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26540 DB ADümh101 / Ep.IV | 61 80 81-80 001-2 [Maerklin-Reisezugwagen]

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26540 TEE "Rheinpfeil"セット最後のモデルであるドームカーについて触れてみたいと思います。ドームカーそのものはあまりに有名なので、昨日の瘤付き食堂車の時と同様詳細をここで書く必要もないでしょう。ただ、今回も同形27cmモデル(42990)との比較は重要であると感じているので、そのあたりを中心にインプレッションできればと思います。

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ドームカーの27cmモデルは、歴史が古いです。そのあたりが昨日紹介した27cmの瘤付き食堂車との大きな違いでしょうか。つまり、窓のバランスなどは42990セットの食堂車や42991セットのバー車とは設計時期が違い、どちらかと言えば、WRüm132食堂車やAvm/Apmなど座席車と同時期の設計であるために、我々ユーザーは見慣れた製品のバージョン違いという捉え方で見ることになります。もちろん過去のモデルと共通の金型を使った製品のため、少なくともプロポーションなどに関して言えば、安心して受け入れられたモデルではないかと思います。さらに、室内照明が装着済みであったり、ドーム部分が初めての狭窓であったりと、私も含めて好感をもって受け入れられたように思います。ボディサイドの「RHEINGOLD」の金色文字もユーザーを喜ばせる演出としては良く出来ている仕様となっています。

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さて、本題であるこの28,2cmモデルですが、そう言う意味でよりスケールが正しい方向に向かった製品であるだけに最初から期待は大きいです。よって、27cmモデルを見るときより最初から厳しい眼で見ることとなります。私がこのモデルを見て最初に気づいた点は、やはり窓の大きさ(縦横の長さとバランス)や窓同士の柱の太さや窓とのプロポーションです。高さに関しては、他のモデルと同じになっているので気にはなりませんでしたが、横の長さが、27cmモデルより短いです。よって窓同士の柱も太く見えます。元々全長が27cmモデルより長いので当然窓も全体的に横に大きくなると考えていた私には驚きでした。ただ、実車の写真を見ると28,2cmモデルの方が正しいように見えます。これはおそらく27cmモデルを見続けていたせいで、自分自身の認識が自然と27cmモデルを基準に考えていてしまったせいようにも思えます。それだけ27cmモデルのデフォルメは見事であったと言えるのかも知れません。


画像は、瘤付き食堂車同様に1/100実車図面の上に27cmモデルと28,2cmモデルを上から順に置いて撮影したものです。27cmモデルについては、上のような事情もあってプロポーションは特に批判すべき点はないです。(何しろ私にとってリファレンスモデルなのだから)逆に裾部分のディテールなど28,2cmモデルの方があっさりと処理しているようにも見受けられます。

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上から見ると、車体幅の違いが明確です。ドーム部分も中央に銀色が塗装してあり実車の持つ雰囲気を良く醸し出しているように思います。ただ、ROCOの同形客車はドーム部分の窓サッシもシルバーで塗装しているのは一歩先じているようにも思えます。(フルスケールモデルなので当然とも言えるでしょうが...)

塗装は、双方とも瘤付き食堂車で指摘したのと同じです。印刷に関してはサボについて27cmモデルのサボが実車と同じサボ受けでなくUIC-X客車のような板を掛けたような表現のモールドの上から印刷しているため、実車との印象が違うのに対し、28,2cmモデルは、モールド無しの上から実車同様の形状で印刷が施されているため、結果として28,2cmモデルに軍配があがります。これについては、時代によってサボの数が違うこともあって印刷処理のみにしたものと考えられます。印刷の繊細さは両車譲らずという感じですが、28,2cmモデルは妻部の下部にある詳細な表記迄印刷されているのは、今日の技術革新の結果でしょうか。車体表記は27cmモデルが狭窓最終番号の003、28,2cmモデルが初番号である001となっています。よって両車を並べても理論的にはダブることはありません。(F-Zug仕様(43880)は「10 551」なので「001」と同じ...orz)

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印刷と表記については、282mmモデルらしい精細な印刷と情報量です。ドームカーは車体中央はドーム部分なので、区分室廊下側では車体の左側窓下にレイアウトされています。「DB」マークと車体番号、形式表記は、他のTEE車両同様に3つの表記がシンメトリにレイアウトされ、編成時の他の車両との違和感はなく良く調和が取れています。
車体番号は、「61 80 81-80 001-2

」です。5両製造された最初の3両のグループに属しているドームカーのトップナンバーで、1962年にWegmann社で製造され「10 431」としてDBに配属、1968年にTEEカラーに塗装変更されています。現在は解体されず保存されていると考えられます。

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裾部分の表記です。RICラスターには制限最高速度と航送許可は表記されていません。(おそらく160Km/hが制限最高速度だと考えられます。所属は、「Mü」(ミュンヘン連邦鉄道局)、所属駅は「München-Pasing」(ミュンヘン・パージング駅)です。REV表記は、1971年6月16日です。

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サボの表記は他の同梱モデルと同じでDortmund - Münchenです。号車番号は、15号車です。

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台車は、MD34です。車軸発電機は左右の台車共に台車に対して斜めに取り付けられています。区分室車モデルの車軸発電機が水平に取り付けられているのに対して微妙な違いを作り分けているところは27cmモデルと大きく違うところです。

