43927 DB Bpmz 291.2 / Ep.IV [Maerklin-Reisezugwagen]
IC "van Beethoven"モデル最後の1両、かつ、これらセットの中で唯一の新金型モデルであるBpmz 291.2を紹介したい。
▲ 洗面所側
▲ 非洗面所側
新金型でリリースされた新しいBpmzは、まさに全長28,2cmの長所を余すところなく使い、実車のイメージが表現されたモデルと言えよう。その長い車体とスカート迄Ozeanblau(海洋青?)色で塗装された車体のダイナミズムは、26,4cmモデルでは表現しきれない。
この2等開放室客車は、実車が登場したときエポックメーキングな出来事でもあった。2等座席車初のエアコン付200Km/h対応客車で、ハード面では当時のDBの技術の粋を集めた客車であったからである。ソフト面でも2等車では初めての1.400mm幅を持つ大型窓を通して非常に明るく開放的な室内で快適さを誇っていた。(Bm 234/235の窓幅は1.200mm)
私もIC列車を使う時は必ずこの客車を利用したものである。室内の色彩は、おそらくドイツの春の風景を象徴する菜の花と新緑のカラーイメージと推察出来る黄色と黄緑色のシートモケット、黄色の側壁面、茶色の荷棚、壁面である。今となっては1970年代の流行を彷彿とさせる古いイメージであるが、当時は非常に画期的な色使いであったように思う。
▲ 窓幅が広くなり、印象が実車に近づいた出入口扉
それまでのUIC-Xの折戸からSchwenkschiebetür(プラグドア)に代わり、ボタン(グリップ)を掴むことで自動的に開閉が出来るようになった乗降口扉と格納式ステップなど、全てが新しい時代を感じさせた車両である。また、デザイン的な観点からみてもUIC-Xに劣らぬ自然な造形で、良い意味での進化を感じさせる車両である。
台車は、当時の最新であったMD52形。空気バネなどは付いていないが、その高速走行安定性や静粛性は抜群で後のICE1にも繋がった台車である。因にBpmz 292.0とBpmz 292.1の試作車18両はWegmann社開発のLD73形台車を履いている。
形式はBpmz 291.2 で車体番号は「61 80 20-94 168-7」である。この車体番号を持つ実車は、1983年11月2日にLHB社で製造。後にBpmz 294.4に改造された。
Bpmz 291は、.0と.1が試作車の単電源と多電源仕様。.2、.4、.6は量産形単電源仕様。.3と.5は量産形多電源仕様である。
▲ RICラスターは、200 km/h最高速度許可、航走許可。そして単電源仕様である。
▲ REV表記は、1984年10月23日である。
サボ受けに挿入されたサボが印刷で再現されている。このサボも後にLEDタイプに変更されているので彫り込まれていないのかも知れない。(それとも他のモデルに合わせて印刷になったのかも)
▲ Bpmz 291はEUROFIMA-Wagenとは呼ばれていないが、EUROFIMAの信託を受けている。
車体妻部分を正面から見たところ。自動ドアの貫通扉が再現されている。
▲ 上が26,4cm、下が28,2cmモデル。
ここで、26,4cmモデル(4225)との比較を行いたい。このモデルは4225でも後期ロットのモデルである。初期ロットのモデルは、出入口扉のステーが別付けであったが、オーバースケールで見栄えが悪く後期ロットでは単なる出張りの表現になった。2つのモデルを並べてみると全長の差が歴然である。28,2cmモデルでも充分に実車の貫禄が表現されているが、これでもショートスケールなのである。
この2種のモデルは車端部だけを見る限り、さほどその違いを見つけることはできない。しかし、やはり28,2cmのモデルを目の前にすると、こちらのモデルが魅力的である。
すぐに気づく違いと言えば、出入口扉の窓形状とそのバランスや窓枠の色ぐらいであろうか。26,4cmのモデルは、窓枠も出入口扉窓枠もシルバーであるが、28,2cmモデルは、実車同様象牙色の車体色であり、出入口扉窓は黒色に塗り分けている。出入口扉窓の大きさやバランスも28,2cmモデルは、実車の印象に近い。
このBpmzは、DBには大量に在籍し、バリエーションも多い。このモデルの出来なら安心して今後のバリエーションの拡充にも期待出来るもの出来映えである。
