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OeBB新塗装の2階建て寝台車 [欧州鉄道]

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先日、EN Orient Express廃止のニュースについて紹介したら、色々なコメントを頂き、改めて「オリエント急行」が「鉄道」を語る上で大きなポイントとなっていることを印象深く感じた。そんな中、以前からRiGのCNL記事で沢山の車両画像を提供してくれたドイツの知人であるM氏から最新塗装のOeBB2階建て寝台車の画像を送ってくれた。上の画像がそれである。データは以下の通り。

撮影日:2009-05-30
撮影場所:Wien Westbf.
列車番号:EN 467 "Wiener Walzer" (ZürichHB - Wien Westbf.)

この列車は以前CNLとして使われた列車である。種別がCNLからENに変更されてからも寝台車両はそのまま使われていたのである。運用路線としては非常に重要な1つである。
現在CNL(City Night Line)は、ドイツの発着列車のみに限られているので、以前のCNL(CityNightLine)のドイツ、スイス、オーストリア、(その後オランダ)など多国間同士を国際運用する車両とサービスを提供するCIWLのような鉄道会社運営ではなくなっている。OeBBは当初この会社(DACH Hotelzug AG)からいち早く脱却し、その持ち分である車両をOeBB車籍にしている。

この2階建て客車は、CNL車籍で新造され、OeBB車籍に変更、そして塗装色をCNLブルーから新しいOeBBカラーに変更されたという訳である。塗装色については各国様々で、また上下分離されていることからもCIWLなど車両だけを持っている会社もある。このOeBB寝台車塗装で興味深いのは、IC向けの昼行列車用客車と同じ塗装色にしているということであろう。これは多くの夜行列車に座席客車が連結されていることと関係があると思う。全体の編成美を考えればこれが妥当という考え方である。現在簡易寝台車もこの塗装になっているかどうかはわからないが、考え方が同じであれば、当然同じ塗装色になろう。
寝台車かどうかを見分けるには、車体中央の「Schlafwagen」文字がそれを誇示している...のだが、個人的には、あまり主張するのも...とも思う。出入口付近にそれとわかる表示があれば良いのではなかろうか..と。元々OeBBのICカラーは好きなのだが、2階建て寝台車については、イマイチ好きになれない部分がある。基本的に窓部分にライトグレーの帯という考えなのだろうが、1階部分の窓のために敢えてライトグレーの帯を持って来なくても...と思うのだ。これによって微妙に保たれている色彩バランスが崩れてしまったように感じてならないからだ。

以前国際夜行列車は、数カ国の客車を従えて運用されることが多かったため、寝台車については加盟国が「TEN」プールと呼ばれる同じ塗装を施した車両を使っていた。簡易寝台車や座席車についてはそれぞれの国鉄道会社の塗装が使われていたので、結局編成美にほど遠いものになってしまっていたが..。現在は、再び鉄道会社ごとの塗装で運用されているので、どちらが良いとは言えないものの、異なる車内サービスを提供されるのなら、同じ塗装より異なる塗装の方がサービスの良し悪しに関わらず印象づけには良いのかも知れない。

参考サイト:CityNightLine / Railways in Germany
http://www.rig-bahn.jp/db-page/j-cnl.htm
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コメント 10

BOAC VC10

塗装が違うだけで、座席車に見えてしまうのが不思議ですよね。
OeBBのクシェットも同様のIC塗装になってます。
新生CNL塗装もですが、初代CNL塗装のセンスの良さが恋しくなります。
by BOAC VC10 (2009-08-26 12:58) 

Akira

こんにちは、BOAC VC10さん。

簡易寝台車の塗装もIC塗装でしたか。これで座席車が全てIC色なら全てOeBB客車で組成される限り編成美が保たれますね。
しかし、OeBBもそうですが、自らを縛ってしまうような印象を受けますねぇ。以前DBのInterCityNightをIR色にした時も同様でした。

CNLは、一応独立した夜行列車専門の会社でしたから独自の塗装を施すことができたのとは対照的で、私はCIWLのように末永く続いて欲しいと願ったのですが、残ったのは若干変わった名前だけでした。

そう言えば、CNL塗装を施しオランダに移籍した旧DB Touristikの簡易寝台車やT2Sなんてどうなったのでしょう?ドイツに残った車両は全てCity Night Lineカラーに変更されたのでしょうが...。
by Akira (2009-08-26 13:23) 

klaviermusik-koba

素朴な質問ですがOeBBとはなにものでしょう。私の認識では、スイスのOensingen-Bahlstal Bahnでせいぜい数キロの小私鉄もしくはMuseumsbahnで、CIWLの車両も保存してたと思うのですが、こんなモダンな客車も保有して運行しているのでしょうか。
by klaviermusik-koba (2009-08-28 10:39) 

深山苧環

Oeは本来ならばドイツ語のOウムラウトで表記すべきところですが,パソコンの環境やソフトによっては表示できなかったり文字化けするので,やむを得ずOeと表記しているのではないでしょうか.
Maerklinのaeの部分も本来ならaウムラウトですね.

私の第二外国語程度の乏しい知識と遠い記憶を辿ると,OウムラウトはO(オ)の発音をするときの口でE(エ)と発音するんだったかな…
Akira様,あってますか?

