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Zugbildung TEE Rheingold 1972 (3つのTEE/IC列車から) [Zugbildung]

b1zb_TEE_Rheingold_72.jpg
▲ クリックすると画像が大きくなります。

1972年頃のTEE Rheingoldは、ドームカーと瘤付き食堂車131形(又はこの年から平屋の132形)が連結され、更には最高速度200Km/hを誇る最新鋭機関車の103.1形に牽引された列車が風光明媚なライン左岸線を疾走する姿は絵にもなる、まさにドイツ国鉄DBの看板列車として絶頂期であったことは容易に想像できる。

当時のTEE列車は、ドイツのみならず西欧諸国の鉄道が長距離国際列車の要として、サービスを競い合った時とも重なり、我々日本から見れば、ほとんど手に届くことがない憧れの列車に他ならなかった時でもある。しかし、最近そのTEE列車のモデルが2007年のTEE50周年に合わせて各メーカーからリリースされ、メルクリンもその例外ではない。もちろん我々30〜40歳代のユーザーが中心顧客ともなれば、商売的にも成功をおさめていることは想像に難くない。(メルクリンの破綻問題とは別の意味です。誤解なきよう)

しかし、このTEE Rheingoldはモデルを実車に合わせて組成するのには、結構厄介な列車でもある。それは、このオランダからスイス、そして一部はミュンヘンやイタリアまで別列車として走る、客車列車ならではの解結作業のとても多い列車なのである。私自身何度かこの列車の組成表を作成し、PwMサイトにも記してはみたものの、部分的なものになってしまったり、中々その全貌を解読できずにいたのである。

しかし、最近そのTEE50周年に合わせてか、ドイツ/フランスでTEEに関する良書が発刊され、多くのTEEファンに歓迎されている。私もドイツ語によるTEE書を購入し、非常に参考になっている。しかしながら、編成表を作成するには、この本では情報が足らず足踏みをせざるを得なかったのであるが、hikariさんのブログを通してkashyさんから頂いたフランス語のTEE本からの1972年のTEE Rheingoldの列車運行図を見る機会に恵まれた。これは、編成表を作成したい私にとっては宝のような存在で、すぐにその作業に着手したのである。

しかし、この列車運行図を見ると前途したように複数のTEE/IC列車が複雑に絡み合いながら目的地へと運行されることが図で示されている。簡単に言えば3つの異なる名前の列車が4つの出発地から4つの目的地へ向かうのであるが、これを1つの編成表に纏めるのは至難の技で、情報量的にも多すぎるし、逆に言えばこの本の列車運行図で理解できるので、私が敢えて編成表を作成する意味もない。

私が編成表を作成するのは、列車のモデルを組成するときに、どこからどこ迄の区間をどの車両がどの位置に組成され、どの機関車が牽引したのか...という情報が一目で理解出来ることである。

よって、今回この運行図から3つのTEE/IC列車名が出ているので、編成表も3つのTEE/IC列車+1列車を別々に作成しシリーズとして当ブログで公にできればと考えているのである。その第1弾が今回の「TEE 7 Rheingold 1972」である。

運行表によれば、TEE Rheingoldは、オランダのAmsterdam CSとHoek van Hollandの2カ所からそれぞれ短編成で出発する。2つの列車は、Utrechtで連結され、Emmerlichで国境越えをする。NSからDBの機関車に付け替えられるのもこの駅である。他にIC RheinpfeilがHannoverからDortmundを経由して、オランダから来た列車とDuisburg Hbfで連結。おそらくここに登場する3つのTEE/IC列車の中心となる2列車の要の駅はDuesburg Hbfであろう。ここからTEE Rheingold(Basel方面)とIC Rheinpfeil(Muenchen方面)に分かれるのである。つまりこの駅では3方向から来た列車が開放と連結をして2つの方向に分かれる訳である。(より正確に記すならば、TEE Rheingoldの発車約10分後にIC Rheinpfeilが同じライン左岸線を追いかけることになる)

なお、この編成表では「TEE Rheingold」なので、Basel方面のみを記した。また、ここからはライン河沿いを走る区間も多くなるので、風光明媚。TEE Rheingoldらしい路線となる。車両も3方向からの列車が集約し、路線の中で最も長くなる11両編成となる。(機関車を除く)
*既にhikariさんがZゲージモデルで、この11両編成TEE Rheingoldを正しい編成?で実現して、YouTubeにアップされている。

http://www.youtube.com/watch?v=m6T3Sqer6YY&eurl=http%3A%2F%2Flichthof%2Ecocolog%2Dnifty%2Ecom%2Fblog%2F&feature=player_embedded

