サインとシンボル [デザイン]
昨日、表題の本が届きました。この本はスイスの著名なタイポグラファーのフルティガーが執筆したものです。この日本語版の監訳者である小泉氏は、私がドイツ留学時代、スイスの美術学校留学中知り合い、今も大切な友人の一人です。彼から時々ドイツ語の不明な単語などの質問を受けていたので、都度ほんの少しばかりお手伝いをさせていただいたことから完成したこの本を頂くことができました。
フルティガーという名前をご存知の方は、当ブログをご覧の方は多くはないと思います。もしかしたら以下ページをご覧になれば、「おっ!」と思う方もいるかも知れません。
http://www.linotype.com/469/frutiger-family.html
彼は、多くのタイポグラフィーのデザインを手がけてきましたが、私たちの身の回りにごく自然に溶け込んでいる彼のデザインした書体は、その存在の主張ではなく正しい理解への誘いに尽きるものです。
その証拠の一つは、彼の名前を冠したタイポグラフィーで上リンクにある「Frutiger」です。
この文字は、フランスのシャルル・ドゴール空港やスイスのアウトバーンのサイン計画はもとより、JR東日本の英数文字に使われています。私自身この文字を駅で初めて見た時、有名なヘルベチカとは少し異なる洗練された美しい書体と認識のしやすさにちょっとした感動をおぼえました。
その彼自身が記した文字と組み合わせることで大きな効果を発揮する「サインとシンボル」について体系的に纏めたのがこの本です。サインやシンボルは、それが発する「語りかけ」をどの言語を持つ人でも理解可能なことが「文字」とは違うことが大きな特徴です。この本では、彼が手描きで記した多くのサインとシンボルを日本語の他、ドイツ語と英語で併記し、かつ表現を分類、分析し日本語で解説したものです。
グラフィックデザイナー、タイポグラファーはもちろん、それを勉強している人にとっても最良の教科書だと思います。この本の完成に使命感を感じて長い時間を掛けて出版にこぎつけた小泉氏には心から敬意を表します。
以下、アマゾンへのリンクを記しておきます。
参考サイト:
Adrian Frutiger / Wikipedia:
http://www.wikiwand.com/de/Adrian_Frutiger
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