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43922 DB Bm 235 / Ep.IV [Maerklin-Reisezugwagen]

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▲ 区分室側

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▲ 通路側

昨年の新製品であるメルクリンのIC "van Beethoven"シリーズは、2つのセットと2つの単品の合計4種8両で成り立っている。TRIXからもおそらく異なる車両番号で同じ形式の8両がリリースされている。
今迄は赤裾TEE色の1等車と食堂車を紹介したので、今回はこの中から2等区分室客車(Bm 235)の単品モデル(43922)を紹介したい。

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▲ 出入口扉の窓枠は実車に倣って黒色塗装が施されているが、窓中央の横桟は不要である。

このモデルは、今迄何度も紹介しているUIC-Xである。全長24,6m、12室の6人用区分室、2つのWCからなる1980年代迄のドイツの標準的な長距離向け客車である。1960年代から製造され続け、各種リニューアルを受けながら現在でもIC列車での運用に就く程長い寿命を誇っている優秀な客車でもある。

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この車両Bm235の重要な部分は、横揺れ防止装置であるヨーダンパ、電磁吸着ブレーキ付MD台車、そしてKlappbare Trittstufe(折畳式ステップ)である。これらの改造により、許容最高速度を200Km/hに引き上げられている。メルクリンの27cmモデルでも同形式モデルがあったが、これらの違いは今迄無視されていただけに28,2cmになったことで大きな進歩であると言えよう。

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車体妻部分正面である。1等車同様車体左側尾灯下に文字列が見える。

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▲ 上画像下が尾灯点灯中

この単品モデルは、唯一の尾灯付きである。実車の編成が10両編成なので単品で追加出来るようになっていると思ったが、尾灯付であることから販売価格の都合で単品なのであろう。できればBpmz 291(尾灯なし)の単品モデルが欲しいところである。

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サボは車体片側のみの掲示であるが、1等車と異なり車体右側という訳ではなく、区分室側は左側、廊下側は右側に掲げられている。残念なのはサボの印刷が1等車のようなサボケースが表現されているが、Bm235はホーロー看板を直接車体に掛けているタイプのはずである。

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車体中央には、DBマークとその下に形式表記が印刷されている。車体番号の「51 80 22-90 160-8」は、1977年3月2日にBerlinのWaggon Union社にてBm234として落成。数回の改造の後、1979年7月1日に同形式に改造+改番されている。現在廃車されているかは不明。

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▲ RICラスターは、200Km/h制限速度許可と航走許可、そして多電源仕様の表記である。

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▲ REV表記は、1985年4月10日である。

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折角なので、黒裾タルキスカラーのBüm234(43921)と並べてみた。裾色の塗装色や表記の違いの他、等級表記「2」の違いや窓枠色、台車、ステップの形状の違いなどが見える。等級表記の違いは、Ep.IVaとIVbの時期の違いからくるもの。

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車体裏を見るとステップの形状を変えた事から台枠全てが新金型によるものであることがわかる。床下機器も画像を見てわかるように若干の変更がされている。

Bm235形モデルは、私が考えていた以上に種車であるBüm234モデルとは異なる部分が少なからずあることがわかってきた。私自身も80年代後半に何度も乗った車両であるだけに、拘ったモデルづくりに嬉しい気持ちである。

参考文献:"WAGEN" Das Archiv der Deutschen Reisezug- und Güterwagen / GeraNova Verlag

参考サイト:IC-Schnellzugwagen. / メルクリンドイツサイト
http://www.maerklin.de/de/service/suche/details.html?page=&perpage=10&level1=2341&level2=2346&art_nr=43922&search=1&era=0&gaugechoice=0&groupchoice=0&subgroupchoice=0&catalogue=0&features=0&searchtext=van+Beethoven&backlink=%2Fwww.maerklin.de%2Fde%2Fservice%2Fsuche%2Fproduktsuche.html
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カゲノ

こんにちは。
サボの印刷表現ですがどうしても”平らなところに印刷してます”が分かってしまいますね。実物のサボケースやサボ板は凸凹があるので”影”を印刷でつけてくれればもう少し見栄えがよくなりそうと思ってしまいます。

ちなみにSBB ”Roter Pfeil” (37866)では、実物は切り抜き文字であるロゴ(”SBB-CFF”や等級”2”など)に対し、印刷で影をつけて表現している前例があるのでおかしくはないのではと個人的には思ってます。
(以下の動画の3:01付近で等級”2”を印刷により立体表現している映像が出ます。)
http://www.youtube.com/watch?v=fYS0G2F9KbE&list=PLF3037D13318C51EC
by カゲノ (2011-06-25 00:12) 

