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東北新幹線「はやぶさ」 [日本の鉄道]

昨日に続いて「日本の鉄道」の話題。以下プレスリリースが昨日付けで配信された。

[運行案内]
http://www.jreast.co.jp/press/2010/20101107.pdf

[料金案内]
http://www.jreast.co.jp/press/2010/20101106.pdf

表題にあるE5系による「はやぶさ」がデビューするのが3月5日とのこと。1日に東京-新青森間を2往復、東京-仙台間を1往復運転。それに伴う「はやて」の運転区間変更などのダイヤ改正が盛り込まれている。
このE5系は営業最高速度300Km/h(宇都宮-盛岡間)で、東京から新青森迄3時間10分と現行より49分の時間短縮が図られている...。新幹線による時間短縮は人の生活を変えるほどの力を持っている。

で、今回興味深いのは、日本の鉄道で何年ぶりになるのだろうか? ある意味3等級制の復活が、このE5系から始まるのである。18席設けられた新しい最上級のグランクラスは、このE5系によって運用が始まる訳であるが、JR東日本を始め、JR他社、特に東海道や山陽、九州新幹線を持つ地域鉄道会社にとっては、最大の関心を持ってその推移を見守ることであろう。

私の個人的な推測に過ぎないのだが、これは1950年代迄あった3等級制の復活と言う意味ではなく、航空機との競争に対する一つの試みと位置づけられているように思う。航空機のビジネスクラスに匹敵するサービスをどのような形にして提供するのか...そのあたりのソフト面での興味が私の注視したい部分である。航空機路線(国内線)でのサービスは、ゆったりとした専用座席と無料の供食サービスがその中心であるように思う。

ところが今回のプレスリリースには、残念ながら先に発表されたCG画像による室内インテリアのみの掲示に留まり、具体的な車内外でのグランクラスのサービスには触れていない。おそらくまだ社内でそのあたりことを検討中なのかも知れないのだが...。
今夏、同じようなサービスを既に行っているOeBBのRailJetのプレミアムに乗車して感じたことを含めて私なりの要望を書き記しておきたい。

おそらく、であるが営業後1年ぐらいは、その珍しさとレア感(座席数18で、東京-新青森1日2往復)で切符の入手も大変であろうと思う。グリーン車との差額は5千円とのことで、この5千円の価値をどう利用者が判断するのかが、その後の利用率の最も重要な分かれ目であると思う。(別の言い方をすれば、より良いサービスを行えば5千円以上でもリピートされる可能性は高いように感じる)

RailJetのプレミアムのインテリアは素晴らしい。落ち着いた空間で上質の本革シートは大型のフット(レッグ)レスト付き。車内サービスは、専用の客室乗務員が新聞や雑誌を配り、いつでも注文可能なスパークリングワインなどアルコール類も含めたドリンク類、そしてミールサービスなど...。更にはドイツの主要駅で乗車する時には1等車乗客も含めてではあるが..ファーストクラスラウンジの利用が出来、そこでは空港の航空会社ラウンジ同様、ゆったりとした空間の中、飲食の提供など各種サービスが受けられる。

しかし、である。残念ながら私個人は、もう敢えてプレミアムに乗りたいとは思わないのである。航空機の場合は、出発地から目的地迄ほとんど椅子に縛られた状態であるので、そこで供出される飲食のレベルが供食物の全てであるのに対して、鉄道車両の大きな長所として、座席に縛られずビストロに出向いて食事を取ったり、シートサービスで有料にはなるが好きな食事を取ることができる。(最近では航空機でもLCCなのでこのような有料食事サービスがあるが)一方、自動的に提供されてしまうプレミアムの食事は、無料(と言うより食事代込み)なので飲食のチョイスが限られる、または選択出来ないということがある。

これは、日本の場合新幹線に食堂車やプルマンタイプのシートサービスがないため一概にRailJetとは比較出来ないが、利用者に提供する供食サービスが満足されなければならないという難しい課題を抱えることになるのである。だからといって供食サービスがないのでは、不満をくすぶらせる大きな要因にもなりかねないのは確かであろう。

RailJetはプレミアムクラスとファーストクラスの仕切に小さな専用のギャレーを設置している。新幹線には、それがあるのかどうかわからないが、いずれにしてもグランクラスという新しいサービスには、1日3往復最大で96名のみの利用者のために出来うる最大のサービスというものをどういった形で応えるのか。逆に考えれば、ここでこの試みが成功するような上質のサービスを提供出来れば、諸外国の中でも数歩遅れていると言わざるを得ない日本の列車サービスのイメージを変えることにも繋がるのではないか...と、密かに期待もしているのである。


私自身はおそらくまず利用出来ないであろうが..この新しい試みを最大の関心を持って注視してゆきたいと思うのである。

[EDIT] 2010-11-13 8:33
タグ:新幹線 JR
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