SSブログ

Riviera-Expressの資料検索 [欧州鉄道]

ここ数日「Riviera-Express」のメルクリンモデルを紹介してきた中で、やはり気になるBasel以南の編成などを調べてみたのであるが、イタリアサイトを中心に探ってみると予想以上にこの列車名がヒットしたので、イタリアでの「Riviera-Express」は、ドイツ以上に有名なのではないかと感じたのである。(ドイツではメルクリンなどモデルの販売ページが多くヒットするのに対してイタリアでは、列車そのものに関するページが少なくない)

その中で、今回2つのページを紹介したい。1つ目はメルクリンの鉄板客車とRe4/4II(TEE)で組成された画像と編成図で纏められているページである。特にイタリア鉄道誌?のスキャン画像は非常に詳細に当時の編成表などが記されていて貴重な資料である。

http://www.3rotaie.it/3r_Composizioni/RivieraExpress.htm

2つ目は、イタリアのメルクリンファンサイトの掲示板にある「Riviera-Express」に関するスレッドである。ここからリンクされている数々のページはどれも興味深い。その多くがイタリア国内の同列車の画像や資料にリンクされている。(中にはどこかで見たことがある編成表もあるのだが..(^^;)

http://www.marklinfan.com/f/topic.asp?TOPIC_ID=260

私がこのページで見た1番の衝撃的な画像は、1935年にドイツの鉄道写真家Carl Belingrodt氏がBerlin-Anhalter Bf.で撮影した01 097牽引のRiviera-Expressである。機関車の次位にはCIWLの食堂車とS1~S3又はZ形寝台車とおぼしき客車群が撮影されている。やはりこの列車はイタリア中心であったことが垣間みれるのである。そしてメルクリンモデルの01形は097号機である!
その他模型で再現した同列車の編成画像や動画もあり、イタリアのメルクリンファンも中々見応えのある編成を再現していることがわかる。

そんな中で、気になったことも幾つかある。その最たるモノは「Riviera-Express」の運行ルートである。戦前は、ドイツのBerlin からイタリア経由でフランスのCannesを結ぶなど、その後とは全く異なるルートであった。戦後はオランダのAmsterdam CSやドイツのDortmund HbfとイタリアのVentimigliaが運行ルートとなっている。それがメルクリンの「Riviera-Express」セットのHamburg-Altonaとは異なるモノで、このあたりの事情についてはまだ良くわかっていないのである。当時、Fulda機関区のBR10が「Riviera-Express」を牽引したのは写真でも良く見るので間違いではないのだが、オランダやルール地方(一部客車はデンマークとの国境であるPuttgarten)へのルートとは異なるものである。

これからも少しずつではあるが、この謎に満ちた「Riviera-Express」の全貌を解きほぐしてゆきたいと思うのである。これが出来れば本の1冊ぐらい書けそうである。それ程歴史が古くヨーロッパを縦に結ぶ重要な列車であったことが容易に理解出来るのである。

[EDIT] 2009-09-10 7:53
nice!(0)  コメント(6)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 0

コメント 6

東西急行

Akira様、東西急行です。度重なる情報提供感謝致します。
御紹介頂きましたサイトに早速行って参りました。
二つ目のサイトに有った編成表には私も苦笑致しましたが、其のサイトから飛んだTrains-WorldExpresses.comは、対象列車の概要把握で困った際何時も確認に行っております(主はAlba社各巻の著者らしいです)。
Riviera-Expressは仰る通り、西欧を真の意味(南北の海を繋ぐと言う点)で縦貫する列車の最古参と言えます。今次大戦を挟み北の始発駅が大幅に動いたのは矢張り本列車が専ら西欧を走ると言う点が作用したと思います(大戦後Berlin付近は共産圏に横取りされて居ましたし)。
Arnoldからは以前"Riviera-Napoli-Express"として、DRの急行蒸気(BR-01か03かは失念しましたが)と一輛のワゴンリ荷物車及び三輛のLx10寝台車(何れも軍艦色屋根)がセットで発売されておりました。なお実運用された寝台車はサイト貼付の写真通りS1~3或いはZであった様です(Lxは実質的に「カレー地中海夜行急行」、今次大戦後のLe-Train-Bleu前身専用でした)。
by 東西急行 (2009-09-09 23:13) 

Akira

東西急行さん、おはようございます。

二つ目のサイトの2ページ目には再び見覚えのある画像が...。
Trans-WorldExpressは私も知っていました。画像が美しいので素人にはみえなかったのですが、なるほどですね。

