氷河急行に乗りたくて...(その1) [欧州鉄道]
▲ スイスパス。スイスらしい素敵な赤いパスケースに入れてくれる。使用期間は経年変化で文字が消えてしまっている..。
1991年春にミュンヘンのDBデザインセンターでインターンシップを受けている時、休日にクルマで菜の花の美しいアルゴイ地方やボーデン湖経由でスイスのルツェルン、そしてゴッタルド峠を登ってアンデルマット、更には当時のFO(Furkaoberalbbahn)沿線のSedrunへとドライヴした。まだ雪の残り、寒かったゴッタルド峠の上であるが、その雄大で美しい景色に魅せられ、暖かくなってから再び訪れることを誓ったのである。ただ、次回はそこで見た真っ赤で可愛らしい氷河急行に是非乗りたいという思いが益々強くなったのは確かである。
そこで、インターンシップも終了し、再びカールスルーエへ戻って夏休み入った8月に計画を立てた。この時、やはり普通の旅行にはしたくないという気持ちもあって、途中迄クルマで行きそこから氷河急行に乗って行こうということにした。つまりこの時の旅行目的は、「氷河急行に乗車する」ということである。
▲ カールスルーエ駅で発券してもらった氷河急行の座席指定券
まず、スイスのみ鉄道旅行をするのでスイスパス(上画像)をゲットし、氷河急行を運営するFOだったかに電話をして座席予約をしたのであろうが、良く憶えていない。憶えているのは、電話をした時、座席指定の他に食堂車の予約が必要かどうか聞かれたのだが、そのドイツ語がまさにスイス訛りで驚いたのが印象深かったからである。食堂車の予約など初めての経験なので予想していなかったこともあるし、そのスイス語を理解する迄、電話口でその言葉の意味を理解するのに5秒ぐらい時間が掛かったからである。
しかし、無事に電話での予約ができ、(おそらく)座席指定のための番号を貰って近所のカールスルーエ駅で発券してもらったのが上画像のチケットである。(観光列車の氷河急行でも他の列車のチケットと全く変わらない)
▲ BLSの自動車輸送チケット。価格はどうやら利用人数ではなく自動車のサイズと台数で計算するようである。
さて、クルマで氷河急行の駅迄行く事にしたのは、一つ考えもあったからである。それは一度クルマに乗って鉄道旅行を体験してみたかったからである。つまり、途中スイスのBLS鉄道のLötschberg峠が自動車の鉄道輸送をしているからで、1度この自動車輸送列車に乗ってみたかったからである。
カールスルーエからはアウトバーン5号線(A5)に乗り、Basel経由でスイスに入国し、Bern、Spiezでアウトバーンを降りKanderstegへと向かう。道路はここまでしかなく、この駅からBLSの自動車輸送列車がBrig迄走っている。
▲ 車外へ出て撮影。画像のクルマは、通学用に初めてドイツで買った中古の赤いゴルフII。後部窓右下のステッカーは「I marklin」!
Kandersteg駅でクルマごと乗車するのは初めてのことでもあったのでテンションは上がり、本当は乗車したら車外に出てはいけないのに出たりして記念写真迄撮るようなことをしてしまっているが、良い子の皆さんは控えましょう。列車が走り出して外へ投げ出されても自己責任でしょう...きっと。
そしてクルマに乗ったまま列車に乗るという、ちょっとおかしな感覚であったが、クルマの窓を通して見るLötschberg峠の眼下に広がる美しい景色は、今も瞼に焼き付いている程感動モノである。
そして氷河急行の途中駅であるFO/BVZのBrig駅に無事私達とクルマは到着したのである。
僕も2006年にスイスに会議に行った時に,ビルン,ルッツェン,エンメンタール,グリュエールに行きました.高山列車はインターラーケンオストから乗り山を登りました.すごい経験でした.今考えれば氷河急行も経験すべきでしたね.多分僕の乗った列車はアプト式だったと思います.ブログの続き楽しみにしております.
by darkhorse (2011-06-06 19:43)
こんばんは、darkhorseさん。
エメンタールやグリュエールなどチーズの名前ばかりでヨダレが出そうですが、それも羨ましいです。インターラーケンからの登山列車と言えば、グリンデルドワルド方面へ行くBOBでしょうか?
グリンデルワルドもお気に入りに場所の1つで、カールスルーエに居た頃は複数回訪れました。ここから見るアイガーの北壁は筆舌に尽くし難い美しさです。
by Akira (2011-06-06 19:55)
こんばんは
鉄道旅行に加えてドライブ・ツーリング好きの私にとってアルプス一帯は憧れの地です.
フルカ,オーバーアルプ,ゴッタルド,ベルニナ…
自らステアリングを握って越えてみたい峠がいくつもあります.
でも,それ以上に,レッチュベルク越えのアウトツークを体験してみたいです.
