4247 DB Avmz 207 / Ep.IV [Maerklin-Reisezugwagen]
▲ 区分室側。区分室1室ごとに内開き窓が備わっている。
▲ 廊下側。
昨日迄昨年の新製品の28,2cmモデルのIC "van Beethoven"を紹介してきたが、その中で今後同じスケールでリリースが期待される26,4cmの1等区分室客車Avmz 207形モデルを当ブログで調べようと検索を掛けたところ、何と「..ない」のである。そこで、今回は、おそらくIC "van Beethoven"にも組成されたであろう、また均整の取れたEurofimawagenと呼ばれるDBの1等区分室客車モデル(4247)を紹介することにした。
このモデルは、1989年から1994年の6年間リリースされた。1980年から1988年にもレレックスカプラー仕様で4147として9年間もリリースされているので息の長いモデルの1つと言えよう。
このモデルの実車は、当時Eurofimaが西欧諸国の鉄道事業体向けに同じ車体と台車を持つ1等(A9)と2等客車(B11)2種を設計。ドイツの他、スイス、オーストリア、フランス、イタリア、ベルギーなど各国の鉄道事業体がこれを採用した経緯がある。これは共通の車体や台車を各国鉄道が発注することで単価を下げられるメリットが挙げられる。因にこの「A9」というのは1等車の「A」と9つの区分室を持つという意味の「9」を取って「A9」としている。同様に2等区分室車の「B11」は2等車の「B」と11室の区分室がその由来である。Avmz 207形は、もちろんEurofima A9である。(UICでは、これとは別に「UIC-Z1」と呼ばれている)
また、その際これの客車には統一した塗装色も用意され、もし違う国の客車同士が連結した場合でも、列車の編成美が保たれるよう留意された。これがオレンジ色の車体に窓下の白帯のユーロペン塗装である。SNCBやSBBなどでは、Eurofimawagen以外の食堂車などにもユーロペン塗装を施した客車も登場した。これは、EuroCityとして欧州国際路線用列車をEurofimawagenで走らせる構想に沿ったためと思われる。
一方、DBは、2等区分室車が車齢の比較的浅いBm 235を大量に保有しており、試作段階でEurofimawagenの元となるステンレス製の2等、1/2等合造区分室車などをLHB社と製造しているが、結局2等車は発注せず、国内線(IC)と国際線(EC)の運用も拘らなかったためか、Eurofimaの1等区分室車であるAvmz 207形を導入してもこのユーロペン塗装は採用せず、いわゆるTEE色で登場となった。これに続いたのがSNCFで、当初ユーロペン塗装の客車もあったが、早々に独自の コラーユ塗装に変更された。最後迄ユーロペン塗装が残ったのはSNCBであろうか。結局多国間鉄道事業体が同じ塗装の列車を走らせることは、もしかしたら若干はあったかも知れないが少なくともDBでは実現されなかったのである。
それ故、DBとしての統一感のある客車群の中で、このAvmz 207のみ空気バネの付いたFIAT製台車(Y 0270 S形)を履いているという異色の存在である。
このモデルの実車「61 80 19-90 567-7」は、1978年1月10日にLHB社にて落成。その後2度形式変更を受け1994年12月31日に廃車となっている。
▲ RICラスターは最高速度200Km/hの許可と単電源仕様の表記が印刷されている
▲ REV表記は、1988年7月14日である。
車端部正面の画像である。尾灯は26,4cmモデルのため彫り込みのみで表現されている。私はそこで尾灯ケースをシルバーに、また尾灯を赤で塗装した。尾灯にはいくつかの種類があり、このAvmz 207は尾灯レンズ押さえにステンレスの枠が奢られている。これが細い黒色Hゴムを使われているものもあるが、私はステンレス枠の尾灯が好きである。
このAvmz 207形は、各国共通設計なので模型メーカーとしても美味しいモデルであると言えよう。実際にメルクリンからは多くのバリエーションがリリースされている。今年の新製品にあるÖBBの客車セットも再リリースされる。今のところは26,4cmモデルのみであるが、28,2cmのモデルも少しづつ新しいモデルが登場しているので、近いうちにこのAvmz 207形(Eurofima A9)も兄弟車であるEurofima B11と共に登場されるのを期待してしまうのである。そうすれば、1980年代のIC列車もごく自然な編成を組めるからである。
参考文献:"WAGEN" Das Archiv der Deutschen Reisezug- und Güterwagen / GeraNova Verlag
連投で申し訳ありません。
この赤裾207、自分でメルクリンを買えるようになった時にはカタログ落ち、
就職して数年後、ベルギーのアントワープの模型屋さんで見つけて、
喜々として買って帰った思い出があります。
普通のIC’79の編成だけでなく、2等タルキス多め1等中間のFDとか、
SNCFのコライユ、OeBBのユーロフィマとの混成等重宝しています。
さて、台車のベアリング部分のモールドが潰れているのが、
うちのだけではなかったのは喜ぶべきか哀しむべきか…?
by BOAC VC10 (2011-07-02 11:12)
いえいえ、どんどん投稿してください。
私もこのモデルをゲットした時は嬉しかったです。実車も好きなので余計嬉しかったりします。
台車のモールド潰れは、初めて気づきました。気にされないのが良かろうと思います。
by Akira (2011-07-02 21:28)