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晩秋のドイツ旅行(1) [Reise]

ずいぶんと長く更新が滞ってしまった。実は10/29から1週間程ドイツを旅していたこともあって、中々ブログも更新出来なかったのであるが、これから何回かに分けてブログに旅行記を記してゆきたいと思う。

10月29日からの旅行と言っても、今回の旅は羽田空港を午前1時過ぎに出発する深夜便なので実質28日から旅行は始まったと言っても良いかも知れない。
いつもはルフトハンザを使う私も今回ANAにした理由は、その約3週間程前にANAのマイレージクラブから届いたメールマガジンに記された「マイル残高のお知らせ」に今年末でほぼ私のマイル全てが消失してしまう予告を見たところから始まる。そのマイル残高は、ほぼエコノミークラスのヨーロッパ往復分である。

2週間近く色々と考えた末に予約をしたのが21日のこと。出発約1週間前である。マイルを消失してしまうのは悔しいし、10月から11月に掛けて、ちょっと寒いかも知れないが、晴れてくれればまだ黄金の秋を楽しめる季節である。大変お世話になって挨拶したい知人もいることなので、そこへの訪問も含めることで決めたのである。もちろんこのような機会がなければ行かなかったであろう。
また、今回はメルクリンは一切関わることがなく、全くの自由の旅でもある。

今回は、今迄何度も訪れたドイツではあるものの、そのプロセスについては初めてのことが多く、ワクワクさせるものでもある。ドイツに滞在していた時はクルマ移動が多かったが、今回は全て鉄道を始めとする公共交通機関であることも楽しみである。それは一人旅であるからでもある。家族での旅行だとどうしてもレンタカーを使う方が色々な意味で便利であるが、鉄道の旅は私にとって発見が多いはずである。

いつもなら午前4時台に起き(つまりほぼ寝ない)て成田空港へバスで行くのであるが、今回は深夜便なので前日の午後8時前に自宅を出発し新幹線で東京迄、そして品川迄東海道線、品川から京急で羽田空港へと行くルートにした。国内線を使って羽田空港を利用するときは、いつも浜松町からモノレールを使うが、今回これも初めてである。こういう風に一人旅は自分自身の都合でルート選択出来る自由があるのも嬉しいのである。

日曜日の夜の上り新幹線とは言え、流石に午後8時を過ぎた列車は空席が目立つ。東京駅で乗換えた東海道線電車も混んでいない。JRから品川駅乗換えは、コンコースがほぼ同じレヴェルなのでラクチンである。空港線直通列車も頻繁にやってくる。京急電車内には、空港行きだけあって少なからずの旅行用スーツケースを持った乗客も見掛ける。途中京急蒲田駅も既に高架化され、電車は真新しいホームを横目に空港線に向かう。この辺りの車窓風景は、私の知っている時代とは随分変わった。程なく地下に潜り羽田空港国際線ターミナル駅に到着。

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まるでお上りさんのように初めての羽田空港国際線のターミナルビルを眺めながら、両替や旅行保険の手続きをし、ANAカウンターに荷物を預ける。意外にも出発ロビーには、多くの人が居るのには驚いた。
真新しい空港の出発ロビーは、広大ではないが、天井は高くコンパクトに纏められていて悪くない。(上画像)出発ロビーの中2階にある江戸情緒を模した店舗が連なる街並(江戸小路)は、セットとは言え中々面白い。ただ、午後10時を廻った時刻では、数軒の飲食店が開店しているだけで、残念ながら深夜便の利用者には縁の薄い施設と感じた。欧州線では深夜便だけなので、利用者数を鑑みれば致し方ないのかも知れない。

チェックインはネットで済ませていたが、結局ここでパスポートを見せ、チケットを貰ったので手続き的にはあまり変わらないと感じた。但し、チェックイン機での手続きがなく、荷物預かりカウンターも空いていたので今迄のチェックインに比べて非常にスムースに手続き出来たのは良かった。更に座席確認の際、中央4列中程の座席から非常口横の座席に変更してくれたのはラッキーであった。何しろトイレなどで席を立つとき横の座席の人に迷惑を掛けずに済む上、シートピッチは前の座席がないので広々である。

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出国審査を通り、高級店が並ぶ免税店街を過ぎて搭乗待合ロビーへと進む。ここには、至る所に電源のついたパソコン台が並んでいる。更に登録さえすれば無料で利用できる無線LANインターネット回線を使うことが出来るのは嬉しい。
既に搭乗口横の窓の外には、これから乗るB787が荷物を載せながら待機している。(上画像)

