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00776 DB Avüm 111 (Runddach) / Ep.IIIb [Maerklin-Reisezugwagen]

00776 TEE "Blauer Enzian" ディスプレィ客車について記事3日目。1等区分室客車Avüm 111(丸屋根)モデル(00776-01/-03/-07/-09)4両の紹介である。
北行きサボと南行きサボがそれぞれ2両づつあるので、今回は製品番号ごとに紹介したい。

[00776-01/ 61 80 19-80 101-7]
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▲ 区分室側

既にF-Zug塗装でメルクリンから、またTRIXからは単品でTEEカラーの丸屋根仕様のモデルがリリースされているが、このモデルも同様に美しいプロポーションを保った姿のモデルである。

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▲ 台車はMD-34形。サボ受けは初期仕様の左右出入口扉横にある。

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▲ サボは、Hamburg行きのもの。号車番号はWagen 3が記されている。

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表記は滲みなど無縁で、とても精細である。Ep.IIIでありながら番号はUIC表記の61 80 19-80 101-7である。手元の資料ではチェックデジットの数字が「1」なのであるが、計算式がわからないので、この数字の真偽は不明である。最高速度160Km/hの多電源仕様である。REV表記では、最終検査日が1967年3月1日との表記である。
実車は、1965年に10 423としてWMD社で落成。(TEEカラー?)1966年9月30日から同番号になったようである。1980年4月2日からはAvmz 111.0として現在に至っている。


[00776-03 / 61 80 19-80 113-2]
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▲ 廊下側

00776-01と同様北行きサボが印刷されたモデルであるが、表記を見ると若干の違いが見える。

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左右のMD-34形台車に車軸発電機が装着されている。これは全ての00776のAvüm 111モデルが共通である。

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▲ サボは、Hamburg行きのもの。号車番号はWagen 5が記されている。

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車両番号はUIC表記の61 80 19-80 113-2である。最高速度は記されていないのは、全般検査日の関係であろうか。RICラスターを読む限り入線許可されている国は限られているが多電源仕様のようである。REV表記では、最終検査日が1967年4月27日との表記である。
手元の資料では実車は、1965年5月3日に10 435としてWMD社で落成。(モデルの表記には3月3日とある)1966年9月30日から同番号になったようである。1979年11月30日からはAvmz 111.0として現在に至っている。


[00776-07 / 61 80 19-80 111-6]
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▲ 区分室側

南行きのサボが印刷されたモデルである。室内装備は新製当時のブルーのシートモケットに合わせて青色である。

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サボと表記以外は他のモデルと区別がつかない。サボは、München行きのもの。号車番号はWagen 5が記されている。

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車両番号はUIC表記の61 80 19-80 111-6である。最高速度は記されていないのは、全般検査日の関係であろうか。RICラスターを読む限り多電源仕様だが、入線許可のある国は少ない。REV表記では、最終検査日が1967年4月19日との表記である。
手元の資料では実車は、1965年4月22日に10 433としてWMD社で落成。(モデルの表記と同じ!)1966年9月30日から同番号になったようである。1980年4月30日からはAvmz 111.0として現在に至っている。


[00776-09 / 61 80 19-80 107-4]
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▲ 廊下側

南行きのサボが印刷されたモデルである。室内装備は新製当時のブルーのシートモケットに合わせて青色である。

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サボと表記以外は他のモデルと区別がつかない。サボは、München行きのもの。号車番号はWagen 3が記されている。

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車両番号はUIC表記の61 80 19-80 107-4である。RICラスターには最高速度が160Km/hと記されている。多電源仕様。REV表記では、最終検査日が1967年3月15日との表記である。
手元の資料では実車は、1965年3月17日に10 427としてWMD社*で落成。(モデルの表記と同じ!)1966年9月30日から同番号になったようである。1979年5月8日からはAvmz 111.0として現在に至っている。

今回紹介したモデルは全て丸屋根仕様の1等区分室客車である。全車両1965年製造車両の3次車のため、製造当初からTEEカラーであったと想像できよう。これら車両のグループは、おそらくRheingold / Rheinpfeil向けではなかった(これは1962/63年製造のF-Zug塗装で登場した10 401 - 10 422の1、2次車の22両である)ようで、1964/65年製造の3次車(10 423 - 10 436の14両)で当初からTEE向けに製造されたと想像出来る。(4次車からは切妻屋根で1967年からの製造。落成時にはUIC表記となる。)
これらは多電源仕様であることがRICラスターからもわかるが、入線許可のある国が2種となっている。その1つの仕様はフランスやデンマーク、ベルギーへの運用も視野にあったと考えられる。製造会社は全てDonauwörthのWMD社である。また、全ての車両がUIC表記に変更されたのが1966年9月30日というのも興味深い。客車のUIC表記化がEp.IIIの10月1日からというのが本当のところなのかも知れないが未確認であることは断っておきたい。

*手元の資料は1999/2000年現在。故に2010年現在は既に廃車解体の可能性もあり。

*) WMD: Waggon und Maschienenbau GmbH, Donauwörth

参考文献:TEE- und IC-Abteilwagen 1. Klasse, Avmz 111 / "WAGEN" Das Archiv der deutschen Reisezug- und Güterwagen
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コメント 2

BOAC VC10

ARDüm105とARDümz106の作り分けといい(エアコン通気口の大きさも違う)、
資料での落成日と表記での検査日の一致といい、考証に信頼が置けますね。
そういえば、Avümの後の「h(空調付き、自車電源)」も当初は無かったのですね。
(「z(空調付き、他車から受電)」の車両がまだ無く、区別の必要が無かったためでしょうか。)

単電源とされていらしゃる車両も、
UICナンバーの7・8桁目が「80」=4電源+蒸気暖房、最高時速160Km以下 なのと、
UICラスターに、「It」:FS=直流3000Vと「NS」=直流1500V がありますので、
通常の運用先のみの記載ということだと思います。

UIC表記への変更日、"WAGEN"見れば判りましたね。
ただ、シルバーリンケやUIC-Xでは1966年9月1日となっている形式もあったり、
一斉変更なのかは謎ですね。といっても台帳上の変更日であって、
実車の表記の書き換え完了までには時間がかかったのでしょうが。
3次車は丸屋根・TEE塗装の旧番号で落成、
4次車からは角屋根に変わってUIC番号で落成で正しかったと思います。

ところで、「ü(側通路、貫通路付)」の表記が廃止になったのは、
いつ(70年代中盤?)かご存じでしょうか?
by BOAC VC10 (2010-01-04 23:22) 

Akira

BOAC VC10さん、こんばんは。

早速のコメントありがとうございます。
バー車のエアコン通気口の形状の違い...気がつきませんでした。

電源について...は、確かにUIC番号が同じなのでどうしたのか..との疑問もなくはなかったのですが、確かに書かれている通りです。記述の修正をしました。ご指摘に感謝です。

Avm111の丸屋根と切妻屋根の区切りなどが理解出来て来たのは今回の収穫です。ありがとうございます。

さて、「ü」ですが、"WAGEN"の表を見る限り1976年にAvümhからAvmhに変更されているようです。

今年も色々と教えてください。よろしくお願いいたします。
by Akira (2010-01-04 23:50) 

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