TEE Reservierungskarte

▲ TEE座席指定券（表）


▲ TEE座席指定券（裏）

先日、460さんから「こんなものが出て来た．．」とスキャンされた切符らしき画像が私の元に．．。
中央に大きく「TEE」と描かれたこの切符は、紛れも無いTEE専用座席指定券である。おそらく、彼のお父上の同僚の方がドイツに旅行の際購入したものとのことである。

この切符から読み取れるのは．．．．、

- 1973年10月11日にハンブルグ中央駅で予約発行されたTEE座席指定券（ハンブルグ中央駅からミュンスター迄）。
- 1973年10月12日、12時40分発、TEE32列車、6号車区分室、95/96番座席窓側（喫煙席）

TEE 32というのは、 Hamburg=Altona - Paris Nordを結ぶ名門列車「Parsifal」である。この列車は、1957年10月からTEE列車として運用に就き、当初は、パリ-ドルトムンド間をSNCFのRGP825により、また1960年のダイヤ改正からはDBのVT11.5形が使われた。1960年以降は、DBの62系列客車で運用され、132形食堂車と105/106形バー車も組成されていたようである。つまりこのTEE指定券の時は、DBの62系列客車による運用であった。手元にある画像ではCC40100に牽引された５両編成のTEE Parsifalが快走しているシーンである。資料では、Hamburg - Aachenでは１両の区分室車と１両の開放室車が増結されたとなっているので７両編成であろうか。

なお、この列車は、Bremen - Osnabrueck間で133Km/hの最高速度を出していたと記されているが、当時の北ドイツの路線状況では、このくらいの速度が最速だったのかも知れない。
さて、肝心の牽引機関車は、SNCF内では３電源のCC 40100形が主で、Aachen - Luettichは184形、そこからは112形か103形という感じであろうか。

上記からTEE 32 "Parsifal" 1973は、今のメルクリンモデルでは編成にしやすいことがわかった。昨年の新製品である00776 TEE "Blauer Enzian"客車をベースに、SNCFでは、39401 CC 40100形、ドイツでは、DBの37312 184形、26540 112形、そして37571 103.1形と、最近リリースされた機関車、客車で組成出来るのが嬉しい。

TEE Parsifalは、1979年5月26日をもってTEE列車ではなくなる。現在は、Thalysがその役目を担っているが、もちろんそれはHamburg方面ではなく、Koeln止まりである。

1973年と言えば、TEE華やかりし時代。当時の私は小学生で、写真でしか見れないTEE列車に遠い日本から憧れていただけの頃である。
一度だけでも良いから、１等だけで組成された70年代のTEE列車に乗車出来ればという想いは、その乗車プロセスの一部であるこの座席指定券を見た時に再び蘇って来たのである。

Special Thanks: 460さん

参考文献： Die Geschichte des TRANS EUROP EXPRESS / Alba Publikation Alf Teloeken GmbH + Co. KG.

＊ご指摘により修正しました。
[EDIT] 2010-05-05 21:17

タグ：DB Ep.IV TEE

コメント 2

Akiraさん、おはようございます。
解説頂きありがとうございます。

私の記憶も曖昧で、おそらく父の会社の従業員の方から
貰ったと母が言ってました。
1973年って事は私が小学生の頃です（歳がバレますね）

出来ればメルクリンでこの列車の再現をしてみたいものです。
by 460 (2010-05-06 08:04) 

460さん、おはようございます。

とっても貴重なTEE指定券画像をありがとうございます。
１枚の切符の表記から様々なことが見えて来ますね。調べながらその光景が目に浮かんできて勝手な妄想を膨らませております。

既にお互いオッサンと呼ばれる年齢になってしまいましたが、TEEやメルクリンを語るときは、夢多き少年の心になるということで．．．．。

メルクリンでのTEE 23列車の再現は比較的容易です。ただ、今になってCC 40100やBR184を手にしなかったのが悔やまれます．．。
by Akira (2010-05-06 09:06)