46325 SNCF Uanpps 9342 (P) / Ep.V [Maerklin-Guterwagen]
▲ 手ブレーキ側
▲ 非手ブレーキ側、左右のサイドで台枠のディテールが異なります
久しぶりに貨車モデルを紹介したいと思います。このモデルは、すでにPwMサイトで一度紹介したのですが、サーバーの問題で現在は見れなくなっています。そこで、この魅力的な貨車モデルを改めて当ブログで紹介します。
黒に限りなく近い焦げ茶色に「NESCAFÉ」の白いロゴを見れば世界でも知られたスイスのネスレ社(Société des Produits Nestlé S.A.)の看板商品であるコーヒーブランドであることはすぐに理解できます。極めてシンプルなデザインゆえに訴求力の抜群なこの貨車モデルは、2006年に1年限定でスイス・フランスのエキスポートモデルとしてリリースされました。
▲ 手ブレーキ側車端部分
▲ 非手ブレーキ側車端部分
この大型ホッパ貨車は、Uanpps 9342形と思われます。ネスカフェの原料となるコーヒー豆の輸送に使われていると考えられます。
実車の画像を見ると残念ながら実車はこのモデルより大型車両で、全長が長いです。
台車はUIC標準のY25形です。メルクリンでは1986年のモデルからこの台車を履いたモデルがリリースされているようです。
最近のメルクリンの貨車モデルは、ディテールフルですが、この貨車も同様で非常に精細な作りが実感できます。台枠のフック部分の黄色やコック類の彩色も施されています。
車体表記の印刷は、細かなディテールに負けない精細さを誇っているように見えます。UIC表記のため、DBの貨車と基本的に共通ですが、形式は記されていません。私有貨車である「P」の表記が見えますが、所属はSNCF(フランス国鉄)です。所属駅は、CORBEIL ESSONNESでしょうか。ここを調べるとパリから南側へ25Km程の郊外のようです。内容物は、CAFE VERTと記されているので、確かに(焙煎前の)コーヒー豆のようです。
地色が黒に近い色なので印刷されている表記文字もコントラストがはっきりしているので精細な印刷と相まって美しいです。黄色で記された注意表記は、仏、独、伊の3カ国語で記されています。「屋根は閉じられ施錠しなければならない」旨が記されています。
手ブレーキ側の妻部正面の画像です。左側には斜めに注意表記がしっかり印刷されています。
内側に傾斜した部分の注意表記です。「必ず施錠すること」と記されています
折角なので、ドイツに出張してきたことを想定して?Köf IIIに牽引させてみたシーンの画像です。
この貨車のデカさが良くわかる絵になりました。
同形モデルが3両セットなど多い中、この貨車はなぜか単品で、しかも1年限りのリリースでした。私はこのモデルのグラフィックが素晴らしかったので、告知後すぐに注文しましたが、いまは簡単には手に入らないかもしれません。ライセンス取得が難しいモデルなのかもしれませんが、次は実車に忠実なモデルで3両から5両のセットでリリースを期待しています。
Special Thanks: NS Eisenbahnさん
参考サイト:
Großraum-Schüttgutwagen. / メルクリン・ドイツ
[EDIT] 2020-11-15
ご無沙汰しております。
貨車の紹介、とても勉強になります。
Pは私有貨車のいみなんですね。
それに日本の貨車と同じく所属の駅名があるとは知りませんでした!
