66 Reisezüge für Modellbahner / MIBA [欧州鉄道模型]
今回もメッセ出張での戦利品本である。
以前MIBAからEp.IIからEp.IV迄何冊かの実車の編成に基づいた組成表とその解説を集めた本が出版され、私もそのうちの数冊を求めた。それは模型運転する際にとても役立つ資料でもあり、組成表を作る際にも重宝している。
その同じ出版社であるMIBAから出ていたのが、今日紹介する「66 Reisezüge für Modellbahner」である。
今回の編集方針は、以前と異なりEp.IIからEp.IV迄の広い時代範囲の中でEilzugからF-ZugやTEE迄、ドイツの有名列車を中心にバランス良く列車を抽出し、列車画像やモデル画像と共にオリジナルの組成表をレイアウトしたものである。ドイツの場合、基本的な組成表があるのだが、いかんせん客車中心であり、国際列車も行き来しているお国柄である。特に長距離列車などでは増結車などで組成が狂う事など、しばしばと言っても良いくらいある。また予定された形式が異なる事もある。
だから面白いのであり、模型の世界でも存分にその雑多な編成を組ませる楽しさが満喫できるのである。もっともTEEからは比較的そのようなことは例外扱いとなってはいるが、この書に出て来るTEE Rheingoldの画像は、TEEカラーのドームカーと赤色132形食堂車が混成されたりして、中々面白い。
上の画像は、01形牽引の26.4mのGruppe53系列客車2両(ABuem+Buem)だけ牽引するD-Zugが出ている部分だが、60年代まではこのような極めて短い編成の優等列車も少なくなかった。今のドイツの鉄道を見ると地方ローカルの列車ぐらいしかこのような短編成はなく、私達も模型で遊ぶ時つい長い編成に拘ったりしてしまうが、蒸気機関車がまだまだ全盛だった時代は、短編成の列車で楽しむのも悪くはないということを教えてくれるのである。(この場合は供食車両がないのがやや寂しいが..)
この書は、夜行列車や休暇用列車も含めて、我々が知る名前の列車が数多く納められているので親しみ易い。よって、模型編成を作る時に良い指南役になると思う。
ただ、前に出版された編成表の本も含めて言える事は、ちょっと整理されていなさすぎる点が私にはわかりにくさを感じる部分である。オリジナルの編成表や独自のシルエットによる編成を図で示してくれるのは良いが、ある程度の纏めが欲しいのは確かである。特にドイツ語が理解出来ない場合は読み解くのが難しいと感じるのではないであろうか。
これは、もちろんこの書の否定を意味する訳ではなく、もう少し敷居を低くした(整理された)編集とレイアウトが出来れば、誰にでもお薦め出来る一冊と言えるものである。
*本日午前中にアップした「Neuheiten Video 2010」は、同じ内容の記事を既に2/10付けのブログで記していたので、そちらの記事にリンク先を移し、本日の記事は差し替えました。ご了承ください。
こんばんは
入手するまでは今までのシリーズの焼き直しかと思っていたのですが、実際は新たに取り上げる編成が多くて良い本ですよね(^^)
なかでもP76の"D81 Alpen-Express"は国際色豊かな編成で非常に興味が惹かれます。ドイツ、イタリア、デンマークの客車に加えてCIWLの食堂車やDSGの寝台車とはなかなか面白そうです。
by 300B (2010-02-25 20:49)
こんばんは、300Bさん。
D81 "Alpen-Express"は、私もちょっと感動でした。FS茶色客車にDSBの赤色客車が混ざってPuttgartenでフェリーに乗る姿の写真は、今は考えられませんね。
あと、個人的に良かったのは、03.10形牽引のF163 "Loreley-Express"です。今年のインサイダーモデルと以前のLoreley-Expressの組み合わせが可能になります。
by Akira (2010-02-25 21:01)