4225.1 DB Bpmz 291.2 / Ep.IV

▲ 洗面所側


▲ 非洗面所側

今までメルクリンH0の27cmモデルを中心に記してきましたが、今回はIC '79で本格的に運用に就いた2等解放室座席車であるBpmz 291のモデルを記します。このモデルは、Avmz 207モデルに続いて26,4cm（1/100スケール）のモデルとなりました。
私がドイツに留学した1988年は、全てのInterCityにはこのBpmzが組成されていて、特に高速域ではUIC-X客車（Bm235）と比較して、エアコン付きの静粛で快適な室内に感動し、乗車する際はいつもこのBpmz（つまり2. Kl.のGroßraumwagen）を指定して予約していました。

そんな馴染みのある客車モデルなので、改めて数えてみると10両近く手元にありました。ここで紹介するタルキスカラーのモデルも３両あります。今回はその中の最初にリリースされたモデル（4225）で、1989年から1992年までの４年間生産されました。（同じ製品番号で翌年から改良を加えた同形モデルが1999年までリリースされたので、今回のモデルはKoll'sで「4225.1」と区分されています）



車端部側面のディテールです。リリース当時は、意欲的なモデルと感じたディテールが随所にありました。ただ、ショートスケールの中で実車と同じ窓数にしていたため、いかんせんプロポーションにやや問題が出てきてしまった部分もあります。出入口ドアは、押出式引戸（Schwenkschiebetür）ですが、窓部分がやや縦長になってしまっており印象を大切にするメルクリンモデルとしては難しい判断を迫られた中での苦労が偲ばれるディテールです。



車端部を斜めから見たディテールです。出入口扉横の手摺は別パーツになっていて、このモデルの意欲を感じる部分でしたが、やや大ぶりにも見えてしまっているので、努力の割にスケール的に少々難ありだったように見えます。製造コストも余分に掛かるためか、1993年からリリースされた同形モデル（4225.2）には、この手摺はなくなり一体成型になってしまいました。



台車は、このモデルのために新しく金型を起こしたMD52です。電磁吸着ブレーキの表現もされています。実車では空気バネを使わずコイルバネ台車なのですが、標準軌ということもあり、静粛性、走行安定性は抜群で、のちのICE1の中間車でも使われた台車です。



反対側車端部（ハンドブレーキ側）の表記です。「Hier Handbremse」（ここは手ブレーキ）や「EUROFIMA」（ユーロフィマ信託車両）の表記も美しく印刷されています。



車体中央のDBマークとその下にある車体番号、形式表記です。この車体番号の実車「61 80 20-94 164-6」は、1983年10月27日にLHB社で落成。2002年2月21日にBpmz 294.4に形式変更を受けています。現在の消息は不明です。



RICラスターの印刷精度も良好です。200Km/h迄の最高速度許可、航送許可、４カ国の同じ電源を持つ鉄道入線許可の表記があります。単電源車両となっていることがわかります。



REV表記は、直近検査期日が1984年10月19日と印刷されています。右側の日付は全般検査などを行った表記でしょう。この日付は手元の資料の新製落成期日と同じです。メルクリン開発陣の実車検証がしっかりできている証左です。



サボ受けは彫り込みで表現されています。単品モデルのため、サボは印刷されておらずデカールが添付されています。



車端妻部正面です。Avmz 207モデルやUIC-Xモデルでは貫通路窓は抜けていますが、このモデルは透明樹脂で窓もしっかり表現されています。尾灯は、個人で赤色を差しています。黒Hゴムで尾灯ケースを押さえてあるので、ここも黒色で色差ししました。

28,2cmモデルでも、格段にプロポーションの向上したBpmz 291やAvmz 207が登場しましたが、現在単品モデルがリリースされていないこともあって、まだまだこれら客車モデルはこのスケールが主流ではないかと考えられますが、一方で徐々に28,2cmモデルへの移行が進むことも予想されるので、今後はこのモデルも貴重になるのかも知れません。

参考文献：：Bpmz 291, 292, 293 / WAGEN / GeraNova Verlag

タグ：DB Ep.IV タルキスカラー Eurofima