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晩秋のドイツ旅行(9) [Reise]

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まだ昼食の時間には早く、昼ご飯をここのフードコートで食べるのはやめてジュース1杯だけ飲んでALEXAを後にする。再びAlexanderplatz駅に戻り、今度は何故か折角ベルリンに来たのだからオノボリさんも良いかもしれないと考え、ブランデンブルグ門を目指した。ブランデンブルグ門はご存知の通りベルリンとドイツ統一の象徴である。

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▲ ベルリン最新型トラム、Bombardier製Flexity

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▲ 熊本市電でお馴染みの顔のADTranz製GT6N形

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▲ タトラ製トラムも見たが、後ろ半分しか撮れなかった。画像の右後方の青いパイプは温水暖房用? いずれもAlexanderplatz駅前にて

ALEXAから再びAlexanderhausの横を通ってAlexanderplatz駅へと進む。駅前には黄色いトラムが行き交っているので、ここでトラムの撮影を少しばかり行う。最新型のBombardier製Flexityから最も勢力の多い低床車のADTranz製GT6N形、更には旧東独時代からのタトラ製KT4D形迄様々な車両がいて楽しい。

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▲ 比較的落書きなどが少ないと感じたベルリンであるが、S-Bahn車内の窓は少なからず傷つけられている。残念。

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▲ Friedrichstrasse駅の上屋やホームは全く印象が変わった。

Alexanderplatzからは、再びS-Bahn(S5/S7)でHbf方面に戻る。二つ目の駅のFriedrichstraße駅でS-Bahn(S1)に乗換え、一つ目の駅がBrandenburger Tor駅である。
ドイツ統一前、東西ベルリン両側のS-Bahn終点となっていたFriedrichstraße駅は、まるで過去何もなかったようなモダンなドーム型駅になっている。もちろんS-Bahnはここが終点ではなく東方向に向けて走る。私がここを訪れた1988年には、この駅のコンコースが国境のパスポートコントロールがあったところである。その厳しい検査や旧東ベルリン側のホームに立って東側のS-Bahnに乗換えた時のまるで過去へのタイムスリップしたような感覚になったことは、そのインパクトが強かったせいか、今でも鮮明に記憶に残っている。

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乗換えたS-Bahnは地下を走る。次の停車駅のBrandenburger Torは、最近までUnter den Linden駅だったようで現在の駅名表の下にタイルで記されている。

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▲ ブランデンブルグ門を東側から正面を見る。これを目前にしてちょっと感慨深くなってしまった。

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▲ ブランデンブルグ門前の広場には、観光客相手の警備兵を模した2人がアメリカと東独の国旗を持って立っている。やはりここは観光地である。

Brandenburger Tor駅で下車し地上に出ると、目の前にブランデンブルグ門が見える。正面である東側からは初めてこの門を見る事ができた。門の前には大道芸人とそれを見物する観光客でごったがえしている。まさにここは観光地である。私がこの門を始めてみたのは門の裏側にあたる西ベルリンからで、しかも壁ごしにである。東側からは緩衝地帯になっていたので当時は見る事すらできなかったそうである。
今はその門をくぐって通る事ができる。これは壁が崩壊した90年代からは日常であるので、特に20代以下のベルリンッ子にしてみれば、当たり前の光景なのだが、長くここを訪れていなかった私には感慨深いのである。壁が開いたその日はカールスルーエで注文したテレビの配達を待っていた時である。結局映像でその感動を分かち合えず翌日の朝刊をスタンド迄買いに行ったことだけは憶えている。

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▲ 東側からブランデンブルグ門をくぐると、目前にベルリン天使、そして右手に連邦議会が見える。

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▲ 西側からみたブランデンブルグ門

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▲ 門の西側には、この門についての歴史が写真入りで紹介されている立て札がある。私が初めてこの門を見た時の状態である。

この門をくぐって気がついたことがある。統一前はこの門だけ残され、門の近くの建物は全て更地になっていたはずであるが、今は門の両側に立派な真新しい建物がある。門の東側正面から見て左側がアメリカ合衆国大使館、そして右側がフランス大使館である。英国とロシア大使館はどこにあるのかわからないが、やはりこのベルリンの中心には戦勝2カ国が睨みを効かせているようにも見えたのである。

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▲ Hotel Adlonのファサードと玄関。

アメリカ大使館の隣には、歴史的にも有名なHotel Adlonがある。ここも大戦で原形をとどめないほどに破壊されてしまったが、統一後は更地から見事に戦前からの姿に復元され、ケンピンスキー系列のベルリン最高級ホテルの1つとしての輝きを放っている。クーダム通りの超安ホテルも味わい深くて良いが、由緒正しいHotel Adlonにも是非一度は泊ってみたいものである。

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▲ ブランデンブルグ門の東側信号機もアンペルマンである。

