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Hamburg Hbf - München Hbf [Reise]

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宿への帰り道(宿に荷物を預けてあったため)Binnenalster(内アルスター湖)のほとりから突然やって来たICを狙って撮影するが....後で画像を確認したら旧METのICEである。

旅行というのは、いつも順調とは限らない。昨年の2月のメッセの時は往路の飛行機の遅れから始まって乗り継ぎ列車の遅延など散々な目に遭った...。

今回の旅行でもそれが起こったのも、今のDBの運行状況から見れば起こって当然...なのかも知れない。
この日は、次の目的地へ夜行列車を使って行くことにしたのである。列車はCNLである。ドイツに到着した空港駅でこの列車を予約したが、残念ながらシャワー/トイレ付きの部屋(いわゆるカテゴリA)は既に満室(この列車には4室しかない...)で、洗面所付きの部屋(カテゴリB)となった。CNLの食堂車のデザインに関わった私としては是非1度CNLに乗りたかったのだが、今回ようやくそれが叶うので、B室であっても良いだろうと思ったのである。(CNLとはいえ、当初のCNL"CityNightLine"と現在のCNL"City Night Line"は運営もサービスも異なる)

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ハンブルク中央駅では、デンマークのIC3がコペンハーゲン行きECとして出発準備を待っていた。やはり登場時の白地に赤いドアが私の好みだが、元々優れたデザインのこの車両は、インテリアも含めて何時見ても魅力的である。このIC3の素晴らしさの1つに、その製造精度が挙げられよう。車体と窓はゴムのシーリングで止めてあるのだが、この窓面と車体面の段差は「0」である。これは定規を当ててみればわかること。初めてこれを確認したときは驚いた。

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事前情報として聞いてはいたのだが...ドイツの大きな駅にある1等車乗客専用ラウンジには、場所によってGerman Railpass(1等)は、利用不可と聞いていたが、ハンブルク中央駅のラウンジでその話は真実である事を確認した。仕方がないのでホームで列車を待つ事に...。

入線時刻の少し前、入線ホームで列車を待っていると「列車編成が予定の逆順になる」とのアナウンスが流れた。DBでは良くある事だが、列車の端の車両に予約をしているモノとしてはたまったものではない。荷物を引きずってホームの反対端まで走らなければならないからだ。そのアナウンスのタイミングも悪い..入線直前なのだから。こうして荷物を引きずってホームを走っていると101形に牽引されたCNL 1287 München Ost行きが入線してきた。
落胆に追い打ちを掛けたのは、このCNLは食堂車を連結していなかったこと...。残念の極みである。

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早速、乗車したのはWLBm。つまりカテゴリBのみで構成された車両である。外装色は白地にV.Rotの窓帯であるDB Nachtzug色に変更されたが、インテリアはオリジナルのまま、つまりノイマイスターデザインによるモダンで清潔感溢れるもの。

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幸い?階上の部屋で2つの窓から眺望の眺められる部屋である。上画像は階段室。以下は室内画像。スーツケースは、室内に置けるスペースがないので階段室階段下のスペースに置く。

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正直な話。以前DBで標準的な寝台車であったUIC-Typ U(WLABmh174/175形)と比較すれば、かなり狭い。天井も2階建てなので低い。全体的に圧迫感のある部屋であることは疑いもない。ただ、鏡や窓を多用した室内インテリアデザインに救われている部分も多いのである。また、ベットを畳んだ状態では快適と言えよう。ベットをセットした時点で、布団に潜るのが良いことがわかった。

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カテゴリB車両は、各部屋に洗面台しか付いていないが、車両端に共同のシャワー室が設けられている。このシャワー室は、家庭用サイズなので、共同とは言え最初に使うのであれば、カテゴリAよりも広々としたシャワールームで汗を流す事ができよう。またシャワー室にはガラステーブルの付いた洗面台と椅子が備わっている。以前のU形寝台車にも共同シャワー室があったが、トイレを通った奥に設備されているため使うのに抵抗があった。この点ではこのシャワー室は高評価である。敢えて指摘するならば、このシャワー室の扉はどこにでもありそうな普通のドアである。折角ここまでデザインされているのであるのだから、ノイマイスターらしいデザインを試みて欲しかったのである。(コストの関係かも知れないが...)

