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3099 DRG 38 3553 / Ep.II [Maerklin-Lok]

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先日、メルクリンから今年のインサイダーモデル第2弾、38形機関車改造の78.10形機関車の発表があり当ブログ記事でもお伝え致しました。種車となった38形(P8)機関車は非常に優秀で数多く製造され、ドイツでは今も数両が動態保存機関車としてイベントなどで走る機会があるようです。
以前、当ブログでアナログのBR 38モデル(3099)について記しましたが、サイズの小さな画像1枚だけだったので、ここではより多くの画像とモデルの詳細説明を改めてしたいと思います。

このモデルの実車は、プロイセンの2'Cの軸配置を持つP8形機関車がDRGに編入され制式化、BR 38.10-40に改番されました。これらは、1906年から1928年までの23年間に3800両以上製造されました。このうちドイツ領土の鉄道事業者に向けて製造されたのは、1925年までの20年間で3431両とのことです。この機関車の車番は38 3553なのでBR 38.30と振り分けられています。
元々貨物のほか旅客用急行列車にも牽引できる性能を併せ持つ汎用機関車でしたが、一時期はドイツの看板列車であるRheingoldの牽引にも当たるなど、この機関車の優秀さは世界的にも有名です。


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このモデルは、1977年から87年までの11年間製造されました。それ以前には1967年から77年までの11年間、ヴィッテデフ、バスタブテンダーのEp.IV仕様で3098としてリリースされていました。

画像は先頭部の側面です。38形はテンダー機関車ですが、亜幹線でローカル列車や貨物牽引にもあたり比較的小振りな機関車です。製造時にはワーグナーデフで完成しましたが、戦後はより効率的な除煙効果を持つヴィッテデフに改造された車体も多くありました。これは戦前・戦中のDRG(Ep.II)仕様なのでオリジナルのワーグナーデフ仕様です。ワーグナーデフと言っても幹線向け01形のような横幅の大きいものではなく小振りなので、威圧感もなく24形機関車に次ぐ軽快な印象のテンダー機関車でしょうか。

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側面ボイラーからキャブにかけてのショットです。38形の大きな特徴は動輪3つの2'C形機関車ですが、第3動輪が少し後方にオフセットされているのが特徴です。
画像右端にテンダーが少し見えています。このモデルの一番の問題点がボイラー側の質感とテンダーの質感が異なることです。テンダーが樹脂の上に艶消し黒で塗装されているのに対して、ボイラーとキャブはダイカストの上から艶ありの黒色が塗装されていることから、テンダーとキャブの質感の差が大きく出ています。デフは金属板に艶消し黒色が塗装されているので、ここもボイラーとの質感の違いが出ています。

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表記は、当時の水準です。逆に樹脂製テンダーの印刷精度の精細さはリリース当時の水準からしても誇るべきレベルに見えます。

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子供の頃、スタートセットの89形機関車だけで走らせていたこともあって、シリンダ部分の複雑な動きを見せる機構のついた機関車に憧れていました。この機関車はそうした複雑な機械的な動きが再現するモデルだったので、このモデルを手にして嬉しかったことを覚えています。

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キャブ内部です。画像は醜くなっていますが、ご勘弁ください。ダイカストで彫り込まれているため、精細さは感じられません。

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テンダー側から俯瞰気味に撮影しました。テンダーの標識灯は銀色が差してあり、ダミーです。

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正面です。平たい顔?の38形機関車の特徴がよく出ている部分でもあります。このモデルはEp.II仕様なので前照灯3灯は誤りかもしれません。元々はEp.IV仕様モデルだったので修正出来なかったのかも知れません。

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ボディを開けてみます。ボディと台枠は上部にネジ止めされています。今ではネジの頭が見えない工夫がしてありますが、この時代は多くの蒸気機関車が同様の場所にネジ止めされています。
ここで驚くのは、このモデルはタンク機関車のようにモーターと逆転器の両方がボイラー部分にレイアウトされ、しかも逆転器が後部にあり、モーターが最前部にレイアウトされています。つまりDCMモーターからギアを介して動力を伝えるのが第1動輪になっています。そこから第2、第3動輪に伝える構造になっているため、ゴムタイヤも第1動輪についています。そのため、発煙装置を置くスペースもなく、このモデルは発煙も出来ません。こうした特異なレイアウトは、限られたスペースにDCMモーターをボディに効率よく収めるための工夫だと思います。1960年代で、最大の工夫が凝らされた設計なのだと思います。

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裏側です。大型の集電シューがついています。

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このモデルのもう一つの特徴が機関士と機関助手のフィギュアが付属していることでしょうか。当時としては珍しいと思います。

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折角なので、貨車を牽引させました。同じEp.IIの貨車モデルは数少ないのですが、先日紹介した無蓋貨車を牽引したところを撮影しました。

参考文献:全盛時代のドイツ蒸気機関車 篠原正瑛著
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