CIWL寝台車については、浅い知識故Lxと勘違いしていたようです。失礼しました。(確かにLxはLe Train Bleu専用客車ですね)
出入口窓の形が確認できず、安易な記述をしてしまいました。

ところで、CIWLの「S1~3」と呼ばれる寝台車について教えていただけますか?(特徴のご呈示や画像があれば嬉しいです)
by Akira (2009-09-10 07:56) 

東西急行

Akira様、今晩は。
御返信誠に有難う御座います。
御照会の車輌「CIWLの寝台車S1~3」は、基本的に四室の二人用寝室(二室の寝室間に共用のやや広い洗面室を有し、且つ各寝室に折畳式洗面台も有する)と八室の一人用寝室(日本国有鉄道オロネ25類似、窓際に蓋が机となっている折畳式洗面台を有する)、両車端に各一室の化粧室を有するワゴンリ鋼製寝台車最初の型(然し乍ら原型は23.4m級チーク材製らしい)です。
何時も持ち出しますAlba社の辞典?に因りますと(独逸語故読み違いが懸念されますが)
S2=三室の一人用寝室+四室の二人用寝室+五室の一人用寝室
S1、S3=四室の二人用寝室+八室の一人用寝室
と言う車内配置の様です(S2のみ配置が異なる理由は不明)。
因みにS型に次いで就役したZ型は、机兼用折畳式洗面台が出っ張った二人用寝室(Lxは此の部屋構造を若干拡げ、且つ一人用としたもの)を二四室持った構造で、別サイトによると位置付けとしては当時の「二等(WLB)」であったそうです(二人用寝室二二室+乗務員控室のYも同様)。
鋼製最古参のS型が、ワゴンリの中でもLxが出る迄最優等車であったとは皮肉ですが、客層の変化には敵わず後にLx同様一人用寝室にもう一人詰め込める様改造されてしまいました。
by 東西急行 (2009-09-10 20:52) 

seidoh

こんばんは。

ひとつ質問ですが、Akiraさんご紹介の最初のリンクを見ると、Basel以南のルートとして、Gotthard-Milano経由とBLS-Simplon経由があったようですね。これはBasel Bad.で分割併合していたのか、あるいは時期によってルートが変わったのか?イタリア語はまったく×なもので、ご教示いただけると有難く。
by seidoh (2009-09-10 22:08) 

Akira

こんにちは、東西急行さん。

S1〜S3とZの解説をありがとうございます。私はてっきりこれらの略号文字はUICの車両種別表記かと思っていましたが、どうやらZ以外のS1〜S3については、車内装備の記号だったようですね。
私が好きなUIC-Uは、SとS2、T3の3種ありました。「U」はUniversalの文字通り、ほぼ同じタイプの個室を3つのタイプに変えられる寝台車です。SはSpecialの略で1人用個室(1等)、S2は2人用個室(1等)、そしてT3はTourist 3の略で3人用個室(2等)です。私が利用したのはもちろんT3でしたが、寝台車は大抵空いていたので夫婦でT3を利用しても2人だと専務車掌の粋な計らいでS2と同じ仕様にしてくれたりしました。また5人でT3を利用した時は、2室の仕切壁を畳んで大部屋にしてくれました。この考え方は、乗客のニーズと提供側の合理性が相まった良い解決方法だと思います。それにUタイプは、マホガニーの本木目の壁がとても重厚で美しくデコラ張りのT2Sとは落ち着きが格段に違いますね。MUは乗車経験がないのでわかりません。
by Akira (2009-09-10 23:10) 

Akira

こんにちは、seidohさん。

私もイタリア語はさっぱりなので確信はないのですが、おそらく2つのルートは時期の違いではないでしょうか?Milano C経由かBrieg経由かで乗客の目的も随分違うのでしょうが....。

改めてリンクされている資料に眼を通すと更に興味深いことを知りました。1973年だったかの"Riviera-Express」のFSのIZBパンフには、Amsterdam CS行きとBasel SBBから別れてStrassbourg、Metz経由Bruessel行き、そしてFrankfurt/Mから別れるDortmund行きとHamburg 行き、そしてそのままPuttgarten経由でコペンハーゲン、ストックホルム行きに別れるようです。

Ventimigliaから丸2日掛けて北欧迄ゆく長距離列車は是非乗車してみたいですねぇ。九州から北海道よりスケールが大きい。
by Akira (2009-09-10 23:26) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0