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インテリアは、F-Zug仕様の同形モデル(43880)の紺色と違い室内装備が薄茶色となっています。実際F-Zug(Ep.III)時代とTEE塗装(Ep.IV)時代でシート表皮の違いがあるかどうかは不明ですが、知りたいところでもあります。
また、平屋個室部分の廊下との仕切りですが、UIC-Xモデルより若干改善されているにせよ、車内装備の一体成形で仕切りがモールドされているのは残念な部分。27cmモデルにしても、この部分の透明樹脂パーツは省略されています。(コスト削減が理由であることが客室との仕切りという目視できる部分でなされていることで明白になってしまていること自体が残念でなりません)

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▲ 平屋のバー部分の室内を観てみます。設備表現は27cmモデルと大きな違いはありません

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▲ 区分室側のドームよりにSchreibabteil(秘書室)が設備されていて、ビジネスマンの書類作成依頼を受けるサービスがありました。

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妻部分の正面です。27cmモデルと比較するとすれば、尾灯のサイズが小さくなり正確なスケールダウンになったように思えますが、実際の印象としてはやや小ぶりかな?とも思えます。おそらく黒い押さえゴムまで含めた部分が尾灯に見えるので、小さく見えてしまうのではと思ったりします。また妻部の左側には塗装についての表記がありますが、このモデルで一番の小さい文字ではないかと思います。もはや私の肉眼では認識不能ですが、拡大すれば読めると思います。

室内照明はオプションで準備されています。このドームカーに関して言えば、少々やっかいであることは43880モデルのところでも記しましたが、2つの離れたLED照明基盤を2本のケーブルでハンダ付けする必要があります。ケーブルはモデルに添付されていて、ドーム部分下部の荷物室をケーブルが配線できるよう室内装備にモールドされています。ただ、これはちょっとユーザーが自分で配線するには(簡単かもしれないが)躊躇する部分でもあります。せめてハンダ付けなしで配線できる仕組みがあればと悔やまれる部分です。(工作好きにはたまらないかも知れませんが...)その点、42990 27cmモデルは室内照明組み込み済みであるので全く問題がない。ドーム部分に漏れる光が美しいです。メルクリンでは電球色と白色の現在2種類の室内照明キットがあるが、そのどちらを使えばより実感的な雰囲気が醸し出されるのか見比べてみたいところでもあります。62系列客車の実車は、室内照明が白色蛍光灯ですが、窓ガラスには金色遮光加工(Goldbedampf)がされているので、外から見れないモデルでは、もしかしたら電球色の方が実車の印象に近づくのかもしれません。

さて、このドームカーに関しては、瘤付き食堂車とは随分見解が違いましたが、あくまで私個人の私見であることはご承知いただきたいです。何しろ私自身このドームカーの実車をDB実習時代に会社の帰り際のMünchen Hbfに偶然停まっているところを1度見たきりです。もちろん、私は目の前に広がる大きなドームを見上げてアドレナリンが急上昇したことは間違いないです。そんな中で冷静に頭の中に車両の詳細がインプットされるはずもなくしばらくお口をあんぐりしていたはずです。(実に幸せではありましたたが...)
昨年TEEカラーとF-Zug仕様の両方がレストアされ、動態保存されたことは記憶に新しいです。いつの日かドームカーの実車に乗って旅行出来れば、頭の中にしっかりとイメージをおさめることが出来るかもしれません....いや、また興奮してそれどころではないでしょう。

参考文献:"WAGEN" Das Archiv der deutschen Reisezug- und Güterwagen
GeraNova Zeitschriftverlag GmbH Muenchen

[EDIT] 2020-12-08
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klaviermusik-koba

私にも大分いろいろ分かってきました。さすが観察が実に細かいですね。私は窓の数や大きさは以前より実物に近くなり、それはいいことだと思っています。前にも書きましたが、機関車との大きさのバランスは何で牽引させるにせよ、電気機関車の場合は大きさの違和感はないでしょうか。いずれにせよ、26、7センチの車両は今後作られなくなるでしょうから、なれるしかありませんね。うちには昔の24センチ時代のドームカーのセットもありますが、さすがにこれはもう歴史的価値しかない。
by klaviermusik-koba (2008-01-23 19:02) 

Akira

私も随分近視眼的になったと反省もしています。木を見て森を見ずにならないよう、今後は機関車との関係なども合わせてインプレションしたいと思います。(基本的にメルクリンの機関車はフルスケールで作られていますので、24cm客車時代が相当違和感があるはずなのに何故かしっくりと見えるのは、やはりデフォルメの上手さだと思います。)
by Akira (2008-01-23 19:57) 

S.やくも

初めまして。メルクリン駆け出しのやくもと申します。
ドームカーいいですね。ここから外がどんな風に見えてたのか気になります。
ラインゴルト後期の車輌を集めてたのでドームカーは要らんかなと思ってたんですが,
これ見てるとやっぱり欲しくなったかもしれません...。

ところでこの車輌,実車の室内灯はどうなってたのかご存知でしょうか。
by S.やくも (2008-01-23 22:48) 

Akira

こんにちは、やくもさん。

はじめまして。Spielkisteブログへようこそ。
お名前だけは存じております。

以外に知られていないTEE Rheingoldの編成が、ドームカーの無くなった時から1983のオレンジ帯仕様までの間ですね。私もドームカー無しのRheingoldに興味を持っていたりします。(無い物ねだり?)

さて、ドームカーの室内照明ですが、画像を見る限りドーム部分の中央の梁に蛍光灯が間接照明で設置されていたように見えます。
モデルでは、ドームの両側から透明樹脂を通して照明させていますが...。
by Akira (2008-01-24 09:03) 

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