CS2の操作(16)/ Wendezugbetrieb [Maerklin-Zubehoer]
久しぶりにCS2の操作についての記事が書けるのは私も嬉しい。もしかしたら待ってくれている方もいらっしゃるかも知れない。
▲ CS2とs88を使った往復自動運転の概念図
今回は、先日Goeppingenでのセミナーで受けたCS2の基本機能操作のうちの最後の項目であったWendezugbetrieb(往復自動運転機能)である。これは、CS1 V.2.0でも備わっていた機能だったと思うが、CS以外にs88 Rueckmeldmodulも必要なため、今回このs88(60880)を手に入れて私としては初めての自動運転の試みを行ったのである。
▲ 準備する材料
▲ Cレール拡張セットに同梱されている絶縁パーツ74030
■ 準備
まず用意するのは、CS2の他、s88、センサーとなるレール2本(私は24188を使用)、そしてニッパ(金属が切れるタイプ)、そしてCレール用絶縁パーツを4つ(74030は8個入り)である。
センサーとなるレールはメルクリンからも用途に応じて数種のレールが用意されているが、私はお財布に最も優しい24188直線レールを絶縁してコンタクトレールを製作した。
もちろん、センサーとなるレールはメルクリンの製品プラグラムに複数あるので、それを利用することも可能である。(スイッチレールやコンタクトレールなど)
■ コンタクトレールの制作
1. 24188レールの裏側両端にある「O」側の赤い◯印の部分をカットする。
2. 24188レールの片側に74030をはめ込む。反対側は接続するレールの同じ位置に74030をはめ込む。(74030はレールの「O」側金属接点を被せるようはめ込む。上下位置にも注意)
*このとき絶縁区間が24188レール1本分の長さで足りない場合(漸次加減速機能でブレーキ長が長い場合)は、24170レールなどを足すことで絶縁区間の長さを調整する。その場合も足したレールには、1.のようにレール裏側両端にある「O」側の部分のカットをする。
3. 24188レールの「O」側に青ケーブル端子を接続。反対側には、赤プラグを付ける。
4. これを2セット作成する。(絶縁加工したレールの裏側にシールを貼ってマーキングした)
5. 往復自動運転させたい任意の長さのレールをレイアウトし、出発地点「1」、到着地点「2」を設定させたい場所に、作成した絶縁レールを設置する。
■ s88 Rueckmeldmodulの接続
1. s88に付属の多線ケーブルを接続する。
2. 多線ケーブルの反対側はCS2の裏側にある6ピンコネクタに接続する。
3. s88の「1」と「2」にそれぞれの青ケーブルの赤色プラグを差し込む。
4. s88の「T」には、絶縁区間以外からの茶線プラグ「O」を接続する。
■ CS2の設定
1. 往復自動運転させたいモデルを呼び出す。(画像はBR218[39180])
2. レンチマークに触れ設定画面にし、 画面左下「Pendelzug」のピクトグラムを触れる。
3. 往復運転設定画面の上から
「s88-コンタクト始点」----->「1」に設定
「s88-コンタクト中間点」--->「0」に設定(中間停車がない場合は「0」にする)
「s88-コンタクト終点」----->「2」に設定
「運転速度(%)」--------->「任意の数字」(設定最高速度の%割合)
「停車時間(秒)」---------> 「任意の数字」
*中間駅などを設けて停車させたい場合は、絶縁区間をそのために用意し、s88と接続。そしてs88に接続した番号をCS2の設定画面に記憶させれば良い。
*ここで設定する「停車時間(秒)」とは、速度が「0」の状態の時間を差すため、停車時間は、漸次減速の長さによって実際に停車している時間が変わるので注意。(つまり漸次減速が長いと実際に停車している時間は短くなる)
4. チェックマークに触れ、機関車設定画面に戻り、またチェックマークを触れればコントロール画面になる。これで設定終了である。
▲ 自動運転「off」の状態(Pendelzugマーク[off状態]と設定運転速度[青色印]が表示されている)
▲ 自動運転「on」の状態(Pendelzugマークがonになり、速度指示[赤色印]が運転速度になっている)
■ 往復自動運転
1. CS2画面の速度計には、3角形の赤い印と青い印が現れているのが確認できる。赤い印は従来通りの現在の速度設定値で、青い印は設定された往復自動運転時の「運転速度」である。
