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37925 DB 042 096-8 / Ep.IV [Maerklin-Lok]

今年の新製品で気になっていたモデルの1つである042形がリリースされたようである。残念ながら私自身は、このモデルをゲット出来る経済的余力がなく注文出来ずに居るのだが...、ドイツのフルダ模型クラブでは、早速YouTubeにこのモデルの動画を配信しインプレッションを述べている。(以下参照)

http://www.youtube.com/watch?v=Lxv8-jGD79M

この動画を見るとすぐに理解出来るのだが、昨年のインサイダーモデルBR 03.10(37915)と同様の新型ボイラを持つモデルで、それは独特の前照灯下部2灯の取付け位置ですぐに気ずく。
ここで最初に断っておく必要があるのは、戦前から終戦直後に設計製造されたBR 42と呼ばれる機関車があるが、これはこのBR 042とは別物である。BR 42と言えば、メルクリンからもリリースされたFranco Crosti形余熱ボイラを持つ独特の形状の機関車(BR 42.90)を思い出すが、これは戦前BR 52から改造された機関車であり、今回紹介しているBR 042とは別物である。

で、この042形の実車なのであるが、DBに102両あった41形機関車は1957年から61年に掛けてBR03.10形と同じ新型ボイラに載せかえられ、そのうち40両は1958年から61年の間に重油焚きとして大改造を受けている。(石炭焚きは041形)
少しややこしいが、このような経緯で、042形は42形とは無関係で、1968年のUIC表記化以前は41形のままであり、その後は石炭焚きを041形、重油焚きを042形と表記されることとなったのである。

元々41形は、急行貨物機として開発された機関車だが、動輪直径は1.600mmで最高速度は90Km/hであり、(性能的には100Km/hも可能)その優れた汎用性から、貨物だけではなくほぼドイツ全土で中量級の旅客列車の牽引機としても活躍した。以前、41形モデル(37921)の記事でも記したのであるが、日本で言えば、D51のような役割を担っていたのかもしれない。また03形と比較されることも多いのだが、4軸の連動軸のため、パシフィック機である旅客専用の03形よりも始走時の牽引力が優れているとある。

こうした経緯を見ていると、41形(041形/042形)は戦後西ドイツの汎用機関車として活躍した機関車の1つであるが、1969年には8両あった石炭焚きの041形は既に全車休車状態で、36両の042形は全て現役とある。当時の西ドイツは南からの電化網の急速な発達と北の無煙化も著しかったことから、その後は急速に活躍の場は狭められて来たのであろう。実車画像は以下に見つけた。

http://www.78er.de/BIM/BIM1003/10032/10033/042096-rues-BwRheine-19760909-Holzborn-SW1230kl.jpg

メルクリンモデルは1972年仕様とある。表記では、やはり北ドイツのBD Münster(ミュンスター連邦鉄道管理局)、Bw Rheine(ライネ機関区)所属とある。画像などでは未確認であるが、UIC-XのD-Zugなども牽引していたことも考えられよう。意外にPopカラー客車との組み合わせも似合うのかも知れない。
もちろんサウンド付きmfxデコーダーで、警鐘も含めた03.10形とは少し異なる独特のサウンドやディテールが楽しめるモデルであろうか。我々の組むそれほど大きくない?レイアウトでも貨物列車も旅客列車も両方で活躍出来る042形モデルは、便利で使いやすいモデルとなろう。

個人的には、1958年から68年あたりのEp.IIIb仕様の新型ボイラ付き41形モデル(石炭/重油焚き両方)のリリースも期待したいところである。

参考文献:全盛時代のドイツ蒸気機関車 / 篠原正暎 / 誠文堂新光社

参考サイト:Freight Train Steam Locomotive with a Tender. / メルクリンドイツ(英語版)
http://www.maerklin.com/en/products/tools_downloads/product_database/details.html?lang=en&page=&perpage=10&level1=3945&level2=4035&artnr=37925&art_nr=37925&search=1&era=0&gaugechoice=0&groupchoice=0&subgroupchoice=0&catalogue=0&features=0&searchtext=&backlink=%2Fwww.maerklin.com%2Fen%2Fproducts%2Ftools_downloads%2Fproduct_database.html
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300B

こんにちは

YouTubeの映像を見ていてなんか違和感を感じるなあと思ったらクロスヘッドが赤いのですね。実車でもそうなのかな?

貨客両用で使えて重宝しそうなモデルですね(^^)
by 300B (2011-08-21 12:37) 

Akira

こんにちは、300Bさん。

私もそれに気づきました。今迄はグレーだったので、敢えて赤色にするというのは、やはり実車が赤かったのではないかと思われます。白黒写真ばかりなので、確認出来ていませんが...。
by Akira (2011-08-21 14:18) 

Akira

300Bさん。

ようやく赤いクロスヘッドの042形画像を見つけました。

http://www.eisenbahnfotograf.de/dbdampf/galerie042/i540218.JPG

この他、012形などでも赤色クロスヘッド付き機関車があるみたいです。もしかしたらこの時代の特徴かも知れませんね。 また以下にある良いサイトを見つけました。

http://www.78er.de/BIM/BIM1003/10032/10033/10033.html
by Akira (2011-08-21 18:34) 

300B

こんばんは

あ、実車でも赤色なんですね、有難うございます。
ちょっと墨入れした方が実感的になるかもしれませんね。
by 300B (2011-08-21 20:03) 

Akira

この機関車が配属されていたRheine機関区は、042形の他、012形、043形、044形などが集まっていたようですね。
70年代の画像はカラーも多いので赤色クロスヘッドも確認できました。ただ、当時も下回りの赤色が油で黒光りしていますねぇ。このウエザリングは再現してみたいと思うものの...出来なさそうです。


by Akira (2011-08-21 20:22) 

KDB

ご無沙汰してました。KDBです。
042型がいよいよ出荷されるのですか。これは楽しみです。Akiraさんが書かれているように、042型は元の41型のボイラー交換・近代化改造機のうち、オイル燃焼にした機関車で、元の42型は無関係です。42型は52型の拡大版でしたが、52型よりも出来が悪く早々に全廃されました。しかし52型のうち、フランコ・クロスティボイラーを乗せた2両が試作された際、重量が増加したので42型の系列と見なして、42-90型に改番されました。このあたり、込み入っていてよく間違えます。
クロスヘッドが赤く塗ってあった機関車は相当数あり、01にもありました。ただし、動画に出てくる製品は生々しいプラスチックの赤みたいなので、ウエザリングしたいですね。
by KDB (2011-08-22 21:02) 

Akira

KDBさん、こんばんは。

お久しぶりです。コメントありがとうございます。

42形と042形は、全く異なる機種であるということを理解するのに暫く時間が掛かりました。41形から041形(石炭)と042形(重油)になったのとは対照的に44形は043形(重油)、044形(石炭)という分け方になったのもややこしいです。

012形の赤いクロスヘッドも画像で見ましたが、今後メルクリンモデルでも出て来そうで楽しみです。
by Akira (2011-08-22 21:45) 

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