ここでそろそろお腹も空いて来たのでお昼にしようと思った。いつだったかのNHKテレビのドイツ語講座の番組中ドイツで1番美味しいと言われるカリーヴルスト(焼いたソーセージにケチャップとカレーパウダーを振りかけたもの)がベルリンにあると聞いていたので、ベルリンでカリーヴルストを食べてみたかったのである。これはImbissと呼ばれる売店でドイツ中で食べる事ができるのだが、実は、前日から駅の側にある売店で何故かカリーヴルスト屋に限って人が並んでいるのに気づいていた。他のドイツの街ではあまり見かけない光景である。もしかしたら、ドイツ各地にあるご当地ソーセージは人気があるが、ここベルリンのご当地ソーセージはカリーヴルストなのかも知れない。そう思ったら、益々食べたくなってしまったのである。ブランデンブルグ門のそばにもカリーヴルストの売店があるが、ここはちょっと観光地っぽいので、なるべくならベルリンっ子が通うような売店で食べたい。そこで、目を付けたのがFriedrichstrasse駅の前だ。ここから地下を走るS-Bahnで戻れば良い。NürnbergのDB Museumには、戦前のFriedrichstraße駅前の繁華街の白黒写真が展示されていて、この写真と同じアングルを見たかったというのもある。

地下のFriedrichstraße駅ホームから地上に出てS-Bahnのガード下を歩くと人が長い列を作っている。カリーヴルストの売店である。これほど早く見つけられるとは思っていなかったが、どうも人気店のようで長蛇の列である。これは安いか旨いかのどちらかであろう。ここで並ぶことにした。売店と言ってもここは店内があり、立席ながらテーブルもある。並んだ時間は10分ぐらいだろうか。カリーヴルストは、パンかフライドポテトが付いており、ポテトはケチャップかマヨネーズを選ぶ事が出来る。これを並んでいるうちに自分の注文するのを決めておき、聞かれたらすぐさま注文する。頼んだのはフライドポテトにマヨネーズを付けたカリーヴルスト。ちゃんと陶器のお皿に紙を敷いてその上に載せてくれる。ポテトは厨房で1人前づつ揚げるので時間が掛かる。しかも2度揚げして提供出来るよう、1度揚げたポテトをストックしているのが見える。美味しいフライドポテトは2度揚げが良いとドイツ語学校の先生から教えてもらったことを思い出す。

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▲ ロケーションと長蛇の列を見て買い求めたカリーヴルストはアタリであった。

山盛りのフライドポテトつきで出されたカリーヴルストを受け取り、狭くて混んでいるテーブルを譲り合いながら場所を確保。熱々のカリーヴルストを頬張ると確かにウマい。今迄ドイツの色々な場所でカリーヴルストを食べたが、一番美味しいと感じた。さすがベルリンである。並んでまでして食べた甲斐があった。ふと周りを見回すと、私以外に観光客らしき人はいない。ビジネスマン風の人や子供連れの母親、老夫婦、いかにもセレブっぽい格好をした中年女性など、まさに老若男女、ベルリンの市民にはカリーヴルストが愛されているのだと感じたのである。確かにここまで美味しければ頷ける。立食で安価であるが、ベルリンに行ったら一度カリーヴルストを試してみるのはいかがだろうか。

カリーヴルストを完食すると、ケチャップとマヨネーズがお皿に残ってしまった。目の前のビジネスマン風の男性は見事に奇麗に食べ終わっている。ポテトとケチャップ/マヨネーズをバランス良く食べきるのは修行が必要のようである。すっかり満足してお店を出る。丁度お店の場所はS-Bahnのガード下にあたるので、ガードを通り過ぎて再びガードを見ると、丁度DB Museumに掲げられていた写真と同じ位置である。もちろん周りの建物は新しいビルに変わっているが、ガードそのものは全く同じで繁華街の雰囲気を近いと感じた。今や様々な店舗が並ぶ駅周辺であるが、統一前はこれほど賑やかではなかったはずである。当時の、閑散とした街中を憶えている私には、目の前に広がる賑やかな光景は統一を実感させるのに充分である。

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▲ 歩いているとトラビの列に遭遇。懐かしい。

ここで、家族への土産を買わなければと思った。最初はベルリンの有名デパートのKaDeWeにでも行こうかと考えていたが、今朝ホテルからHbfへ行くタクシーの中からクーダム通りにSteiffの看板を掲げたお店を見つけたことを思い出した。大体の感覚でZoo駅の次の駅であるSavignyplatzから歩けばすぐだろうと思い、再び高架を走るS-BahnでSavignyplatz駅、そこから徒歩でクーダム通りへと向かう。途中トラビの行列も居て、久しぶりの大量のトラビが見れて楽しい。予想は当り、Savignyplatz駅から5分程度でSteiff Galerieに到着した。