by Gut (2015-08-28 21:43)
こんばんは、Gutさん。
コメントありがとうございます。
(P)はPrivatの略だと思われます。
基本的にすべての車両に所属駅がありますね。(機関車は所属機関庫でしょうか)
by Akira (2015-08-28 21:54)
私有貨車のPはEpocheⅠからありましたね。面白いかどうかはわかりませんがEpocheⅡのEDW(旧独軍)の車両(列車砲等)も車両番号末尾にPが記載されていました。
by T-Zug (2015-08-29 00:27)
T-Zugさん、おはようございます。
Ep.Iの貨車は持っていませんが、確かにビール貨車などありますよね。
旧ドイツ軍の車両はDRGの所有ではないということなのでしょうね。戦前のMITROPAや戦後のDSGの車両も100%DRGやDBの子会社でしたが、それでもPが付いていますものね。
by Akira (2015-08-29 08:41)
T-Zugさん、おはようございます。
「Ep.Iの貨車は持っていません」と記しましたが、しっかりスパークリングワインメーカーの私有貨車(プロイセン王国鉄道)がありました。
http://maerklin-kiste.blog.so-net.ne.jp/2007-11-27
この貨車にはしっかり(P)マークが印刷されていますね。
by Akira (2015-08-30 09:22)
Akira さん
私もこの貨車ほしいです。
以下の Rivarossi のものは入手できるようですが。
http://www.hornbyinternational.com/de/2921-db-ag-silowagen-der-bauart-uapps-schwarz-nescafe-hr6270.html
by Bemo (2015-08-31 23:19)
おはようございます、Bemoさん。
ドイツのeBayや販売店サイトあたりでは、まだ出品があるようですが、多くはないですね。
リヴァロッシのこのモデルもいいですね。所属はスイスのようですが、塗装は同様でメルクリンモデルと混成させて走らせたらいい感じですね。
by Akira (2015-09-01 08:14)
こんばんは、Akiraさん
存在感抜群の貨車は自分も大好きで持っています。
NescafeのUanpps 9342系サイロ車は、SNCF所属とSBB所属があり、前者はCTCが、後者はERMEWAが所有する私有車のようです。
大容量(100m3級)で外殻が丸く、長い車体ですのでかなり大きいです。平板構造であるRivarossiのHR6270とはだいぶ違います。(旧製品HR6126は丸かったのですが)
惜しいのは、どちらの製品もUagps 9332系(丸型・平型ともに容量94m3級。またはその類型)の塗り替え品なので、全長が短いことですね。
実物は、3両程度を1組としてブロック運用していますので、ぜひとも3両セットで再リリースして欲しいところです。
by NS Eisenbahn (2015-09-02 02:39)
NS Eisenbahnさん、こんばんは。
模型と実車の詳細な情報をありがとうございます。とても勉強になります。実車はこの貨車モデルより大型になるのですね。少し調べてみたくなりました。
なぜこのモデルが3両セットにならなかったのか、私も疑問ではありますが、次回リリースされる場合はセット売りを期待したいです。ただ、現在はNescaféのロゴがリニューアルされてしまったので、実車もすでに新しいロゴに変わっているかも知れません。
by Akira (2015-09-02 19:57)
Akiraさん、こんばんは
モデルの標記はかなり忠実なようです。車番をアップにした写真では、いろいろなことが読み取れます。
車番の5~8桁目(本車は9342)は、いわゆる車両のキャラクター。
車番の下は、バッファ間の全長が18.7m。
右の四角の数字は、空車重量が24400kg。
立体の箱状のマークは、バルク容積が100m3を表します。
下のABCDに分かれた表は許容積載荷重と最高速度、許容軸重、車体1m当たりの許容重量を表します。左側のsはABCDいずれの積載状態でも最高100km/h、空車では最高120km/hです。
積載種別Dの場合、65.6t(最大値)まで積載した場合で、軸重が22.5t以下を示し、走行可能な線路規格を判断出来ます。
記号AとBCD+数字サフィックスは、積車全重量を全長で割った最大許容値(t/m)も表します。Aは5.0t/m(本車のBCDは該当なし)です。
車両タイプのUanppsも、aが4軸車、nが最大積載65t超、ppが低位置に重力式の荷下ろし装置があること、sが運用最高速度100km/hを表します。
他、フレーム部には通過可能な最小曲率50mも見えます。
貨車はハマるととても楽しいです。
長文失礼致しました。
by NS Eisenbahn (2015-09-03 00:22)
記述ミスと追加ありました。すみません。
バッファ間の全長は18.74m
車両タイプUanppsのUは物資に適合させた専用設計車(F,H,L,S,Zを除く)、
nは最大積載が60t超
なおタイプ中の各小文字は、U車以外の場合は別の意味となります。
何か皆さんの参考になればと思います。
よろしくお願いします。
by NS Eisenbahn (2015-09-03 02:08)
NS Eisenbahnさん、
おはようございます。この貨車表記の詳細をありがとうございます。
その後、少し調べて追記しました。この貨車(実車)のフリークがいらっしゃるようで、画像とスペックが検索で出てきたのは驚きました。
それによれば、仰るように実車の積載容量は100㎥で、全長が長いことがわかりました。個人的には、全長が短いモデルの方がロゴとのバランスが良く好みではあります。
メルクリンから全長の長い9342形の模型化も期待したいところです。
by Akira (2015-09-03 08:16)