km/hで運行されていました。よってこの路線を走るIC/EC列車には優先して新塗装のリニューアルされた車輌が運用に就いていました。その最も特徴的なものはトンネル通過時における車内気圧の変化を最低限に押さえる気密対応の貫通路です。従来のゴム幌では単に幌同士を押さえ合っているだけなので気密性の保持が出来ませんが、新しい耐圧貫通路では完全に連結された2車体の貫通路が一体化され、気密が保持されます。
▲ 気密対応の貫通路部分
▲ 連結部分。隙間ができてしまうのは致し方ないですね
メルクリンモデルでもこのOrientrot色になったBpmzは気密化改造後の姿にリファインされています。それは貫通幌だけではなく、出入口ドアについても実車同様扉の窓が一回り小さくなった姿を正確に表現されています。実車の世界ではもちろん気密化貫通路なので連結時には2車輌の貫通路が(当然のことながら)しっかりと密着されているのですが、モデルではスキマが空くのは仕方がないのかも知れません。
モデルの台車は、実車同様MD522でしょうか。26,4cmモデルは最新の28,2cmモデルとは異なり、細かな違いまでは再現されていませんが、走行は定評のあるものです。
車体番号は、「61 80 20-94 230-5 Bpmz 293.2 (295)」とあります。文字の並び方の バランスの印象がやや異なる印象がありますが、この表記も工事を施した工場でバラツキがあるのも確かなので、実車に忠実なこともあるかもしれません。
RICラスターは最高制限速度の「200」のほか、「D(ドイツ)、A(オーストリア)、CH(スイス)」の3カ国入線許可表記などが記されています。単電源仕様と思われます。
REV表記は、1988年7月27日です。気密化改造、塗装変更が行われた日付と考えられます。
等級表記と座席番号サイン部分です。この文字は当時のDB指定のHelveticaが使われています。後に多くの客車がOrientrot塗装に変更されるようになると、座席番号数字がHelveticaからDIN書体に変更されたものが散見されるようになりました。
モデルの表記類は、リリース当時のレベルです。滲みもあって極小文字の再現までは出来ていませんが、そのような文字は撮影して拡大するかルーペでも使わないと判別不明なので、文字印刷がシャープな方が良いですが、私は読めなくても気にはなりません。
妻部正面です。幅の広い気密対応貫通路が見えます。この広い板状の部分同士を接合することで気密の確保が可能になる仕組みです。そのため、従来の尾灯が目視できなくなるのを防ぐために車体の角に尾灯が移設されています。
気密化改造前モデルと当モデルを並べて比較した画像です。同じ26,4cmモデルですが、塗装色や貫通路、尾灯の違いがわかります。
その後、実車のBpmzは気密化改造されずに、Orientrot色に塗装変更のみされた車輌も登場しましたが、26.4cmのメルクリンモデルではそのバージョンでのリリースはありません。これらは意外に穴場的なモデルで、安くバリエーションも作れるので是非実現してもらいたいとも思います。
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