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T33018 DB Am 203.0 / Ep.IV [Maerklin-Reisezugwagen]

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▲ 区分室側

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▲ 通路側

昨日の記事で予告をした直流3線式のTRIX EXPRESSモデルの客車セットから、1等区分室車(Am 203.0)を紹介してみたいと思います。既に記しましたが、TRIX EXPRESSはDBの大きな駅には必ずと言って良いほど置かれているコイン式レイアウトのシステムとして使われているほど、頑丈で脱線しない鉄道模型ブランドでもあります。ただ、昨今では交流3線式のメルクリンや直流2線式のロコなどの方が一般的になってしまい、TRIX H0も直流2線式が主流となりTRIX EXPRESSは細々と生きながらえているという印象になっています。しかしながら歴史あるシステムですから、ドイツでは愛好家のクラブもあり、まだまだ廃止にはならないと思います。

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当時のUIC-X客車はタルキスカラーが標準でしたが、車両数の多いUIC-X客車には、このモデルのように旧塗装のまま塗り替えられずに運用されていた車両も少なからず存在していました。ただ、屋根色は明るいシルバーからタルキスカラーやIC客車と同じダークグレーに変わり、1等を示す等級帯も白色ではなく、オレンジ色に変わっています。
屋根や表記はEp.IV後期の仕様であることから、このAm 203.0も屋根色がダークグレーの影響もあって、同じ車体色で銀色屋根の仕様より暗く地味な印象です。

私が2003年に1年限り生産されたこのセットに魅力を感じたのは、もちろんTRIX EXPRESSだからではなく、27cmのメルクリンモデルでEp.IV仕様の132形旧塗装食堂車があったからです。食堂車だけでなく、その他の車両も全て旧塗装です。
元はメルクリンモデルではありますが、TRIXブランドゆえKoll'sには記載されていません。中古モデル販売会などでの価格査定はどうするのか聞いてみたい気もします。

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その車体色であるKobaltblauですが、RAL色票と比較すると、ほぼ同色であることが確認できます。

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車体中央に印刷されているDBマーク、車体番号、形式表記などの印刷は精細です。(レンズや車体に付着したホコリに気付かずに画像が見苦しくなっているのはご容赦ください)
車体番号は「51 80 10-70 041-8」です。この実車は、1970年、BremenのHansa Waggonfabrik GmbHでAüm 203として落成。1990年7月24日にWeiden i.d.Opf.にあるPFA GmbHにてAim 260.1(InterRegio向け車両)に改造されました。現在廃車されているかどうかは不明です。

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RICラスターは、最高速度制限が160Km/h、4航路の航送許可、19カ国の鉄道入線許可が表記されています。多電源仕様です。
このモデルの実車が現役時代は、ドイツから遠くギリシャのアテネやトルコのイスタンブールまで走破する夜行列車が走っていました。それらの列車画像を見ると寝台車だけでなくDBのUIC-X客車も組成されているのが見えたりしますが、このモデルの実車はそのような長距離運用に就いていたのかも知れません。

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REV表記は、1984年3月20日。2000年代らしく美しく印刷されています。

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妻部分の正面とやや斜めからの画像です。27cmモデルのプロポーションの良さがわかるアングルです。

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床面を裏から見たところです。「märklin」のロゴが彫られている部分には、「TRIX」のシールが貼られています。
先にも記しましたが、このモデルはTRIX EXPRESS仕様ですから専用カプラーと異常に深いフランジの車輪がついています。しかし、購入した販売店さんでは、無料でメルクリンのクローズカプラーと交流3線式用車輪に交換可能でした。そのため、モデルが届いた最初からメルクリン仕様になっています。

当時は、この仕様のモデルがなく、リリースが告知された時、飛びついた訳ですが、現在はDSG食堂車ながらほぼ同じ仕様の28,2cmモデルのセット43915がメルクリンからリリースされています。

このモデルに限らず、当時は中々リリースされなかったモデルも今は揃う時代になったものだと感じます。

参考文献:
Aüm 203 "WAGEN" Das Archiv der Deutschen Reisezug- und Güterwagen / GeraNova Verlag
KOLL'S PREIS-KATALOG MÄRKLIN H0 05/2
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BOAC VC10

どうもです。このUIC-Xセット、EpIV後期という事で、禁煙・喫煙表記がピクトグラムという所がミソです。屋根もグレーですので(所謂)タルキス塗装と混結して使うのに(今だに)重宝しています。
食堂車は200km/h対応車ということで、IC’79編成で2等車はBmだけの頃というような編成にも似合います。
(逆に以前ご紹介された4091~4093(.11)はEpIIIの「上塗り」EpIV極初期なので、混ぜてもPop塗装のUIC-Xか黒裾シルバーリンケまでですね)
現在の28.2㎜製品のUIC-Xも、ここ数年やっとEpIVの青・緑・赤単色塗装が出てきましたが、まだ喫煙・禁煙が文字表記のタイプだけだったと思います。
1990年の春、ミュンヘンで緑色塗装で残ったABmを見て「まだ残ってるんだ」と驚いたのを思い出しました。
by BOAC VC10 (2015-09-26 09:39) 

Akira

BOAC VC10さん、こんにちは。

仰る通りですね。4091〜4093は銀屋根仕様なのでEp.IVでも本当に初期なのでしょう。単色仕様はちょっと扱いが難しいです。
この時代では、単色のみ編成自体が皆無でしょうから、混色がよさそうですね。ただ、私個人としては27cmのBm234のタルキスカラーを持っていない...ので。
by Akira (2015-09-26 16:23) 

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