暫くここで最後のメール確認やネットをしつつ時間を潰していると搭乗時刻になる。今夜の便は予定より少し遅れて出発とのアナウンスがある。理由は、風向きが良いためフランクフルト空港に早着してしまうため、到着時刻に合わせての遅らせるとのこと。フランクフルト空港には早朝5時25分着とのことで、これより早くは到着出来ないようである。羽田発が午前1時過ぎになってしまうのは、欧州着の時刻を早すぎてはまずいからだが、出発時刻としてはビミョーだと思う。

先に上級カード会員、ビジネスクラス乗客からの搭乗はいつもの通りであるが、B787-8の搭乗旅客数が少ないためか、エコノミークラスであってもさほど並ばずに搭乗できた。機内のインテリアは新しいだけあってLEDによる照明のエフェクトや各種サイン類のピクトグラムなど悪くない。一方で非常口横に座ったとき目前に広がる真四角のトイレキャビンと柔らかな円弧で構成される天井やハットラックの造形の整合性が取られておらず、場所によって視覚的には特に上出来ではないとも感じた。

搭乗して暫くすると、静かに機体が押されている感覚があり、斜め後ろに少しだけ見える窓がら外を眺めると既に出発している。その後エンジン回転音が高くなり滑走路迄のタキシングが始まる。最新鋭機材だから静かであるかどうかなど気にも留めなかったが、実際の差異は特に感じられなかった。程なく離陸となりどんどん高度は上がるものの、非常口横は窓がないので東京の夜景など眺めることもできなかった。この時何故か高度が上がる際のいつもの耳ツンが無かった。これは個人的な感覚なので何とも言えないがB787故なのかも知れない。

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シートベルトサインが消え、暫くするとおつまみが出て来てミールサービスが始まる...と思っていたら、CAから配られたのは、コンビニでお馴染みの3角サンドイッチとTORAYの広告付きペットボトルに入ったミネラルウォーター1本。確かこの機体の素材は東レ製炭素繊維だからだろうか。その後飲み物サービスで白ワインと食後にコーヒーを貰うが、どうも調子が狂う。(上画像)深夜便なのでこれが離陸後のミールサービスの全てである。復路のCAに尋ねたら、やはり深夜なので軽い食事が良いとの判断からことであるとのこと。軽いのは私も異存はないが、このパッケージは、ちょっと...と感じたのである。せめてもう少し値段の分からないような工夫などが欲しい。これだと内容的にも味の方もコンビニのそれと全く変わりがないからだ。復路のミールサービスが努力しているだけに残念であった。

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何しろ夜中に発って早朝に到着する便である。機内はすぐに就寝モードとなる。最新機材なので、映画も個人用モニターを使うので大型スクリーンなどはなく、非常口の照明と天井のLEDがほのかに光るだけである。
今回の深夜便フライトは、久しぶりの旅行で私自身のテンションが高かったことと、午前2時を廻ってからの就寝ということで、かえって目がさえてしまってほとんど寝ることができず、B787はシベリア上空を安定した飛行でヨーロッパに入り着陸2時間半前ぐらいに提供される着陸前のミールサービスは、オレンジジュースを配られ和食と洋食を選択。写真入りの食事メニューを事前に見せられ決めることが出来る。洋食を選ぶと、届いたのはポーチドエッグ(半熟たまご2つとソーセージ、豆のトマト煮込み)、サラダ、パン、フルーツである。量的には良いが味が今一歩。まぁ、エコノミークラスなのだから仕方あるまい。食後のコーヒーが飲み終わる頃、ベルリン上空を通過し、程なくフランクフルト空港に着陸となる。高度を下げている時は耳ツンがあったので、機体の耐圧性能の違いかどうかは分からない。
着陸は、安定したもの。外もまだ夜明け前なので着陸は体感で確認するだけである。フライトそのものは全く問題なく眠ることさえ出来れば快適だったろう。

タキシング時、CAに到着スポットを尋ねるとBエリアとのこと。ANAはスターアライアンスでLHと共同運行しているので、DB乗換えにも最も便利なエリアである。ドイツ滞在時にANAで日本に帰国した時は、遠くにあるターミナル2のEエリアだったことを思うとスターアライアンスに加盟した恩恵を感じるのである。考えてみれば日本航空は現在ターミナル2のDエリア発着だったように思う。

続く

[EDIT] 2012-11-08
タグ:ANA B787-8
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seidoh

