鉄道進化論 / 週間 東洋経済 [日本の鉄道]
今書店に並んでいる画像の週刊誌であるが、発刊直後から私の所属している「人と環境にやさしい交通をめざす全国大会」や「JIDA乗り物研究会」のメーリングリストでも話題になっているので、先日購入したのである。どうもこのような経済誌というのは得意ではないので、滅多に読むことも買うこともないのであるが、この特集はちょっと興味を持ったのである。
誌面を見てみると、やはり経済中心ではあるものの、様々な切り口で鉄道について切り込んでいる。特にオバマ大統領による高速鉄道の新たな建設計画に対しては、最近のニュースでもJR東海社長自ら日本の新幹線のトップセールスを展開していることが報道されているが、日本だけでなく欧州の車両メーカーもしのぎを削って熱い視線を投げかけている大きな市場なのである。
ただ、こと新幹線に関していえば、日本の場合、「特殊な」標準軌故に新幹線だけの閉じられたシステムであったが故に、超過密ダイヤの運行や、死亡事故ゼロの更新など他国に真似の出来ないことが可能になっているのであるが、北米も日本と同様なのであろうか。北米も基本は標準軌なので、新幹線用の高速新線を作っても欧州のように在来線と新幹線を跨いで走らせるような形になるのではないか?と考えるのである。そうなると、フランスやドイツのシステムに軍配が上がりそうである。さらに車両の技術についても、部分的には日本の車両技術は世界で誇れるものであるが、車両全体をみるとデザインも含めてまだまだ欧州に1日の長があるように思うのである。
さて、この鉄道進化論と題する経済誌には、そのようなグローバルな話題だけでなく、昨今のLRTの事情や、ブルートレインについて。はたまた鉄道ブームなる現象の分析やら駅ナカビジネス。更には鉄道模型の製作風景まで1つ1つの記事の内容は深くはないのだが、幅広く取り扱っていてまさに百花撩乱という感じである。まさに裾野の広い鉄道産業なのであろう。
このブログをご覧の方もこの誌面を手に取ると1つや2つ興味のある記事に出会うことは間違いないだろうと思うのである。
こんばんは。
自分はこの雑誌、月曜日の帰宅時に電車内の釣り広告で掲示されているのを見て、乗換駅の売店で早速買いました。
鉄道の世界進出、一部の鉄道会社のトップが騒いでいるだけ、という気がします。鉄道は地域に根ざした業種ですから・・・。
ただ、いずれ日本の鉄道市場の縮小は避けられず、そのときに鉄道で食べている全ての人々を食べさせていけるのか、気になるところではあります(だからこそ海外進出に必死なのでしょうけど)。
もっとも、日本の鉄道の海外進出は、欧米に比べて周回遅れで、さらには中国がアフリカ進出を積極的に進めているため、よほどの気合を入れないと、国際競争で勝つのは難しいでしょう。
あるいは、規模で勝てないなら、徹底的にニッチ市場に絞り込むのもアリかと思います。日本にはむしろ、こちらのほうが向いていると思います。それで、鉄道で食べている全ての人々を食べさせていけるかどうかは、別の話ですが、
by exp_amanogawa (2009-07-04 02:30)
exp_amanogawaさん、こんにちは。
経済誌ということで、やはりテーマは鉄道を巡るビジネスなのですが、海外進出に目をやるとまだまだ黎明期という感じはします。しかし、逆にやり方次第では..という可能性も感じない訳ではありません。最近ドイツのICE向け車輪について相当量日本のメーカーから供給されるようですし、全体としての輸出より、コンポーネントとしてのポテンシャルの高い製品は得意分野かも知れません。
あと、DSBで導入予定のIC4はイタリアから輸入予定でしたが、納期が大幅に遅れているそうで、取りやめになる可能性もあるみたいです。きっとDSBは価格で選定したのでしょうが、このような信頼性においても日本はアドバンテージがあるでしょう。
日本としては誠実に商売を行うことで世界から信頼を得るのが遠回りのようで案外近道なのかも知れません。
by Akira (2009-07-04 07:27)