11両編成のRheingoldはBasel SBBに到着すると、Bremenから来たTEE Rolandに一部のRheingold客車を連結し、イタリアMilano Cへと旅立つ。
Basel SBB以南のTEE Rheingoldは、1度方向変換の上Re 4/4 I又は II (TEE)に牽引されて、Geneveへ行く1等開放室客車2両と食堂車、ドームカーの計4両の豪華編成でTEE Rheingoldとしての最終目的地へと向かうのである。また一般列車のKurswagenとしてTEE Rolandの1両とTEE Rheingoldの2両が連結し、1両のSBB客車と共に4両編成でChurへも向かうのである。

以上の文章では、中々理解しずらいかも知れない。なので、何日掛かるかわからないが、是非この1972年の複雑な3つのTEE列車とIC列車+1列車の編成表を完成させたいと思うのである。
もちろん、この編成表に誤りなど見つけたら是非報告をいただきたい。

*なお、編成表のモデル製品番号は、レイアウトの制限で機関車と282mm客車の製品番号のみ記すことにした。

Special Thanks: Kashyさん

参考文献:
Die Geschichte des TRANS EUROP EXPRESS / Alba Verlag
La legende des TRANS-EUROP-EXPRESS / LR PRESS

[EDIT] 2009-07-01 10:01
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深山苧環

こんにちは

我が家にはTEE色の鉄板客車が数両在籍しているのですが,これらを走らせて楽しんでいた頃はこのカラーリングの列車をすべて「ドイツのラインゴルト」だと勘違いしていました.
ただラインゴルトがヨーロッパを代表する豪華列車だということだけを知っていました.
もちろん編成も組成も滅茶苦茶.
ゴムタイヤの切れかかったアナログのDB103がスリップ気味に滅茶苦茶編成を牽引して,古いMレール上を突っ走っていました.

こんなにも複雑に組成・運転されていたとは…
国境を越える列車をこれほどまでに複雑な運転系統で走らせるには,各国鉄道の緻密な連携と,国際列車を運行するという誇りが支えになっていたのでしょう.
同じ国にありながら各社・各地域間を跨いで走る列車すら満足に運行できないどこかの島国とは大違いです.

私のメルクリンライフにはスイス縛りがあるのですが,デュースブルク~バーゼル編成は無理としても,ミラノ編成か,せめてバーゼル~ジュネーブ編成だけでも実現させたくなってきました.

クール編成も魅力的ですね.
この列車の牽引機は何だったのでしょうか?
by 深山苧環 (2009-06-29 18:05) 

Akira

深山苧環さん、こんばんは。

TEE Rheingoldは、メインのライン左岸線を走る列車は11両編成ということがわかったので、モデルで実現させるのは難しいですねぇ。
逆に同じRheingoldでもSBB内の4両編成はモデルで充分に楽しめる編成長です。ただ、103.1形モデルで牽引できないのが辛いところ。
メルクリンはそれを見越して、Rheinpfeilにしたのかな..とも思いますが、Duisburg Hbf - Muenchen Hbfは10両編成とこれまた長編成です。これはきっとGoeppingenを通過するからでしょうね。
で、V200で牽引する7両編成のRheingoldかオランダ内の1100/1200牽引の短編成というのも悪くないですが、いっそのこと2ペアの食堂車+ドームカーを組成したDortmund Hbf - Duisburg Hbfの14両編成というのがぶっ飛んでいてよろしいかも?
by Akira (2009-06-29 21:22) 

Akira

自己レスです。先程からHannover - Dortmund - DuisburgのIC107列車の名前を調べていたら、これがRheinpfeilということを確認しました。つまりRheinpfeilは、国内線列車のため、1971年からはドームカーが付いていても終点のMuenchen迄InterCity扱いだったようです。(IC料金とTEE料金に差はあった?)
メルクリンからリリースされているTEE Rheinpfeilは1971年迄の列車という設定でしょう。
by Akira (2009-06-29 22:00) 

seidoh

Akiraさん、こんばんは。
私の手元の写真集(といってもたった2冊)にはドームカーを牽くRe4/4Ⅱは全く見当たらず、RheingoldはRe4/4Ⅰのみだと勝手に思い込んでいたので、新情報は嬉しいですねぇ。当時としては未来的なフォルムの103.1からバトンを受ける最終ランナーとしては、スマートなⅡの方がお似合いという気がします。(もちろん、丸っこいⅠも好きな機関車ですが。)

