SSブログ

43855 DB Avümh 111 / Ep.IV [Maerklin-Reisezugwagen]

昨日のメルクリン/TRIXのTEE客車モデル到着から、まず少しづつAvümh(z) 111(1等区分室客車)個々のモデルを撮影もしながら調べてみています。

IMG_2210b.jpg
▲ トイレ(手ブレーキ)側

IMG_2209b.jpg
▲ 廊下(非手ブレーキ)側

まず、モデル的にはメルクリンからTEEセット(26540)の中に2両の同形式(26540-02, 26540-05)モデル、そして単品で1両の尾灯付きモデル(43855)が全て切妻屋根でリリースされ、TRIX H0からは、単品のみ2両の同形式モデルがあり、1両は、丸屋根仕様(T23421)、尾灯付き切妻屋根(T23425)の合計5両が用意されています。いずれも異なる番号の他、仕様も様々で掘り下げて調べてみると実に興味深いです。
では、43855から単品モデルを解説します。

IMG_2213b.jpg

メルクリンの増結用単品で尾灯付きモデルです。2007年の1年だけのリリースでした。メルクリンからはTEE Rheinpfeilセット(26540)の増結モデルとして3両のモデルがリリースされていますが、実はTRIXからも同じように単品ながらTEE Rheinpfeilモデルが同じタイミングでリリースされ、ドームカーや食堂車などのダブってしまうモデルもありますが、2両のTRIX H0モデルを編成に組み込むことによってTEE Rheinpfeil 1971のFrankfurt (Main) Hbf - Nürnberg Hbf - München Hbfの編成ができます。(逆に2線式のTRIX H0で集めている人はメルクリンの機関車付きセットが必要になるので編成にしづらいカモです)

IMG_2214b.jpg

通路側の車体中央右寄りに小型のエアコン用通風口が印刷されています。後の増備車両は空気孔が大型化されています。印刷ながらこうした車体番号によって作り分けられているのは、ちょっと驚きでした。それだけこの62系列客車は長い期間多くの車両が作られてきたので、こうして細かな違いを表現することでファンの心をくすぐるのは絶妙になってきたと言えるでしょう。

IMG_2215b.jpg

台車はMD34だと思います。車軸発電機が台車の片側に水平に設置されています。電磁吸着ブレーキを装備しているのも表現されています。

IMG_2216b.jpg

サボは、TEE Rheinpfeil、号車番号(Wagen 12)、出発駅のHoek van Holland、途中停車駅、終着駅(München)が記されています。
この車両は、Hoeck van HollandからTEE RheingoldのKurswagenとして連結され、Duisburg HbfでTEE Rheinpfeilに入換して、Münchenへと走ります。ちなみにHoek van Hollandは、Londonからの連絡路線なので、LondonからFrankfurt(M)やMünchen方面への旅行客をターゲットにした車両ということになります。
Duisburg HbfでTEE Rheinpfeilに連結されると、12号車は機関車の次位に連結されます。そして頭端式のFrankfurt/M中央駅に到着すると、この客車は最後尾になるため、尾灯が点灯するこのモデルはそうした設定でリリースされたと考えられます。

IMG_2217b.jpg

車体中央にレイアウトされたDBマークとその下に車両番号「61 80 19-80 024-1」が記されています。この実車は、DonauwörthのWMD社(Waggon und Mascheinenbau GmbH)にて1967年5月17日に3535として落成。1976年には61 80 19-73 024-0に変更、1982年11月25日には、61 80 19-94 024-0、Avmz 111.0に形式変更、更に61 80 10-94 024-0、Avmz 111.4に変更されています。現在廃車になったかは未確認です。

IMG_2219b.jpg

RICラスターには、V-Maxが160Km/h、西ドイツ、スイス、イタリア、オランダのTEE Rheingoldの運用範囲4カ国が記されています。TEE RheingoldとRheinpfeil専用に用意された車両と考えられます。
所属表記はMü「ミュンヘン連邦鉄道局」、München-Pasing駅になります。

IMG_2220b.jpg

REV表記は、1971年5月13日と記されています。

IMG_2221b.jpg

妻部分の正面です。左側尾灯下には27cmモデルでは印刷されていなかった塗装表記が極小文字で記されています。もはや私の肉眼では判別不可能です。

IMG_2224b.jpg

28,2cmはフルスケールではありませんが、27cmモデルと比較してそのスマートな印象は実車のイメージを忠実に再現しているように見えます。

IMG_2225b.jpg

こうやって見てみると62系列の28,2cm客車モデルは中々興味深いバリエーションです。27センチ客車モデル時代のおおらかなモデルバリエーションとは打って変わった細かな仕様違いを再現しているモデル群であることがわかります。しかし、ここまでわかるファンもそう多くはないだろうと思いますが....。
ただ、このような正しい検証に基づいた(であろう)モデルのリリースは時代の要望に即しているものと思いますが、私は好印象で歓迎しています。。

開放室客車は、また後ほど.....。

[EDIT] 2021-1-10
nice!(2)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 2

コメント 2

DB103

 こんばんは。
 いつもお世話になります。

 改めて拝見させていただいたのですが、本当にDB客車の下周りは複雑なのですね。
 こちらのモデルを見ますと、
 160km/h 台車横ダンパー:コイル式、発電機:大型、ブレーキ:シュー式、ステップ:固定式
 200km/h 台車横ダンパー:コイル式、発電機:大型、ブレーキ:ディスク式&電磁密着式、ステップ:固定式

となっているようです。
 私はてっきり、200km/h仕様になった際に、台車横ダンパーが小型化され、ヨーダンパー装備、電磁密着ブレーキ装備、車軸発電機撤去?、折り畳みステップ、プラグドア化、屋根端切妻化されたものとばかり思っておりました。

 確かに以前も紹介させていただきましたが、例のDrehseibeで、丸屋根、折戸ながら、赤裾、ヨーダンパー装備の車がいますし、ほんと一筋縄では行かないようですね。

http://www.drehscheibe-online.de/foren/read.php?31,4906140

 逆に言うとそれだけ奥が深くて、趣味的には大変興味を惹かれるところです。

 また、いろいろと教えていただけましたら幸いです。
by DB103 (2015-03-07 23:44) 

Akira

こんばんは、DB103さん。

確かにおっしゃるとおりで、この62系列客車は同形式でも製造時期、メーカーによる違いが様々です。さらに更新改造が幾度となく繰り返されていますので、ステップ、台車、ヨーダンパの有無と形式などなど、それらの違いを組み合わせても多種多様です。おそらくそのあたりを全て網羅して全車両の変遷を纏めてある資料は皆無だと思われます。
奥深さはこのあたりにあると思いますが、他にもUIC-Xは千両を超えた数がありますし、シルバーリンゲに至っては更に複雑です。それらを調べようと思うと目が回りそうですね。
by Akira (2015-03-08 17:39) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0