ローヌ河谷を望む南斜面は勝手に「世界三大車窓」に入ると思いこんでいます.
基底トンネルが開通した現在でも,アウトツークは旧トンネル経由なのでしょうか.
by 深山苧環 (2011-06-06 23:00)
おはようございます
車運車に自動車を載せて、人は客車へ、というスタイルと思って読んでいたので、びっくりしました。
車がそのまま座席になるんですね。
日本では経験できないことを海外で経験するのって大好きです。
by Gut (2011-06-07 07:52)
おはようございます。コメントありがとうございます。
>深山苧環さん
クルマを使ってのアルプスの峠越えは、ドイツ滞在中に幾つか経験しましたが、今回記したレッチュベルク峠や目的地がアルプスの上にあるゴッタルド峠の他にイタリアへ抜けるサンクトベルンハルド峠も面白かったです。スイス側から入って山頂に着くと天気も景色も民族も変わるのですからね。
ただ、アルプスのドライヴは、アップダウンも多いので意外にガスを食います。山中なのでスタンドがあまり多くはないのでガス欠にならぬよう注意が必要でしょうか。
レッチュベルク峠の自動車積載列車は今もしっかり運行されているようです。
> Gutさん
この列車は本当に気軽です。もちろん予約など不要ですし、短距離フェリーに乗るような感覚です。ただ、フェリーと違って駐車場所に幅がなく無蓋車に乗っているのと同じなので走行中に車外に出るのはとても危険です。それだけは忘れぬよう..。
by Akira (2011-06-07 09:00)
こんにちは。初めてコメント入れさせていただきます。
Kandersteg-Goppenstein の自動車輸送列車、数年前に私も利用したことがあります。
トンネルに入ると、乗っている車の中も真っ暗になったことと、
トンネルが小さめなためか、速度のためか、結構スリルがあったことを印象深く覚えています。バイクの人はどうするんでしょうね?
日本でも青函トンネルなどで同様のことをやれば、それなりに需要があるような気がするのですが、そうでもないのですかね。
by JYAMADA (2011-06-07 20:06)
こんばんは、J.Yamadaさん。Spielkisteへようこそ。
ドイツからのコメントありがとうございます。
私は最初訳が分からず車外に出ていたら急に出発して振り落とされそうになり、急いで車内に逃げ込みました。(^^; スリル満点です。
バイクは確か最前列に停めて、機関車の次位の客車に乗れたような...。この車運車はバスも乗れますものね。
青函トンネルは、新幹線共用に向けて標準軌での貨物列車の運行が研究されているみたいですが、その中で自動車輸送も可能になるかも知れませんね。ドーバートンネル列車みたいな感じ?
by Akira (2011-06-07 21:20)
ヴェンゲルン・アルプ鉄道だと思います.途中でおりて登山し,クライネ・シャイデック駅まで行きました.その後,また,列車で降りてバスで移動してロザーヌで食事したと思います.フリーボーにいたので.
by darkhorse (2011-06-07 21:21)
darkhorseさん、こんばんは。
クライネシャイデックは、グリンデルワルドとヴェンゲンからの2方向から来るようですね。私はヴェンゲンからの路線には乗った事がないです。何だかあの雄大で美しい光景を思い出してしまいました。
また行きたいですね〜。
by Akira (2011-06-07 22:07)
久々に書き込みます。ご無沙汰しております。以前の名前を忘れてしまいました。
氷河急行いいですね~。私も満喫しました。
http://celloan.exblog.jp/6918914/
「戦前製のRhB食堂車、ノスタルジックなインテリア」に乗車されたのですね。羨ましいです。私の時は、味気ないビッフェ新車でした。
他に世界遺産のベルニナ急行も超お奨めです。その路線風景には感動しました!
http://celloan.exblog.jp/6978048/
もう一度生まれ変われるなら、本気でRhBに就職したいです。
http://celloan.exblog.jp/7072524/
今は海外旅行に行く余裕はないので、スーパービュー踊り子の模型車両を赤く塗り替え、ベルニナ急行の模型レイアウトを造るのが夢です・・・。
失礼しました。
by 熊本産交 (2011-06-28 12:37)
こんにちは、熊本産交さん。
ご無沙汰いたしておりました。お変わりないようで嬉しいです♪
HNは変わってもすぐに理解出来ましたので問題ないです。
私は新しい氷河急行の車両に乗っていないので良し悪しはわかりませんが、今のプルマンタイプは、食堂車まで行かなくても良いのでラクチンだと思います。
ベルニナ急行は、まだ乗っていませんが、いつの日か..と狙っております。昨年世界遺産にも登録されましたしね。
リンクの日記を拝見しました。ChurのRhB本社は立派ですね。しかもスイスらしい。模型はいつか是非H0mで再現してください。
by Akira (2011-06-28 13:39)