と言うことで,本題
OeBBはエスターライヒッシェ・ブンデスバーンネン(思いっきり日本語発音でごめんなさい),オーストリア連邦鉄道の略称です.

しかし,klaviermusik-koba様のおっしゃるとおり,Oensingen-Bahlstal Bahnの略称こそ本物のOeBBですね.
日本語Windowsにももっとドイツ語の勉強をしてもらわなくてはなりませんね.
by 深山苧環 (2009-08-28 11:48) 

klaviermusik-koba

あ、やっとわかりました。オーストリア連邦鉄道のことですか。ÖBBとOeBBは別の鉄道で(うまく文字化けしないでとどきますか)どういうわけかOensingenの場合は絶対ウムラウト標記をしないので、略称になってもヨーロッパでは混線しないのですね。

私もウムラウトの発音を一生懸命おぼえたのですが、オーストリア人の発音を聞いているとどう聞いても日本語の「エ」にしか聞こえないのは不思議です。

オーストリアはあんな小さな国なのに寝台車があるのですか。チューリヒからウイーンWbfのような比較的短距離でも寝台車の利用客がある、ということなのですね。この区間はTrans Alpinのような昼間高速急行で用が足りている、と思っていました。最近のオーストリアカラーは美しく、私も大変好きです。


by klaviermusik-koba (2009-08-28 16:17) 

Akira

kobaさん、深山さん、こんにちは。

もう深山さんが詳しい解説をしてくれたので私がこれ以上説明する必要はないですね。

余談ですが、昔愛知の人から「私のところにはドイツ語のOeの発音がある」と聞きました。(^^;

オーストリアはスイス同様トランジットの多い小さな国ですが、やはり面積が小さくとも大陸の一部であり、首都であるウィーン発着の夜行列車は少なからずあります。話題のEN Orient ExpressがParisまで走っていた頃はOeBBの寝台車や簡易寝台車も組成されていたと思いますし、UIC-Typ. MUやTyp. Pなどドイツにはないタイプの寝台車も現役です。以前はTyp. U-Hansaなどもおりました。
by Akira (2009-08-28 17:04) 

東西急行

Akira様、東西急行です。
CNLの二階建てWLABmが、移籍先のOeBB現行最新様式に改めた写真を拝見致しました。
印象としては定員を増やした座席車に見え、矢張り寝台車は青系統と言う固定観念が私には染み着いていると実感します(其れ以上にWiener Walzerと言う名称が未だ現役列車に残っていることにも驚きましたが)。
二階建て寝台車と言えば矢張りフィンランド国内限定で運用中の極めて嵩の高い車輌(「サンタクロース・エキスプレス(急行聖夜の髭翁号)」と言う列車名で先ず腰を抜かしますし、「だってトンネル無ぇし、車輛限界なんか尚更知ったことじゃ無ぇ」的な無茶苦茶振りが笑えます)が思い浮かびます。
by 東西急行 (2009-08-29 19:55) 

Akira

寝台車の色というのは、私などCIWLの青と我が国のF-Zug色もどき?のブルートレインの色で脳内を完全に刷り込まれてしまっています。
フィンランドの深いエンジ色に塗装された8角形?断面の寝台車は、最初見た時驚き、そして惚れました。国内専用ですから国内の車両限界に合わせれば良く、その中で最も効率の良い形状であれば問題なかろうと思いますし、車両断面はこうで無ければならないという固定概念を覆す形状を実現させる行動力は見習いたいものです。
by Akira (2009-08-29 21:07) 

KAJI

ごぶさたしてます。ちょうど先週渡欧したので、遅いコメントになってしまいました。実は今回、この話題のOrient Expressに乗車しようかと検討していたのですが、結局変更してしまいました。廃止になるとは知らなかったので残念です。
Oebbの車両もなかなか新塗装に統一されず、ECやICはこの新塗色のようですが、ややローカルになると旧色の黒赤の車両も見かけますし、クシェットも新色のものも見かけますが、旧の青と灰色(POP Wagenの青色にちょっと似た配色)のものも車窓から見えました。
そういえばOrient Expressの代わりにCNLに乗車したのですが、その中には旧CNLの青地に黄文字塗装の車両(多分クシェット?)もまだ連結されてました。
夜行列車はCNL以外と思われる列車との併結・解放も多く、各国の様々な塗色の車両が連なり、壮観です。
美観という意味ではダメなのですが、個人的にはこのような多種多彩な車両が連なっている列車もヨーロッパの鉄道の魅力のひとつのように感じており、旅情を誘われます。
by KAJI (2009-09-03 00:49) 

Akira

KAJIさん、こんにちは。

欧州鉄道旅行、良いですね。羨ましいかぎりです。さて、塗装色ですが、欧州はのんびりしたもので塗装変更と言っても中々全部をすぐにと言う訳にはいきません。(車両を新車に入れ替えたりするときは早いですが..)夜行列車はその最たるものではないでしょうか?
また、駅も歴史的な建物が多いので、夜行列車の出発する夜のプラットホームに佇む旧塗装の車両や別れを惜しむ乗客等を見ると、いかにもヨーロッパの風景という古き良き雰囲気が醸し出されて映画のワンシーンの中に居るような錯覚に陥ったりしますね。
by Akira (2009-09-03 10:37) 

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