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75 Jahre MITROPA / Eisenbahn Journal [欧州鉄道]

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今迄中々紹介出来なかった雑誌がある。それは、ここでも良く名前の挙がるEisenbahn Journal誌のSpecial版(特別号)の2/92、丁度MITROPA社が創業75周年になった年の記念号でもある。

この雑誌が発刊された1992年と言えば、私はドイツで大学を卒業し、求職活動をしていた頃だったろうか。当時はドイツが激動であった。ベルリンの壁が崩壊し、その1年後には念願のドイツ統一を成し遂げたが、鉄道に関しては、まだ東独国鉄(DR)とドイツ連邦鉄道(DB)の統一が図られず、DBの民営化に合わせての鉄道統一の準備が行われていたのである。その準備の中で旧東ベルリンに本拠地を置き、DRの食堂車と寝台車サービスを行うMITROPA社が、創業75周年を迎えたのである。

当時の私は、MITROPA社が歴史的にも中央ヨーロッパの鉄道で重要な役割を担っていたことは、理解していたが、統一前は東独の会社であったがゆえに、DBの供食、寝台サービスを担うDSGの方が馴染みがあったのは確かで、1994年の東西鉄道統一後にDSGとの統合でMITROPA社となったことに違和感も感じていたのを憶えている。その時の私の頭には社会主義的な車両の中央に描かれているMITROPAの文字とマークが私のイメージであったからである。

そんな統合前の1992年に発刊されたこの雑誌が書店の鉄道誌売場に置かれたのを見たとき、すぐ手に取りレジへと進んだのは、この誌面の表紙のインパクトがあまりに大きかったからである。これは、戦前の1929年?に描かれたMITROPA社のポスターである。当時流行であったバウハウステイストの建築の前を走り去る深紅の寝台車の絵が配置されている。上には当時のMITROPA社のキャッチコピーである、「WER SCHLAFWAGEN REIST SPART ZEIT UND GELD」(寝台車で旅する人は、時間とお金を節約する)という文字が飾られている。

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その内容は、CIWL社から少し遅れた1917年に創業した時から、第2次大戦の終戦で東独国鉄側のみのサービスになり、ドイツ統一とDBとの統一プロセスの中での新生MITROPA迄の車両と歴史を豊富な写真で構成されている。私がSchuerzenwagen食堂車ヲタとなった、大きな要因の一つは、上画像の同形式の美しい新製車両が沢山連結されているのを見たことである。この姿を再現したい..などと単純に思って既に18年は過ぎてしまったのだが、メルクリンの同形モデルだけは順調に増えている。ただ、そのほとんどがEp.III以降のDSG/DB車籍のモデルなのだが....。

今でも、Schuerzenwagen食堂車を手に入れると、この誌面をめくって、その出自を調べたりする程資料としても利用価値の高い誌面構成である。このような形でDSGについても出してくれると嬉しいのであるのだが...。

さて、これは1992年発刊、しかも雑誌なので、新たに手に入れるのは難しいと思ったのだが、ドイツアマゾンでは中古の同誌が幾つか出回っているようであるから、リンクを以下に貼る。

75 Jahre MITROPA / Amazon de:
Eisenbahn Journal, Special 2: 75 Jahre Mitropa

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コメント 4

300B

こんばんは

アイゼンバーン・ジャーナルのこの特集号は良いですよね(^^)
Alba社の食堂車・寝台車特集本と合わせてお気に入りです。

雑誌の古本は入手できなかったのでEJ社のDVDアーカイブ版を買いました。価格は25ユーロです。

以下、アイゼンバーン・ジャーナル社のサイトです。

http://www.eisenbahn-journal.de/art/590901.html
Das EJ-Sonder- und Specialausgaben-Archiv
1981-1993
Alle Sonder- und Specialausgaben 1981-1993

by 300B (2010-10-26 00:21) 

Akira

こんばんは、300Bさん。

確かに! EJ誌はアーカイヴDVD版がありました。私は持っていませんが、これ1枚で充分な資料を手に入れる事ができますねぇ。

ご紹介に感謝します。
by Akira (2010-10-26 00:47) 

Gut

こんばんは。
Spielkisteさんのドイツと鉄道への思いが伝わってくる記事ですね。
ここ最近になってドイツに興味を持ち始めた私としては少し羨ましい感じがします。
これからもディープな記事を楽しみにさせていただきます。
by Gut (2010-10-27 00:01) 

Akira

こんばんは、Gutさん。

ドイツの鉄道は、日本以上にディープな世界が広がっています。私もまだまだ知らない世界が沢山あって知れば知る程深みにハマる..という感じです。それだけ勉強になりますし楽しい世界でもありますが..。
by Akira (2010-10-27 00:36) 

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