Akira

おはようございます、カゲノさん。

サボの表現は確かに難しいです。本来なら彫り込み表現か別付けが良いのでしょうが、つまるところコストの問題なので印刷表現になったのだと思います。で、影なんですが、これをつけると確かに立体感は出て来ますが、この判断は中々難しいのだと思います。YouTube映像のRoter Pfeilの印刷表現を確認しましたが、これも実車が立体文字の場合と実車も立体感を出すための表現として影付文字の場合があるので何とも言えないです。実車の方はネットで調べましたが確認できませんでした..。

個人的には、印刷でなく別付けにして欲しいと思うのですが...。
by Akira (2011-06-25 10:59) 

カゲノ

>実車も立体感を出すための表現として影付文字の場合
確かに実物もそういうのがありますね。フランスのSLなんかがそうですね。
http://www.flickr.com/photos/mark_vogel/2894010622/in/photostream/

Roter Pfeilの実物はどうだったか画像を探してみました。どうも時期や車両によってプレート切り抜き文字と通常の塗装(影無し)の場合があるようです。
通常の塗装による文字
http://www.drehscheibe-foren.de/foren/read.php?17,3788098,3788098

プレート切り抜き文字
http://www.flickr.com/photos/40826712@N00/3389776362/sizes/l/in/photostream/

話がずれてしまいましたが、やっぱり別付けとかで立体表現を期待したいですね。
by カゲノ (2011-06-25 12:20) 

Akira

こんにちは、カゲノさん。

色々お調べ頂きありがとうございます。
私も色々考えましたが、見える部分は実感的にするのがより良いと思います。コストを掛けるところとそうでなくても良い部分をバランス良く分けるのが良いのでしょう。そう言う意味ではサボの別パーツ化は是非にと思います。
by Akira (2011-06-25 13:35) 

klaviermusik-koba

写真から見る限り、尾灯はとてもよくしあがっていますね。昔から豆球付きの尾灯は時々ありましたがやはり実感という点でLEDにはかないませんから。これは素晴らしいと思います。こういう客車や貨車が少し増えてくれるとありがたいのですが。この客車、単体で買えるなら注文してみようかと思います。
by klaviermusik-koba (2011-06-25 14:33) 

Akira

こんにちは、kobaさん。

尾灯は28,2cmモデルになってからとても良いです。全ての客車は尾灯取付け準備が出来ていますのでどの客車も尾灯キット+集電シューを買うことで尾灯取付けができます。
この客車は尾灯が最初から付いていますので、追加する必要はないです。
by Akira (2011-06-25 17:34) 

BOAC VC10

このBm235、実物に無いサボケースだけでなく、
取り付け位置も廊下側・個室側によらず右側に揃っているのが、
普通なはずなのですが…。
(号車番号もこの時代は左右両方あるのが一般的でしょうか?)
あと、このセット全体に言えますが、
サボの列車名の赤字部分がやけに大きいような気も。

実物を見ていれば自然と判りそうですが、メルクリンの考証担当者が、
もうIC’79をリアルタイムで知らない世代になってきたのでしょうか。
他には問題は無いと思いますので、サボばかり痛恨ですね。
(折りたたみステップのカプラ-を避ける部分の処理はよくがんばりました)
by BOAC VC10 (2011-07-02 10:50) 

Akira

サボケースの印刷ミス?は、ご指摘の通りだと思います。設計している方も良くわかっていなかったのだと思います。機関車の検証はあれだけしっかりやっているのに、客車はあまり力を入れていなかったのかも知れません。台車やステップがしっかり検証されていただけに残念です。
by Akira (2011-07-02 21:24) 

DB103

 いつも大変お世話になっております。

 さて、Bm235の記事ですが、大変興味深く読ませていただきました。

 それで、またまた質問がいくつかございます。

1)Bm235はBm234の200km/h改造に伴う台車変更だと思いますが、ヨーダンパー/電磁密着ブレーキ化改造の際に、車軸発電機はどうなったのでしょうか?