Akiraさん、こんにちは。

最近ブログの更新が無く、体調でも崩されたか・・・、と思っていたら、何のことは無い、しっかりドイツ一人旅を楽しんでおられたのですね。
実は私も今年の夏休みに、(連れと一緒に)羽田発の同便にてFRA経由スイスへ行ってきました。伊丹発最終が9時過ぎに羽田到着後、出発まで4時間待ちはいささか間延びしましたが、機材はシートピッチもやや広く個人的には十分快適で、連れにも「これやったらしんどくないね」と好評でした。LHの「乗っていきなりドイツビール!」は捨て難い魅力ですが、早起きしなくていい羽田経由はクセになるかもしれません。
Akiraさんの旅行記、楽しみにしております。
by seidoh (2012-11-08 12:26) 

lucky_k.k

akiraさん、こんにちは。

私も今年は、ドイツに行こうと思いたち、
12/5から成田発のANA便でミュンヘン行を取りました。
寒い季節ですが、2010年にも同時期に行って、
クリスマス市ももあるので、ここにしました。

今回は、ミュンヘンからユーロレイルパスで、
プラハ、ウィーンに足を伸ばそうと思います。
後半は、フランスに行く予定です。
仕事が入らなければいいのですが。

旅行記を楽しみにしています。
by lucky_k.k (2012-11-08 13:43) 

Akira

こんにちは、コメントありがとうございます。

> seidohさん
丸1日仕事を終えてからでも出発出来る深夜便は確かに便利でした。願わくば午後11時ぐらいに出発してくれれば尚嬉しかったのですが、到着時刻がとんでもない時刻になってしまうので仕方ないでしょう。いずれにしても選択肢が増えたことは良いです。

> lucky_k.kさん
お、ミュンヘンからプラハやウィーンだと色々良さげな列車の旅ができそうですね。今回私はドイツ国内だけでしたが、次の時は...と、夢だけは膨らませております。
by Akira (2012-11-08 16:08) 

Akira

hikariさん、こんにちは。

詳しい解説をありがとうございます。
羽田空港の江戸小路ですが、ざっと通ってみただけの印象ですので、原文を修正しておきます。残念だったのはお土産やさんなどの類いが閉店されていたと記憶しています。飲食店も開店しているお店もあったのですが、閉店されているお店が多かったので淋しく感じました。
期待があったのでよりそう感じたこともあるでしょう。

そういうこともあって、私も比較的早めに出国審査を済ませて搭乗口に向かいました。このあたりはhikariさんと同意見でラウンジを利用出来ない私でも中で待った方が良いと思いました。

機内のサービスは、量的には問題ないです。ただ見せ方の工夫が欲しかったと感じました。ファーストクラスがなかったのは知りませんでしたが、全く関係ない世界だったのであるものと思い込んでいました。ビジネスクラスの比率が高いと言うのはわかります。団体客らしき集団を見つけることができませんでしたし..。そう言う意味では機内は賑やかな雰囲気ではなかったというのは、(時間帯のこともありますし)静かさを好む向きには良いと思います。

マイレージについては、実は私は両方持ちです。初めに取得したのはLHのもので、後にANAのも持ちました。国内線利用の時はANAのカードを使ってます。両方持ちは効率が悪いように思うのですが、LHの時はMiles & Moreを使っています。
by Akira (2012-11-08 20:44) 

Akira

こんにちは、hikariさん。

私の場合、ほとんど航空機の旅行はないのでMiles & MoreのVISAカードで買い物でマイルを貯めているのが実情なんですが、別のカードはANAマイレージのみに対応していたりして、中々1本化も難しいです。ただ、確かにほぼマイルを使い果たした今、国内線もLHのカードでマイルを貯めるというのも1つの選択肢かも知れませんね。
by Akira (2012-11-08 22:28) 

Berliner

私は深夜発では、成田発のAF便をよく使います。欧州線の深夜便は、時差の関係でどの航空会社も到着時間の調整に苦慮していますね。AF便は、パリ着が深夜にならないようにゆっくり飛びます(あるいは遠回り?)。通常より2時間も長い14時間も飛びますので、かなりきつい。それでもパリ到着が4時台です。未だ醒めぬパリの空港の風景も面白いのですが、乗り継ぎしようにもまだゲートが開いておらず、これもかなり辛い。それに比べれば、羽田発はANAもJALも到着が早いとは言え、便利な時間帯であることは確かですね。
by Berliner (2012-11-08 23:42) 

Akira

Berlinerさん、こんにちは。

成田発の深夜便があるのですね。どこの航空会社も到着時刻に合わせる苦労が偲ばれます。でも14時間は確かにキツいです。もっともアンカレジ経由の時代はもっとキツかったですが...。
LHの羽田発深夜便が実現しないのは、このあたりに原因があるのかも知れませんね。
by Akira (2012-11-08 23:57) 

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