4225がメルクリンからリリースされた時、同時に1等開放室客車のApmz 123もリリースされたが、今回はおそらくリリースされないであろう。大量に製造されたBpmzに比べ、Apmz 123は結局7両のみ製造されなかったにすぎなかったのである。この違いは、1等/2等の編成両数比の差もあるが、その前に開放室車のApmzは121/122と2形式も大量保有していたためと思われるからだ。2等車の開放室車が皆無であったことと正反対である。
ここで強く感じるのは、Bpmz 291の単品か2両ぐらいのセットやAvmz 207、Apmz 122など新しめの1等車もリリースして欲しいのである。Bpmzは編成に2両以上欲しいし、Avmz 207も少なからずIC列車に組成されていたからである。
それらが揃って、初めて正しいIC "van Beethoven"の編成が可能になると思うのである。
参考文献:"WAGEN" Das Archiv der Deutschen Reisezug- und Güterwagen / GeraNova Verlag
[EDIT] 2011-06-27 23:31
▲ 洗面所側
▲ 非洗面所側
新金型でリリースされた新しいBpmzは、まさに全長28,2cmの長所を余すところなく使い、実車のイメージが表現されたモデルと言えよう。その長い車体とスカート迄Ozeanblau(海洋青?)色で塗装された車体のダイナミズムは、26,4cmモデルでは表現しきれない。
この2等開放室客車は、実車が登場したときエポックメーキングな出来事でもあった。2等座席車初のエアコン付200Km/h対応客車で、ハード面では当時のDBの技術の粋を集めた客車であったからである。ソフト面でも2等車では初めての1.400mm幅を持つ大型窓を通して非常に明るく開放的な室内で快適さを誇っていた。(Bm 234/235の窓幅は1.200mm)
私もIC列車を使う時は必ずこの客車を利用したものである。室内の色彩は、おそらくドイツの春の風景を象徴する菜の花と新緑のカラーイメージと推察出来る黄色と黄緑色のシートモケット、黄色の側壁面、茶色の荷棚、壁面である。今となっては1970年代の流行を彷彿とさせる古いイメージであるが、当時は非常に画期的な色使いであったように思う。
▲ 窓幅が広くなり、印象が実車に近づいた出入口扉
それまでのUIC-Xの折戸からSchwenkschiebetür(プラグドア)に代わり、ボタン(グリップ)を掴むことで自動的に開閉が出来るようになった乗降口扉と格納式ステップなど、全てが新しい時代を感じさせた車両である。また、デザイン的な観点からみてもUIC-Xに劣らぬ自然な造形で、良い意味での進化を感じさせる車両である。
台車は、当時の最新であったMD52形。空気バネなどは付いていないが、その高速走行安定性や静粛性は抜群で後のICE1にも繋がった台車である。因にBpmz 292.0とBpmz 292.1の試作車18両はWegmann社開発のLD73形台車を履いている。
形式はBpmz 291.2 で車体番号は「61 80 20-94 168-7」である。この車体番号を持つ実車は、1983年11月2日にLHB社で製造。後にBpmz 294.4に改造された。
Bpmz 291は、.0と.1が試作車の単電源と多電源仕様。.2、.4、.6は量産形単電源仕様。.3と.5は量産形多電源仕様である。
▲ RICラスターは、200 km/h最高速度許可、航走許可。そして単電源仕様である。
▲ REV表記は、1984年10月23日である。
サボ受けに挿入されたサボが印刷で再現されている。このサボも後にLEDタイプに変更されているので彫り込まれていないのかも知れない。(それとも他のモデルに合わせて印刷になったのかも)
▲ Bpmz 291はEUROFIMA-Wagenとは呼ばれていないが、EUROFIMAの信託を受けている。
車体妻部分を正面から見たところ。自動ドアの貫通扉が再現されている。
▲ 上が26,4cm、下が28,2cmモデル。
ここで、26,4cmモデル(4225)との比較を行いたい。このモデルは4225でも後期ロットのモデルである。初期ロットのモデルは、出入口扉のステーが別付けであったが、オーバースケールで見栄えが悪く後期ロットでは単なる出張りの表現になった。2つのモデルを並べてみると全長の差が歴然である。28,2cmモデルでも充分に実車の貫禄が表現されているが、これでもショートスケールなのである。
この2種のモデルは車端部だけを見る限り、さほどその違いを見つけることはできない。しかし、やはり28,2cmのモデルを目の前にすると、こちらのモデルが魅力的である。
