SSブログ

43858 DB Avmz 111.0 (109) / Ep.IV [Maerklin-Reisezugwagen]

b14501.jpg

先日、昨年の新製品であるIC "van Beethoven" セット(43858)がようやく手元に届いたので、この中から1等区分室車(Avmz 111.0)を紹介してみたい。

b14463.jpg
▲ 区分室側

b14464.jpg
▲ 廊下側

このセットを見て、最初に気づくのはこの区分室客車が丸屋根のGruppe-62形の第1グループに属していることである。青/クリームのF-Zug仕様では、そのほとんどが丸屋根であるが、1980年代にもなると切妻屋根の同形客車が大勢を占めているので珍しい。先に当ブログでも紹介した単品の同形モデル(43851)は、切妻屋根のAvmz 111.2である。

b14465.jpg

もう1つ気づいたのは、透明樹脂の側面窓である。今回のモデルでは、窓が茶色がかっていて実車同様の金色反射されている雰囲気が出ている。(トイレの窓が裏から白色塗装されているので茶色がかった樹脂色がわかる)この窓処理により白色LEDの室内照明を付けても車外からは黄色がかった色味の光が漏れて来るはずで実車と同じ雰囲気が味わえるはず?である。
残念に感じたのは出入口扉下のステップである。多くの客車は200Km/h対応工事時にステップも折りたたみ式になったと思うのであるが..。

b14466.jpg

TEE時代からIC時代へと移る70年代後半から80年代に掛けて、ドイツの幹線はスピードアップのための路線改良を順次施しており、IC時代には最高速度制限が160km/hから200Km/hに引き上げられた区間が多くなった。それに対応する機関車はもちろんDBの花形電気機関車103.1形である。多くのICやEC列車は103形機関車が牽引し、DBのICと言えば103.1形電気機関車とGruppe-62系列の客車のイメージとなったのは、欧州鉄であれば誰もが知るところである。

200Km/hの最高速度に引き上げられるのは路線だけでなく160Km/h仕様であった同客車も順次200Km/h対応に改造されている。この客車ももちろん同様で、改造は主に台車である。横揺れ防止装置であるヨーダンパや電磁吸着ブレーキ、ディスクブレーキを備えた客車は走行と制動に於いて200Km/h走行を許可されているが、このモデルもヨーダンパと電磁吸着ブレーキをMD台車にみる事ができる。

b14467.jpg

車体中央にDBマークを配し、その下にUIC表記の車体番号、そして形式番号が印刷されている。印刷精度は、精細で最高水準と言えるもの。ここに印刷されている「61 80 19-94 041-9」は、手元の資料によれば1965年4月22日にWMD社にてAv4üm-62(10 433)として落成。1980年4月30日に改造の上、現番号に改番。現在、廃車されているかは不明。
*このモデルは、[00776-07 / 61 80 19-80 111-6]と実車が同じ車両であるのは興味深いところである。

b14468.jpg
▲ RICラスターは200Km/hの最高速度許可と単電源仕様であることが表記

b14469.jpg
▲ REV表記は1985年4月10日

各種表記は、実車に基づいた表記のようである。誤りは見つけられなかった。昨今のメルクリンの実車検証の精緻さが出ている。

b14470.jpg
▲ サボの表記は「IC511」の南行きである。

サボは、43851では車体の左右出入口扉両側脇に印刷されていたが、このモデルでは、実車同様車体右側出入口扉脇のみの印刷となった。

b14471.jpg

妻部分である。丸屋根の同形車両は珍しく、こうして妻部分からの視点で見るとUIC-X客車のTEE色のようである。
私が初めてドイツの地を踏みDBの列車に乗ったのは1986年であるから、この時代のIC列車はまさにその当時と同じ。早く編成にしてレイアウトで走らせ当時の思い出を蘇らせたいものである。

最後にYouTubeでアップされている1980年当時のDBのプロモーションフィルムを下に記しておく。
http://www.youtube.com/watch?v=HyVmPY2k3rc

参考文献:"WAGEN" Das Archiv der Deutschen Reisezug- und Güterwagen / GeraNova Verlag

参考サイト:IC-Schnellzugwagen-Set. / メルクリンドイツサイト
http://www.maerklin.de/de/service/suche/details.html?page=&perpage=10&level1=2341&level2=2346&art_nr=43858&search=1&era=0&gaugechoice=0&groupchoice=0&subgroupchoice=0&catalogue=0&features=0&searchtext=van+Beethoven&backlink=%2Fwww.maerklin.de%2Fde%2Fservice%2Fsuche%2Fproduktsuche.html
nice!(6)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 6

コメント 4

klaviermusik-koba

03最盛期、1980年代の客車列車の一番面白い時代のものでしょうね。このvan Beethovenについては私はよく知らないのですが、こうして分割して販売されているところを見ると実際はかなり長大な編成だったのでしょう。もういまは新線が開通してICEになっていて、van Beethovenの列車名もなくなっているのでしょうか。KölnーBonnを走ってこそこの列車名の意味もあろうというものですから。

でもこのフル編成をお持ちになれるのはうらやましいです。
by klaviermusik-koba (2011-06-21 11:11) 

Akira

こんにちは、kobaさん。

DBのフィルムでもわかるように、10両程度の組成となるはずですが、メルクリンでは8両編成ですね。
拙ブログでも以下記事で組成表作成を試してみました。
http://maerklin-kiste.blog.so-net.ne.jp/2011-03-07
私はこの8両に1/100のAvmz 207を連結させてみたいです。)合うかどうか?ですが...。

IC "van Beethoven"も今はICE化されているでしょうし愛称も無くなって番号になったと思われます。若干の列車は未だに愛称が残っているのですが...。

メルクリンドイツのサイトを見ると、この客車群のうち1等車(単品+セット)は生産完了のようですが、2等車はまだメーカー在庫がありますね。フル編成は楽しいですが、問題はレイアウトですね。
by Akira (2011-06-21 12:53) 

BOAC VC10

「赤と青は1対2」で10両編成以上、かっこいいですよね。
(1等1両、2等数両で支線への分割編成というのもありです)

赤裾、台車のヨーダンパ、折りたたみステップ、左側サボケースの撤去は、
'70年後半から併行して進められましたが、必ず同時とういわけでなく、
赤裾で固定式のステップ、黒裾でヨーダンパ付など、たまに見かけます。
by BOAC VC10 (2011-07-02 10:29) 

Akira

こんばんは、BOAC VC10さん。

今日は弾丸日帰りで京都に行ってご先祖様の供養してきました。
さて、赤裾TEEカラーは、色々な仕様があるみたいですね。メルクリンのモデルも今回は折りたたみでないステップと敢えてカタログに記されていました。やはりInterCityは長編成が「らしくて」良いですね。
by Akira (2011-07-02 21:21) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0