 ネット上で調べたのですが、記述を見つけることはできませんでした。
 また、この部分がわかる写真はほんの数枚しかなく、それも影になったり不鮮明で、いまいちはっきりしなかったのですが、室側の向かって左側の台車の左側にSilverlingeのような小型の発電機が取り付けられているものを見つけました。
 こちらで紹介されている43922と同じですね。
 ただし、同じ場所に発電機がない物もありました。
 さっぱりわかりません。

2)そもそもMD36は下記のような仕様があるように思いますが、正しいでしょうか?
 原型:ブレーキシュー付(クノールブレーキ?)
 160km/h仕様:ブレーキをディスク式に変更、ダンパーはコイル式のまま
 200km/h仕様:160km/h仕様台車に、電磁密着ブレーキ、ヨーダンパー取付、この際、コイルダンパーは撤去

3)車軸発電機は、どの段階でどうなったのでしょうか?

 いつもいつもお聞きするばかりで、本当に申し訳ありません。
 もしよろしければご教授いただけましたら幸いに存じます。

 実は当方、ROCOのUIC-Xをかなり所有しておりますが、この製品はフルスケールでよくできていると思われますが、残念ながら、台車周りの解釈がいい加減なのです。
 実際、1990年に発売されたBm234タルキスなどは、200km/h標記、折り畳みステップ、電磁密着ブレーキ(Bm235)でありながら、旧型車軸発電機、コイルダンパー装備です。
 その後出た製品に関しても、曲線通過の関係からヨーダンパー基部が再現されていないので、何とも中途半端な感じです。
 
 以前も記しましたが、どうも向こうの方は、客車とか台車には全く興味がないようで、いろいろネット上を探しましたが、参考になるようなものはほとんどありませんでした。
 少なくとも模型でLこのあたりがきちんと再現されているのはADEだけですが、こちらはまず入手できませんし。

 毎々申し訳ありません。
by DB103 (2015-02-22 12:09) 

Akira

こんばんは、DB103さん。

1)車軸発電機ですが、手元の資料で調べたところBm235の車軸発電機についての記述が見つかりませんでした。ヨーダンパをつけたことで車軸発電機は無くなったか(車輪の内側など)別の場所に移されたのかも知れません。(未確認なのでどなたかご存知の方は是非教えてください)

2)MD36台車ですが、ディスクブレーキと電磁吸着ブレーキはKnorr社製ですね。台車バネは、最後までコイル式だと思います。(1次サスペンションは各車輪にコイルばねが装着、2次サスペンションは台車ごとにコイルばねが2つ装着されているとあります)

3)1)で説明したとおりです。

あまり答えになっていないようで申し訳ないです。
by Akira (2015-02-24 22:14) 

DB103

>Akira様

 情報ありがとうございました。
 なるほど、車軸発電機については難しいのですね。
 日本型ですとこういうのにこだわっている方って結構いらっしゃいますが、ドイツでは居ないのでしょうね。

 それとすいません。
 私が触れたのは台車バネではなく、台車横についているダンパー?のことでした。
 分りにくい表現で申し訳ありませんでした。

 
 それでその後、例のDrehescheibeのForumで、面白い写真を見つけました。

http://www.drehscheibe-online.de/foren/read.php?17,5511496,page=all

 この1978年12月17日撮影の写真には、UIC-Xが多数写っておりますが、これを見ますと、緑色のBm234で、ディスクブレーキ、折り畳みステップ、小型発電機、電磁密着ブレーキなしの車(160km/h?)が複数確認できました。
 その一方、グループ53のBm232、Am202はブレーキシュー、大型発電機ですね。
 また、ARmz211は黒裾、SPEISERAUM標記、1等赤文字ですが、ヨーダンパー付となっています。

 私的には驚きの連続でしたが、何よりも緑/青とTEEが混じった編成にはびっくりしました。
 と同時に、1978年にはヨーダンパー付になっていたのですね。

 このあたりDBの客車は本当に奥が深いです。

 今後ともどうかご指導いただきますよう、よろしくお願い致します。
by DB103 (2015-02-27 22:02) 

Akira

こんばんは、DB103さん。

Drehscheibe-OnlineのForum記事拝見させていただきました。70年代は、1つの列車に新旧さまざまな客車が混ざっていて、とても興味深いです。編成美というにはほど遠いでしょうが、模型で再現するには楽しいですね。確か当時はドイツでも向い獅子マークのCIWL食堂車が組成されているD-Zugなどもあったりして、ヨーロッパの醍醐味みたいなものを感じました。

ヨーダンパについては、TEE用62系列客車では200Km/h対応の時に装着されたように思いますが、211形は後に製造された合造車なので最初からヨーダンパ付きかも知れませんね。TEEカラーでもD-Zugの運用に入るあたり、客車ならではで、こだわりがなくて面白いと個人的には思いました。
by Akira (2015-03-04 21:54) 

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