すぐに気づく違いと言えば、出入口扉の窓形状とそのバランスや窓枠の色ぐらいであろうか。26,4cmのモデルは、窓枠も出入口扉窓枠もシルバーであるが、28,2cmモデルは、実車同様象牙色の車体色であり、出入口扉窓は黒色に塗り分けている。出入口扉窓の大きさやバランスも28,2cmモデルは、実車の印象に近い。
このBpmzは、DBには大量に在籍し、バリエーションも多い。このモデルの出来なら安心して今後のバリエーションの拡充にも期待出来るもの出来映えである。
4225がメルクリンからリリースされた時、同時に1等開放室客車のApmz 123もリリースされたが、今回はおそらくリリースされないであろう。大量に製造されたBpmzに比べ、Apmz 123は結局7両のみ製造されなかったにすぎなかったのである。この違いは、1等/2等の編成両数比の差もあるが、その前に開放室車のApmzは121/122と2形式も大量保有していたためと思われるからだ。2等車の開放室車が皆無であったことと正反対である。
ここで強く感じるのは、Bpmz 291の単品か2両ぐらいのセットやAvmz 207、Apmz 122など新しめの1等車もリリースして欲しいのである。Bpmzは編成に2両以上欲しいし、Avmz 207も少なからずIC列車に組成されていたからである。
それらが揃って、初めて正しいIC "van Beethoven"の編成が可能になると思うのである。
参考文献:"WAGEN" Das Archiv der Deutschen Reisezug- und Güterwagen / GeraNova Verlag
[EDIT] 2011-06-27 23:31
こんばんわ~
このセットに対応するTrixのセットは23481だと思いますが、このTrixのセットと43927の車体番号、号車番号は重複あるかどうかご存知でしょうか?
もしUIC-Xの時のように重複ないのなら、Trixのほうはまだ在庫あるので購入しようか検討しようかと検討しています^^;
by smokin (2014-12-08 00:32)
smokinさん、こんばんは。
これ、私も初めて気が付きました。T23481はメルクリンのセットと同じ仕様ですね。私も少し調べてみましたが、番号まではわかりませんでした。ただ、最近では違う番号を印刷することが多いので、期待されているような可能性はあると思います。どこかお店に置いてあれば確認できるのですが...。
あまりご期待に添えず申し訳ないです。
by Akira (2014-12-08 18:07)
こちらTrixの車体番号がわかりました。
結論から言うと残念ながらメルクリンモデルと全く同じ番号ですね^^;
というわけで今回は購入を見送ります。
実はTEEカラー:タルキスカラー混成、かつ比率が1:2前後になるような編成が好みでして、これを組みたいと考えていて調べていたのですが、今のところは2014年モデルのタルキスカラーモデルなどと組み合わせるのが良さそうですね。。。
P.S. EPⅢのUIC-XはTrix含めて全車両手に入れました
by smokin (2014-12-09 04:06)
smokinさん、おはようございます。
そうでしたか、残念。実際のIC編成は確かに1等+食堂車:2等車が1:2ぐらいですね。かなりの長編成になるので私も遊ぶときは適当に減車させています。
TRIXのEp.IIIのUIC-X全てお持ちとは..。FSの282mmモデルもお持ちですか? これは屋根形状もちゃんと実車に忠実で私も欲しかったのですが、手が出せず...。
by Akira (2014-12-10 09:50)
Akiraさん、すいません誤解させるような表現をしてしまいました(汗
TRIXのUIC-Xの話はM43910&M29010やT23400の編成の話をしていました^^;
他のセットなどは手をだしていませんので、Akiraさん同様、こちらと黒裾タルキスなどが所有しているUIC-Xですね。
休止中に買い逃したのはほぼ手に入れたのですが、00775だけは中々手に入りません(汗
by smokin (2014-12-12 02:48)
こんばんは、smokinさん。
あ、いや、こちらこそ失礼しました。私もUIC-Xは買い漏らしのないようにと気張っていましたが、今やスタートセットにも同梱されるようになり、ほぼ諦めております。
00776はコンプ(12両)で購入してしまいましたが、さすがに持ちきれず6両は譲ってしまいました。
by Akira (2014-12-12 20:33)