2. 速度計下のレンチマーク左側に新しくPendelzugマークが出現している。これを触れることで往復自動運転になる。自動運転で車両が走り始めると青い印の運転速度設定値まで徐々に速度が上昇し、その速度を維持しながら到着地迄進む。到着地の絶縁区間で停車する。設定された停車時間停車し、その後前後が変換され出発地に戻る。それを繰り返す。
*もし、中間停車場などを設定したい場合は、そのためのコンタクトレールを用意し、CS2の設定画面の「s88-コンタクト中間点」に接続したs88の番号を設定する。もちろん信号機と組み合わせることでも中間停車場での停車は可能である。
3. もう1度Pendelzugマークに触れるとマニュアル運転に戻る。
■ まとめ
以上がCS2と自作コンタクトレール/s88を使った往復自動運転の方法である。私個人にとっても初めての自動運転であるが、これも始めは何度も失敗し、試行錯誤を重ねて成功にこぎつけた。そしてようやくここに記すことができた訳である。
この単純な往復運転もテストで走らせた218形は、走行サウンドからブレーキスキール音迄中々リアルにモデルの動きに合わせて連動してくれたので、実にリアルである。自分で運転するのは、もちろん楽しいが、たまにはこうして自動運転でお酒などをちょっと引っ掛けながら動きを見るのもまたオツな楽しみ方の一つではないだろうか。
今回は、直線1本の非常に単純なレイアウトで行ったが、これにポイントや信号、中間停車場、メモリー機能などを組み合わせることで、より複雑な自動運転への応用も可能となろう。
これを参考に、CS2の自動運転で新しいメルクリンの楽しさを満喫してくれる方が1人でもいるとするなら、これ以上嬉しいことはない。
***注意:ここに記した全ては個人で行ったものです。この記事によって発生した損害などを保証するものではありません。これらは全て各自の自己責任においておこなってください。***
Special Thanks: Maerklin Shop HRS
[EDIT] 2009-03-19 16:47
▲ CS2とs88を使った往復自動運転の概念図
今回は、先日Goeppingenでのセミナーで受けたCS2の基本機能操作のうちの最後の項目であったWendezugbetrieb(往復自動運転機能)である。これは、CS1 V.2.0でも備わっていた機能だったと思うが、CS以外にs88 Rueckmeldmodulも必要なため、今回このs88(60880)を手に入れて私としては初めての自動運転の試みを行ったのである。
▲ 準備する材料
▲ Cレール拡張セットに同梱されている絶縁パーツ74030
■ 準備
まず用意するのは、CS2の他、s88、センサーとなるレール2本(私は24188を使用)、そしてニッパ(金属が切れるタイプ)、そしてCレール用絶縁パーツを4つ(74030は8個入り)である。
センサーとなるレールはメルクリンからも用途に応じて数種のレールが用意されているが、私はお財布に最も優しい24188直線レールを絶縁してコンタクトレールを製作した。
もちろん、センサーとなるレールはメルクリンの製品プラグラムに複数あるので、それを利用することも可能である。(スイッチレールやコンタクトレールなど)
■ コンタクトレールの制作
1. 24188レールの裏側両端にある「O」側の赤い◯印の部分をカットする。
2. 24188レールの片側に74030をはめ込む。反対側は接続するレールの同じ位置に74030をはめ込む。(74030はレールの「O」側金属接点を被せるようはめ込む。上下位置にも注意)
*このとき絶縁区間が24188レール1本分の長さで足りない場合(漸次加減速機能でブレーキ長が長い場合)は、24170レールなどを足すことで絶縁区間の長さを調整する。その場合も足したレールには、1.のようにレール裏側両端にある「O」側の部分のカットをする。
3. 24188レールの「O」側に青ケーブル端子を接続。反対側には、赤プラグを付ける。
4. これを2セット作成する。(絶縁加工したレールの裏側にシールを貼ってマーキングした)
5. 往復自動運転させたい任意の長さのレールをレイアウトし、出発地点「1」、到着地点「2」を設定させたい場所に、作成した絶縁レールを設置する。
■ s88 Rueckmeldmodulの接続
1. s88に付属の多線ケーブルを接続する。
2. 多線ケーブルの反対側はCS2の裏側にある6ピンコネクタに接続する。
3. s88の「1」と「2」にそれぞれの青ケーブルの赤色プラグを差し込む。
4. s88の「T」には、絶縁区間以外からの茶線プラグ「O」を接続する。
■ CS2の設定
1. 往復自動運転させたいモデルを呼び出す。(画像はBR218[39180])