深山さん、こんばんは。ブログへのコメントはいつも拝見しています。
Chur編成の機関車やSBB客車は、私も大いに気になります。特別な勾配線区でもないので、当時はまだ元気だったAe4/7なんかだと楽しいでしょうね。

by seidoh (2009-06-29 22:12) 

Akira

seidohさん、こんばんは。

Re4/4 II(TEE)がドームカー編成を牽引している画像は見た記憶があります。その画像をお見せしたいのですが、見つかりません..。(汗)

Chur編成の情報が極めて少ないのは残念で牽引機はもちろん、1両のみBasel SBBから運用されるSBB客車の形式も不明です。TEEカラーの客車3両に組成される1両のみの客車はいったい?
by Akira (2009-06-29 23:07) 

hikari

Akiraさん、こんばんは。

Youtubeにアップしたのは、Duisburg - Basel SBB間の「多分正しいであろう」11両編成のRheingoldです。力任せに長編成を再現してみました。

よーし、いっそ14輌編成! と思ったのですが、TEE色のAv(コンパートメント)があと1輌足りません(なんとなく青胴車は混ぜたくないので)。14輌中10輌と、実車ではAvの比率がめちゃくちゃ高いのですね。どうしてもAp(開放)があまり気味です。

それよりも何よりも、ゴムタイヤのない軽い車体のZゲージ機関車では、103といえども牽引力の限界に近いです。私のレイアウトは3%以下に勾配を抑えていますが、それでも低速で通過しようとすると、空転がはじまります。

こうなったら、今年12輌セットを導入予定のH0でいっちょう…
ということで、kashyさん提供のネタをメルクリン型番入りで見やすく纏められており、素晴らしいですね。今後も期待しておりますです。
by hikari (2009-06-29 23:28) 

Akira

hikariさん、こんにちは。

11両編成のTEE Rheingoldは、Z-ゲージでも迫力ありますねぇ。H0ならさぞかし...。しかし我が家ではそこまでの編成を走らせるスペースが...。今度のドイツフェスティバルでは、幅450mmの標準形机を横に10台並べる(予定)なので4500mm x 1800mmのスペースが出来る予定ですが、何両編成迄走らせられるか。まだ手持ちのレールが足りるか計算もしていないので、どうなるか?(我が家のTEE客車も実車よりAv比率が低いです。1番高いのはAD?)

by Akira (2009-06-30 07:48) 

Akira

自己レスです。

> これはきっとGoeppingenを通過するからでしょうね。

IC107 Rheinpfeilですが、昨晩TEE本で同列車がGoeppingenを通過しないことを確認しました。誤記お詫びし、訂正いたします。

- Duisburg Hbf - Frankfurt/M Hbf - Wuerzwurg Hbf - Nuernberg Hbf - Muenchen Hbfというルートになります。途中、FFMとNuernbergで方向変換しますね。(現在は、Koeln - FFMとNuernberg - IngolstadtにNBSがあるので、Nuernbergでは方向変換しなくてすみますし、今だとプッシュプルなので時間的な問題は少ないでしょうね)
by Akira (2009-06-30 14:18) 

Ktochan

こんばんは、
Re4/4 II(TEE)がドームカー編成を牽引している画像はこちらにあります。

http://www.railfaneurope.net/pix/ch/SBB_CFF_FFS/electric/Re4_4_II/TEE/sbb11251.jpg

編成表大変興味深いです。作成は大変でしょうが他の列車も期待しております。




by Ktochan (2009-06-30 22:15) 

Akira

Ktochanさん、こんにちは。

画像のアドレスありがとうございます。まさにこの画像です私が見たのは。
1972年ダイヤのTEE Rheingoldに絡む3つの列車は、あと1種TEE Rolandを残すのみ...。ようやく先が見えて来た気がします。
by Akira (2009-06-30 22:59) 

hikari

Akiraさん、こんにちは。

H0で14輌編成がビシッと直線になるシーン、実現してみたいですねぇ。
確かに、模型だとADがあまり気味ですが、
この14輌編成はそのうち2輌がADというのも魅力的だと思います。

そういえば、ドイツイフェスティバルまで、あと2週間ですね。
楽しみにしております。

>まだ手持ちのレールが足りるか計算もしていないので、どうなるか?

持ち出せる線路はこれくらいですが、賑やかしに少々お持ちしましょうか?http://lichthof.cocolog-nifty.com/blog/images/2009/03/24/dscf2414_640.jpg

お邪魔する具体的な予定は、
別途メールででもご連絡差し上げたいと思います。
by hikari (2009-07-01 01:24) 

Akira

IC Rheinpfeilの14両編成を再現したモデルの編成はまだ見たことがないですねぇ。

ただ、14両もの客車を牽引できるレイアウトは、メルぽっぽさんかCトラさんぐらいではないでしょうか。ドイツフェスティバルでも良いとこ6両〜8両編成ぐらいでしょうか?