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初めてのCNL乗車ということもあって、若干の興奮もあってあまり寝付けなかったが、ベットの長さと幅は問題ない。寝る分には問題がないと言えよう。

6時過ぎには朝食を運んで来た。紙袋に入ったランチ(ブレックファースト)ボックスである。それに紙コップ入りのコーヒーが付く。以前のCNLより遥かにサービスの質は落ちたと言えよう。理由は明確である。CNL社だった時代は必ず食堂車が連結されており、朝食付きのサービスでは、食堂車の基地に航空機と同じタイプのトロリ(アトラスコンテナ)を積載していた。そこから各寝台車へ朝食をサービス出来たのだが、現在は、運営が変わったため、10両しかないトロリ積載可能な食堂車は、全てのCNLに連結出来なくなったのである。よって、朝食サービスのコンセプトそのものが機能しなくなり、結局紙袋入りボックスの朝食となった...と想像出来る。コーヒーにしてもICEですら陶器のマグカップなのに、紙コップは頂けない。今やスタバが欧州でも全盛なこの時代、紙コップ入りのコーヒーでも気にならないのかも知れないが、ファストフードではないのだから、このあたりのサービスの質の向上を期待するものである。陶器のポット入りでサービスされるコーヒーを懐かしむ私は、すでに昔の人なのかも知れない。

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ようやくミュンヘン中央駅に到着したCNLだが...。この列車43分の遅延で到着した。そのため、乗り継ぎの予約した列車には乗車出来ず、かなりの時間の待ちぼうけを食った。ミュンヘン中央駅の待ちぼうけなら退屈する事はないが、予定を大幅に変更しなければならないのは、そのDBの対応も含めて腹が立って来たのは確かである..。

それは、遅延のアナウンスはCNL車内で既に告知されていた。そのため専務車掌に乗り継ぎの問題解決をお願いしたのだが、「ミュンヘンでサービスポイントに行ってくれ」というのがその返事である。遅れの当事者である列車の専務車掌がこの態度というのはあきれた。言い方もあるのだろうが、このしくみはまずい。今の世の中、遅延が出たのなら最大限の努力を持ってその問題解決に当るべきなのが専務車掌の努めと思うが、DBの方針としてその仕組みを構築していないようである。

参考サイト:CityNightLine / Railways in Germany
http://www.rig-bahn.jp/db-page/j-cnl.htm
タグ:CNL DB Nachtzug
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darkhorse

>やはり登場時の白地に赤いドアが私の好みだが、元々優れたデザインのこの車両は、インテリアも含めて何時見ても魅力的である。

そうですね.大好きな車両です.IC 3.どうかメルクリンでも発売して欲しいものです.

DBはかつてはかなり正確な時間に駅に到着したのですが,この所はだめなのでしょうか.

DSBもぜんぜんだめで,SJに至っては連絡列車を待たせる事もなくなりました.NSBもかなり不親切.

どこの鉄道も人員削減が大きな原因かもしれませんが,ゲルマン諸国の鉄道が,ラテン諸国のようないい加減な感じになって行くのは,悲しいことであるなぁと思います.
by darkhorse (2010-08-14 17:31) 

Akira

darkhorseさん、こんばんは。

今回の旅行の印象では、冬ほど酷くはありませんでしたが、やはり夜行は遅延リスクが高いのでしょうね。仰るように民営化前の方が時刻の正確さは高かったような印象はあります。(本当のところはわかりません)

やはり突き詰めれば人員削減でしょうね。現場の人間を削減すると、しわ寄せは乗客に来るのは本末転倒ですね。

それにしてもIC3は何時見ても素晴らしい車両だと思います。
by Akira (2010-08-14 19:58) 

berg-montagne

こんばんは、Akiraさん。

City Night Line、懐かしいです。2回乗ったことがあります。1997年7月にBerlin zooからZurich HBまでカテゴリBに、1999年2月にBremen HbfからZurich HBまでカテゴリAに、です。