2. レンチマークに触れ設定画面にし、 画面左下「Pendelzug」のピクトグラムを触れる。
3. 往復運転設定画面の上から
「s88-コンタクト始点」----->「1」に設定
「s88-コンタクト中間点」--->「0」に設定(中間停車がない場合は「0」にする)
「s88-コンタクト終点」----->「2」に設定
「運転速度(%)」--------->「任意の数字」(設定最高速度の%割合)
「停車時間(秒)」---------> 「任意の数字」
*中間駅などを設けて停車させたい場合は、絶縁区間をそのために用意し、s88と接続。そしてs88に接続した番号をCS2の設定画面に記憶させれば良い。
*ここで設定する「停車時間(秒)」とは、速度が「0」の状態の時間を差すため、停車時間は、漸次減速の長さによって実際に停車している時間が変わるので注意。(つまり漸次減速が長いと実際に停車している時間は短くなる)
4. チェックマークに触れ、機関車設定画面に戻り、またチェックマークを触れればコントロール画面になる。これで設定終了である。
▲ 自動運転「off」の状態(Pendelzugマーク[off状態]と設定運転速度[青色印]が表示されている)
▲ 自動運転「on」の状態(Pendelzugマークがonになり、速度指示[赤色印]が運転速度になっている)
■ 往復自動運転
1. CS2画面の速度計には、3角形の赤い印と青い印が現れているのが確認できる。赤い印は従来通りの現在の速度設定値で、青い印は設定された往復自動運転時の「運転速度」である。
2. 速度計下のレンチマーク左側に新しくPendelzugマークが出現している。これを触れることで往復自動運転になる。自動運転で車両が走り始めると青い印の運転速度設定値まで徐々に速度が上昇し、その速度を維持しながら到着地迄進む。到着地の絶縁区間で停車する。設定された停車時間停車し、その後前後が変換され出発地に戻る。それを繰り返す。
*もし、中間停車場などを設定したい場合は、そのためのコンタクトレールを用意し、CS2の設定画面の「s88-コンタクト中間点」に接続したs88の番号を設定する。もちろん信号機と組み合わせることでも中間停車場での停車は可能である。
3. もう1度Pendelzugマークに触れるとマニュアル運転に戻る。
■ まとめ
以上がCS2と自作コンタクトレール/s88を使った往復自動運転の方法である。私個人にとっても初めての自動運転であるが、これも始めは何度も失敗し、試行錯誤を重ねて成功にこぎつけた。そしてようやくここに記すことができた訳である。
この単純な往復運転もテストで走らせた218形は、走行サウンドからブレーキスキール音迄中々リアルにモデルの動きに合わせて連動してくれたので、実にリアルである。自分で運転するのは、もちろん楽しいが、たまにはこうして自動運転でお酒などをちょっと引っ掛けながら動きを見るのもまたオツな楽しみ方の一つではないだろうか。
今回は、直線1本の非常に単純なレイアウトで行ったが、これにポイントや信号、中間停車場、メモリー機能などを組み合わせることで、より複雑な自動運転への応用も可能となろう。
これを参考に、CS2の自動運転で新しいメルクリンの楽しさを満喫してくれる方が1人でもいるとするなら、これ以上嬉しいことはない。
***注意:ここに記した全ては個人で行ったものです。この記事によって発生した損害などを保証するものではありません。これらは全て各自の自己責任においておこなってください。***
Special Thanks: Maerklin Shop HRS
[EDIT] 2009-03-19 16:47
Akiraさん、こんばんは。
往復自動運転/s88が何たるかを、大変良く理解出来ました。
私もこの楽しさを満喫したい!と思います…
Schienenbus=BR701でも面白そうですね。停車中にパンタを上下させたり、作業音を発したりと♪
by Kiyoshi (2009-03-09 20:27)
こんばんは、Kiyoshiさん。
往復自動運転の記事が役立ってよかったです。私もセミナーで体験してから是非やらねばと思い、早速試してみました。
私が失敗した経験の中で学んだことは、私のように漸次減速値を「200」ぐらい長く取っていると、ブレーキ長が24188の1本の直線レールでは長過ぎて足りません。よって私は、24188+24172=360mmを絶縁させて使いました。
BR701は私も持っていますが、まだ試していません。ちょっと考えたのは確かですが、試験なので簡単な機関車の方がよかろうと思ったので...。でも停車中にパンタの上下なんて自動で出来ます?