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▲ クーダム通りのSteiff Galerie

店内で家族の土産を物色して再びS-BahnのSavignyplatz駅へと向かう。この駅はドームがないので、S-Bahn車両の他、DB長距離路線を走るREやICEの写真を撮る事が出来る。Berlinの中心にある高架のS-Bahnの駅ホームはどこも素敵なデザインである。装飾が施された鋳物製支柱に木材で出来た天井が暖かみを出している。落書きも見当たらない。だんだんと私が乗車する列車の時刻が迫ってくるが、ここで最後の撮影を行いS-BahnでHbfへと向かった。もうそろそろ行かないとと思った時、前方からICEが見えて来た。最初はICE-Tかと思っていたら、ICE-TD x2である。最後に中々良い写真が撮れた。

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▲ Savignyplatz駅のホームもエスプリを感じさせる良い雰囲気である。

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▲ DR時代からのS-Bahn車両ET485形

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▲ 最後に思いもよらぬICE-TDが走って来た。


Hbfに着いてから、Gepäck Centerで荷物を引き取り、今度は高架ホームで列車を待つ。実質丸1日もなかったベルリン滞在であったが、様々な発見や感激、美しい街並を堪能出来たので満足した。何より以前数度訪れた時に抱いていた恐怖感が全くなく心からこの街を楽しめたことが何より良かった。
私の乗車するICE 693は定刻に到着した。再び大荷物を車内に2度に分けて載せ、何とかスーツケースとバッグの置き場所を確保。指定された座席に座った時には、既に列車は発車していた。列車は今回もほぼ満席状態である。長距離の座席指定の必要性は今回特に感じたのである。午後の日差しを浴びながらICE 693は西を目指す。以前のようなゆっくりとした走りではなく、ABSを駿足で走るICE1から車窓を眺めると、風力発電施設がいくつも見える。その1つにある風力発電機の数を数えたら20基程あった。そのどれもが、ゆっくりと動いている羽根が良く見える。列車が混んでいたこともあって、BordRestaurantのBistro迄コーヒーを買いに行ったぐらいで、あとはおとなしく車窓を見ているだけにした。
ICE 693はまずBraunschweig、Göttingenに行き、そこからDB最初のNBS区間を経由してFrankfurt/M Hbfに到着する。以下、FFM Hbfでの画像

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到着した午後7時44分には既にすっかり陽は落ちていたが、ドーム屋根の駅構内は明るいので、到着した列車の撮影をする。夕食は駅のフードコートにあるNORDSEEでそそくさと食べ、そして再び2つの大荷物とカバンを持って今日の宿へと歩く。多分このような状況に陥るのは予想していたので、駅の近くのホテルを予約しておいた。ベルリンの宿の倍以上の値段だがロケーションを考えれば致し方ない。外は雨が降っていたが、傘もさせず頭にヤッケのフードを被って何とかホテル迄辿り着いた。近くて良かったと思う。
半日ベルリンで歩き続けたせいか、疲れがあってか、シャワーを浴びてすぐベッドにつくや否や爆睡だったのは、いつものことである。

続く
タグ:S-Bahn BVG DB AG
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コメント 4

Berliner

街中で見る配管は、道路工事のための仮設共同溝のようです。温熱だけでなく、いろいろなラインが入っているようですよ。

カリーヴルストは、実はDBのBordbistroのメニューにもあるんです。冷たい飲み物とのセットはメニューIで6.60ユーロでした(2012年春)。
by Berliner (2012-11-21 19:36) 

Akira

こんにちは、Berlinerさん。

Alexanderplatzの配管は工事中の仮設配管だったのですね。遠かったのでわかりませんでした。

カリーヴルスト、私もフランクフルトに行くICE1のBordBistroで食べている人を見掛けました。私もカリーヴルストは嫌いではなかったので、ドイツに居たときは結構色々な場所で食べましたが、私の中では感動する程美味しいものではなかったです。でもベルリンで食べたそれは、本当に美味しかったです。本場の味なんでしょうね。
by Akira (2012-11-21 20:13) 

総統

カリーヴルスト、ベルリン滞在中h毎日食しておりました

KaDeWeに行ったら、多分予約したICEに間に合わなかったカモですね

小生は購入しませんでしたが、KaDeWeのおもちゃ屋さんにはシュタイフと同じくらい世界的に有名な大量の(以下略)

by 総統 (2012-11-21 20:49) 

Akira

こんばんは、総統さん。

もう何回もベルリンに行っているのに、KaDeWeにはまだ1度も行っていないのです。それはちょっと残念でした。でも予約したICEに乗れないとヤバかったかもです。

最後の2行は読まなかったことにします...。
by Akira (2012-11-21 21:20) 

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