カテゴリAのシャワー室の扉もAkiraさんが写されたのと同じ扉でした。当時は、ノイマイスターさんが設計されたとか、全然知らなくて、東西新旧のドイツの寝台車に乗り比べることに夢中になっていました。旧DBのWLABmh174/175形や旧DRのWLAB176形(改装前と改装後、共に)は走る古城ホテル、City Night Line(当時はCityNightLineですが)は近代的なホテルと同等かな、というような印象を感じました。

ドイツの鉄道運行の正確さは、どうなったのでしょう?
分割民営化?したのはいいけれど、日本のようにインフラも含めた地域分割ではなく、上下分離されたうえに運行会社が長距離と地域を分け合っているので、複雑になりすぎてうまくかみ合わないのでしょうか?

鉄道が好きなものとしては、残念です。
by berg-montagne (2010-08-14 19:59) 

Akira

こんばんは、berg-montagneさん。

97年や99年だと登場初期ですね。この時は、まだ別会社でしたので充実したサービスがなされていたのではと思います。

174/175形寝台車は、私がいた当時でも使い古された類いの車両でしたが、真鍮製の金具とマホガニーの木目に覆われた重厚な雰囲気にゆったりとした旅行を約束することが伝わってきて良かったです。
また、室内に軽食メニューもあって専務車掌もかいがいしくサービスしてくれたことが懐かしく思い出されます。

やっぱり古い人なんでしょうねぇ。


by Akira (2010-08-14 20:29) 

総統

わたくしも、ミュンヘン~パリ東駅まで DBナハトツークNZ260に乗車しました

乗る予定だったノイシュバンシュタイン城からフッセン駅までのバスが早発して乗れなかった為、なんとかギリギリで間に会いました

入線してくるNZを見ると・・・
機関車はOeBBのタウルス、奮発してとった一番高い部屋の車両は機関車から4両目くらい

乗車して車掌さんが検札の際に、チケットを持って行ってしまい、次の日の朝、朝食と共に返してもらうまでに心配だったり

ミュンヘンで買った寿司の醤油を、ベッドにこぼしてしまったり

到着の1時間前くらいに起きたら、いつの間にか左側走行だったり

終着駅に着いて列車を見たら、自分達の客車とタウルスの間に連結されている筈の客車が居なかったり(うちらの車両が機関車の次位でした)

機関車はいつの間にかゲンコツだし・・・


初めての海外での寝台特急&国際列車でした

驚きと同時に、懐かしさも感じました


ベッドは日本の車両より寝やすく、珍しく熟睡できたのですが、速度160で「カント付いてないんじゃないか・・」と思う曲線でかっ飛ばしてたり、結構なフルブレーキングで、路盤の揺れは無かったんですが、走行時のGにかみさんは負けてしまい、珍しく乗り物酔いしてしまいました(苦笑)

寿司の醤油も、それでこぼれてしまい・・・

でも、思い出の車両なので、日本に帰ってきて、ROCOのを買ってしまいました(笑)
by 総統 (2010-08-16 06:28) 

Akira

総統さん、おはようございます。

NZの乗車体験をありがとうございます、ミュンヘンからパリ行きだと、Syuttgart、Karlsruhe、Strassbourg経由ですね。フランスはドイツと通行が逆向きなので、Strassbourgから機関車も変わったのでしょう。(Stuttgart - Strassbourgは181.2形?)夜行列車は、途中で連結開放作業を行うことが多いので、車両によって行き先が異なる事が少なからずあります。

でも、夜行列車は独特の風情があり、駅での出発シーンなどは、いつも何げなく見ている風景でも、「ヨーロッパの駅なんだなぁ」と思わず感慨に耽ってしまいます。
by Akira (2010-08-16 08:36) 

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