CS1のファンクション機能設定できそうなのは、出発時の警笛ぐらいかと...。
by Akira (2009-03-09 21:05)
701の件は、私の希望的推測に過ぎません(汗)。
こんなこと出来たら楽しいなぁ~♪と。失礼いたしました。
by Kiyoshi (2009-03-09 22:57)
ども、kiyoshiさん。
いや、BR701のファンクション自動設定は、ちょっと試してみたくなりました♪
by Akira (2009-03-09 23:27)
メルクリン初心者のくまくんと申します。
いつも楽しくブログを拝見させて頂いております。
非常にメルクリンにお詳しい様子、お会いしたこともなく
大変失礼とは存じますが、上記でご紹介されている、S88を
使った自動運転について、小生も挑戦中でして、アドバイスを
頂ければと思い書き込みさせて頂きました。
自動運転に必要なものとして、下記のものは準備済です。
①CS2
②S88(60880)
③絶縁パーツ(74030)
④センサー用レール(24188)2本
ご教示頂きたいのは次の事項です。
①センサーレールを作る際、24188の裏側両側のO側を
それぞれニッパで絶縁したのち、赤色の絶縁パーツを
はめ込むのは、両方ともなのでしょうか?
両方の場合、両方ともO側に絶縁パーツをはめ込むのでしょうか?
②S88のTにつなぐ茶色のケーブル(O線と言うのでしょうか?)
はどこに接続するのでしょうか?
絶縁加工済の2つの24188に挟まれた絶縁区間にある線路のO側
に接続するのか、或は絶縁区間以外の線路に接続する場合は、
具体的にはどの線路のどこ(O側でしょうか?)に接続すべき
なのでしょうか?
③CS2と線路とをつなぐ赤&茶色のケーブルは絶縁区間以外の線路
であれば、どこでも接続していいのでしょうか?
S88のTにつなぐ茶色のケーブルとはどうやって棲み分けされる
のでしょうか?
④コンタクトレールとして、24994も2つ購入してみたのですが、
こちらを使う場合接続はどのようにすればいいのでしょうか?
2つの青線(×2)はS88のどこに、CS2本体と線路の赤&茶線
はどこにどのように接続すれば良いのでしょうか?
CS2上での自動運転の設定は貴ブログのお陰で出来るのですが、
そもそも配線がうまく出来ていないために自動運転出来ていない
状況です。お盆休みに是非一度成功したいのですが。。。
アドバイスのほどを何とぞよろしくお願い申し上げます。
by くまくん (2011-08-15 14:02)
こんばんは、くまくんさん。Spielkisteへようこそ。
初心者では、まずCSを使って往復自動運転機能を使うとは既に上級者レベルです。
さて、ご質問の件ですが、
① この記事の最初に概略図で示した通りO側のみ絶縁させます。つまりO側のみ両側に赤色絶縁キャップをつけます。
② S88のT端子には、レールのBから茶色のケーブルで接続してください。(Bは、全て繋がっていますからどこからでも良いです)
O側にはくれぐれも接続されないよう...。
③ CS2からの赤/茶ケーブルは絶縁区間以外ならどこでも良いです。(呉々も極性を間違えぬよう...)
S88のTは、他と同様グランドになります。ですから特段の棲み分けなどないと思われます。
④ コンタクトレールは持ち合わせていないもので、すみませんがお答えできません。しかしながら24188で作成した自家製コンタクトレールとほぼ同じ..と考えれば2本の青色ケーブルは、S88の任意の番号の端子に接続すれば良いはずです。(CS2画面でその番号を設定します)
私も最初は中々上手くゆかず試行錯誤の連続でした。トライアンドエラーで試してください。
by Akira (2011-08-15 22:34)
Akiraさん
懇切丁寧な解説、誠にありがとうございます。
アドバイスを元にこの週末トライさせて頂きます。
結果は改めてご報告したいと思います。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
by くまくん (2011-08-16 13:18)
くまくんさん、こんにちは。
また、結果などご報告頂ければ嬉しいです。上手くゆきますことをお祈りいたします。
by Akira (2011-08-16 17:25)
Akiraさんもこのやり方でサーキットレールを作っていたのですね!!
検索してたどり着きましたw
これって2線式でも応用可能ですか?
チャレンジしてみようと思っています。
by Nissyhn (2019-02-05 01:42)
Nissyhnさん、こんにちは。
ご返事遅れて申し訳ありません。
お酒を飲みながらとか、何か他のことをしながら自動運転させるのは中々楽しいです。
2線式で可能かどうかはわかりません。あと、CS1やCS2では出来ますが、CS3では出来ないというウワサも耳にしました。未確認ですが。
by Akira (2019-02-08 14:42)