49981 PFA WGm 038.8 (SCHIMMEL-PIANOS) / Ep.V [Maerklin-Allgemein]
▲ 側面窓側
▲ 展示室出入口側
一昨日、この車両の実車とメルクリンH0製品化について記した。今回はそのモデルについて触れてみたい。上画像は左右サイド面である。種車のBcm 243のままの部分は、1箇所に減らされた折戸ぐらいである。なお、上画像下の車体端部右下にハンドブレーキのハンドルが彫り込まれているが実車のハンドブレーキは車内にあるため、これは誤り。(金型の関係だろうと思う)
車端部側面のディテール。窓はICE 1用の連続窓を採用している。これも片側だけである。このモデルの窓を見て驚いたのは、別パーツではなく一体成型の透明車体に窓部分以外には黒色塗装をしていることである。確かにこういう作り方もあると感心はしたものの、どうも窓が車体と同じテクスチュアでややシボの掛かった樹脂が窓も同じであるのがちょっと残念に感じた部分。やはりガラスらしく艶のある別パーツが良かった。また、連続窓が表現されている左には小さな扉が彫り込まれているが、実車は種車の折戸であり、この扉はない。
台車はMD36である。
車体中央に大きく描かれた「SCHIMMEL社のロゴマーク」。金色の印刷は精彩で美しい。
訪問者用出入り口のある車端部。
車体番号は「51 80 09-70 101-3 (P)」である。この車両はPFA社の私有客車のため(P)が付加されている。
最高速度は160Km/hのまま。RICラスターは、18カ国対応の仕様。
検査日は1994年4月13日である。
「Abstoßen und Ablaufanlassen Verboten」(突放禁止)の文字。いずれも表記は2003年の印刷レベルとして通常レベルと思う。
車端部の正面を見ると、実車同様オリジナルのままの両開き引き戸である。実車の尾灯ケースはステンレス枠付きなので若干異なるが許容範囲。
ボディを開いてみると、車体一杯にデジタル機器が詰め込まれている。ファンクションデコーダーは懐かしいDIPスイッチ付き。スピーカーはチャンバーが付けられている。当時のサウンドレベルだと低音が出しづらい状況だったことを聞いていたので、その対策かもしれない。
デジタルサウンドは以下5種のピアノ曲がファンクションスイッチで奏でられる。
- エリーゼのために(ベートーベン)
- プロムナード(ムソルグスキー)
- エンターテーナー(ジョプリン)
- トロイメライ(シューマン)
- トルコ行進曲(モーツァルト)
しかしながら、当時のコントローラ(6021)はファンクションスイッチが4種のみであったため、ファンクションスイッチ(ダブルクリック)は以下の機能となっている。
f1: 音楽の再生(5曲は連続して奏でられる)
f2: 音楽の停止
f3: 音楽のスキップ
f4: -
このモデルを手にして、デジタルファンクションで初めてピアノ曲を聴いた時は、開発当初から知っていたこともあって、それまで長く待たされていたためかとても感慨深いものがあった。
ボディの金型が流用されてしまっていることで、実車と異なる部分も散見されるモデルではあるが、2003年当時まだ珍しかったデジタルサウンドを奏でるモデルとして、意欲の表れたメルクリンらしいモデルであることに間違い無いように思うのである。
参考サイト:Ausstellungswagen. / メルクリン・ドイツサイト
http://www.maerklin.de/de/service/suche/details.html?page=&perpage=10&level1=2341&level2=2346&art_nr=49981&search=1&era=0&gaugechoice=0&groupchoice=0&subgroupchoice=0&catalogue=0&features=0&searchtext=&backlink=%2Fwww.maerklin.de%2Fde%2Fservice%2Fsuche%2Fproduktsuche.html
2015-04-23 00:42
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コメント(2)
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Akira様、御無沙汰致しております。
東西急行です。
走る音楽堂、完全再現とは驚嘆すべき商品と存じます。
実車は正真正銘の鍵盤楽器搭載でしょうから、狭軌鉄路の電気式代用楽器搭載とは格が違います。
附記:昨年乾坤一擲の投資により配備したKATO(=LEMKE)の1/160ワゴンリ隊が、見るも微妙(敢えて微妙と表現)な形で分売されることが分かりました。概要は敢えて述べませんが、折角分売するのなら模した編成に合わせた仕様変更位はすべきだと慨嘆しております。
by 東西急行 (2015-04-29 23:52)
こんばんは、東西急行さん。
このモデルの実車は、本当に数日間のメッセ期間中だけのデモンストレーションのみのために使われたため、モデルとしては最も短期間のための車両の模型化であるように思います。しかもメッセ会場に停車中のみのためですから、鉄道車両としては是非全国巡回して欲しかったのですが、そうはいかなかったようです。
KATOのCIWL客車モデルは、既に箱根のラリック博物館に保存されているプルマンのみ会場などで単品モデルが売られているのは知っています。それ以外の分売は楽しみですね。できれば現役時代の仕様が良いですけど。
ちょうど今、そのNIOE客車のスペイン製作のYouTube映像を見ていたところです。
https://www.youtube.com/watch?t=812&v=C52v6Dgmz7I
by Akira (2015-04-30 00:03)