レールは、まず計算してみます。もし足らない場合はよろしくお願いいたします。
メールアドレスご存知ですか? ご存知ない場合は、ここでご連絡ください。
by Akira (2009-07-01 07:44) 

Akira

自己レスです。

編成表を変更しました。
内容は、

「Utrecht - Emmerich - Duisburg Hbf」

だった編成から

「Utrecht - Emmerich」
「Emmerich - Duisburg Hbf」

の2つの編成に分けました。
調べてみるとEmmerichで増結されることを確認しました。意外と模型向きな編成は、「Emmerich - Duisburg Hbf」かも?
by Akira (2009-07-01 10:09) 

seidoh

こんばんは。

Ktochanさん、貴重な画像ありがとうございました。
Railfaneuropeにアップされていたのですね。毎日チェックを欠かさないのに気が付かないとは・・・。まさに「灯台下暗し」でした。
by seidoh (2009-07-01 17:53) 

深山苧環

こんばんは
またお邪魔させていただきます

Ktochan様
写真の紹介ありがとうございます.
私も時々覗くページなのですが,今まで気がつきませんでした.

他にも探してみたところ,まさにジュネーブ駅でのジュネーブ編成がありました.
http://www.railfaneurope.net/pix/ch/SBB_CFF_FFS/electric/Re4_4_I/441tee_3.jpg

Re4/4ⅠTEEカラー
これがメルクリンから出れば… 万難を排して飛びつきます.
by 深山苧環 (2009-07-01 22:32) 

Akira

こんばんは。

>seidohさん
Re4/4II+TEE Rheingold編成(ドームカー付き)が確認できて良かったですね。

> 深山苧環さん
この画像は初めて見ました。Re4/4 I (TEE)は、何とも言えず良いですねぇ。この編成はドームカーがなさそうなので、後の編成のようですね。機関車次位のApも122形(黒裾!)なのはちょっとレアな感じです。
by Akira (2009-07-01 23:45) 

kashy

Akiraさん、ご無沙汰しております。
ドイツ語もフランス語もわからないので、図柄だけを楽しんでおりますが、
お役に立てて光栄です。
編成表の充実も、楽しみにしております。

皆さんの記事やコメントを読んでいると、やはりRheinpfeilも欲しくなってきますね。
と書くと誰かさんから背中を押すコメントが付くかしら(^o^)



by kashy (2009-07-02 19:46) 

Akira

こんにちは、kashyさん。

今回見せて頂いた運行表には沢山の情報が詰まっており、編成表を作成したくなるものでした。改めて感謝いたします。

IC Rheinpfeilは中々面白いです。実質TEE Rheingoldの分身のような感じで、上手くRheingoldを補佐する役割ですね。

私はこれ以上背中を押したくはないのですが、結果的に押すことになっても私は責任を持ちません...w
by Akira (2009-07-03 11:42) 

kashy

Akiraさん、こんばんは。

ZゲージのRheinpfeilは既に市場から消えているだけにeBayで見つけると自爆するかもしれません。(^o^)

私が訪独した1986年は、Basel編成とMunchen編成が、Mainzで分割・結合するだけになっていたのですが、Frankfurutに向かうのに、何故にMannheimで乗り継いで直行したのか。Mainzでの結合も見なかったと。
また、Baselでの乗り継ぎも1時間以上もあったのに、Churからの編成との結合に見た記憶もなく、当然ながら各号車の編成も丹念に記録もしておりません。
今からしてみると惜しいことをしたものです。

Rheingold Rheinpfeil Rolandが完成しましたね。お疲れ様でした。

PS
私の手許にようやくClub NewsとMarklin Magazineが届きました。
しかし、Insider-Clubcardがまだ届いていないので、また問い合わせです(T.T)
by kashy (2009-07-03 21:23) 

Akira

こんにちは、kashyさん。

1986年は仰るように2つの列車はMainzで分割、結合しているようですね。運行ルートもMuenchen編成は様々変わったようです。当時はもうRheinpfeilはなく、2つとのTEE Rheingoldのようでしたしドームカーがないので、クリームとエンジの間にオレンジ帯が唯一の看板列車の誇りを感じさせる演出でしたよね。でもリリースされれば欲しい編成です。

Insiderの会員証無事届くようお祈りしています。
by Akira (2009-07-03 22:27) 

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