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42610 DB WRPw 4üe (Endwagen mit Speise, Gepäckbereich) / Ep.IIIb [Maerklin-Reisezugwagen]

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「Blauer Enzian」最後の1両である、荷物室付き食堂車(WRPw 4üe)の紹介である。戦前のHWZ時代のこの車両(SWRPwPost 4ü)は、荷物室、郵便室、食堂と3つの機能を持っていたが、戦後は郵便室が無くなり、荷物室付き食堂車となった。

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車端の展望室となるカーブのついた大窓はこの車両も健在であるが、おそらく荷物室奥にあるため、一般乗客は利用出来なかったものと思われる。画像でもわかるように、外側から見ると荷物用出入口が配置されている。当時の一部F-Zugでは、乗客の旅行鞄など大きな荷物は荷物室で預かる仕組みとなっていた。

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車端部の画像である。窓には鉄格子が内側に付けられているのが彫り込みで表現されている。ここは乗客がくつろぐ場所ではなく荷物室の一部なのである。それにしてもちょっと残念な室内レイアウトである。私なら折角の眺望が楽しめる車端部には、食堂やバーを配置し、反対側に荷物室と厨房を持って来るのであるが...。

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この車両は、10 401 Müである。

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また、当時の流行?であった車体に看板を掲げられ、この車両には列車名が記されている。

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上画像は、食堂部分である。DSGの赤地に金色のマークが控えめに表現されているのは、他の大きなDSG文字の食堂車とは一線を画している。鉄青色の車体に小さなDSGマークは品が良い。
車内を覗くと、テーブルには白が印刷されているのがわかる。いずれも印刷精度は高く、良い雰囲気を醸し出している。

さて、この客車は1959年に運用を終え、1962年には全ての車両が廃車解体となっており、現存はしていない。(保存されなかったのは惜しい車両である...)「Blauer Enzian」用にもう1編成用意されたのは、Schuerzenwagenから改造された展望車や35系列などの食堂車あたりの混成編成であった。この改造展望車は現在動態保存され、今でも蒸気機関車牽引の団体列車などに利用されている。

高度経済成長の始まった1950年代には、まだ航空機は高嶺の花で、長距離移動も鉄道がまだまだ主役の時代であった。だからこそ、このような上等級専用列車が運用されていたとも言えよう。その流麗なスタイルと言い、戦前設計ながらも当時の最高レベルの客室装備を持ったHWZ客車は、1度是非見たかった車両である。こうして模型で手に入れられる幸せが唯一の救いだが、ドイツで乗ってみたい車両の1つであることは間違いない。
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ねこあたま

25年近く前の話なので、自信はありませんが
Liliputが最初にカタログで呈示していたのはこちらの車種でした。
が、当時リバッロッシの製品とバッテングする事が判明したのか
あのような編成になったのではないかと、ある模型店の方が
話されていたことがあります。
by ねこあたま (2012-10-20 19:58) 

Akira

おはようございます、ねこあたまさん。

リバロッシのモデルは手元に写真があります。こちらはメルクリンと同じ仕様ですね。Liliputモデルは1度見てみたいです。
by Akira (2012-10-21 08:55) 

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