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43243 DB WRügh 152 / Ep.IV [Maerklin-Reisezugwagen]

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久しぶりに客車の紹介をしたいと思います。このモデルは、以前当ブログでも紹介済みですが、小さな画像が1枚だけでしたので、改めてこのちょっと独特の雰囲気を持つ、しかし魅力溢れるモデルの紹介をしたいと思います。

このモデルは2007年に1回限りの限定モデルとしてドイツの玩具チェーンVEDESからEUROTRAINモデルとしてリリースされました。Koll's価格本では2000両?生産とあります。
戦前形客車でもあることから全長が短く、メルクリンモデルとしては珍しくフルスケールモデルになります。それだけ気合の入ったモデル群ではありますが、27cmなのでUIC-X客車と組み合わせる場合は、28,2cmモデルにする方がバランス良い印象になると思います。

[実車について]
このタルキスカラーのSchürzenwagen食堂車モデルの実車は、1940年にWUMAGにてMITROPA 1201 として落成。しかしながら、一般列車の食堂車ではなく、1945年時点ではBefehlszug RVM(Reichsverkehrsministerium) Abt. 4/5(軍用車両の1部?)に所属されていたようです。戦後まで生き抜き、DSG車籍後も同番号で推移。1968年のUIC番号化により、51 80 88-46 201-6に。1976年に51 80 88-40 201-6に変更。1978年に廃車されました。

タルキスカラー(Ozeanblau/Elfenbein)の食堂車は元々数少なく、1980年代までのICやECなど、優等列車にはほぼ組成されなかったこともあるでしょう。しかし、一方でD-Zug列車など長距離運用される列車も少なからずあり、DB食堂車が組成された列車や東西冷戦時のベルリン連絡列車などで使われていたようです。具体的には132形、134形、135形、139形、そして今回の152形のうち少数がタルキスカラーで登場。実車の存在を確認しています。

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[モデルについて]
上画像は、車端部厨房(手ブレーキ側)部分の側面です。乗降口ドアの右側には厨房の窓が3つ並んでいます。更に右側に3つ並んでいます。152形食堂車は戦前に登場したものなので、当初は石炭レンジを利用していました。このモデルはEp.IV仕様でレンジも現代のものに変更されていると考えられます。そのため、窓にはオリジナルの上部換気窓がなくなっているところはこのモデルでも再現されています。

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車端部食堂(非手ブレーキ)側の画像です。こちらも換気窓はなく乗降口と食堂部分の窓の間にルーバーが印刷されています。これは空調用のもので、Ep.IVの152形食堂車はエアコンが装備されています。(屋上に設置されていないのは見た目もすっきりしていて嬉しい配慮です)

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台車もオリジナルのGörlitz III SchwerではなくMD台車に履き替えられています。MD台車は静粛性に定評があり、(ある程度の)高速化にも対応しているものと思われます。車軸発電機は反対側に装着されています。

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表記ですが、印刷精度は美しく精細な印象を受けます。以前リリースされた同じ形式のモデルと比較しても向上の跡がうかがえます。

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サボは、Ep.III時代まではMITROPA、或いはDSG独自の横長タイプでしたが、DB車籍のこのモデルでは、一般客車と同じサイズのサボを掲げていたようです。Dortmund - Konstanzの運用のものですが、これは、黒裾タルキスカラーでリリースされたモデル群に合わせてEUROTRAINが独自に出したものなので、経路を同じにしてあるようです。ただ、この塗装のこの食堂車が実際に組成されていたのかは未確認です。

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裾部分の表記です。ここで気になるのは、Bpmz 291に代表される車体下部に白線の入った後期タルキスカラーは裾部分全てが青色ですが、この152形モデルは裾部分だけ黒色になっています。手元の資料で確認したところ、このモデルの塗り分けは正しく、写真が確認できました。

表記の中で、確認できるのは最高制限速度(140Km/h)、乗り入れ許可国(13カ国・多電源仕様)、所属管理局(Essen)、所属駅(Dortmund)、検査日(1977年5月25日/フランクフルト)などです。

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乗降口ドアの表記は、上からドイツ語、英語、フランス語、イタリア語の4カ国語で「Kein Einstieg(入り口ではない)」が印刷されています。肉眼では解読不能なほどの小さな文字で、当初リリースされた43240モデルでは文字が滲んで拡大しても読めませんでしたが、印刷精度が向上したようです。手元の資料画像では、白地に黒文字なのですが、もしかしたらモデルと同じ表記もあるのかも知れません。

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手ブレーキ側から見た厨房部分廊下側の画像です。登場当時は蛇腹タイプの貫通幌でしたが、Ep.IVになると他の客車がほとんどゴム幌に変更されたので、このモデルもゴム幌仕様になっています。ドアは片開き窓は幌の外側にあるだけです。換気用?のルーバーが彫り込まれています。

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非手ブレーキ側の妻部正面です。こちらのドアはルーバーなしです。

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せっかくなので、同じEp.IV仕様のPurpurot(紫赤)塗装の152形食堂車(43240)と比較してみました。このモデルは、メルクリンH0で初めてSchürzenwagenがリリースされた1996年に登場したモデルです。その素晴らしい出来に感激しました。
この2両のモデルは、屋根の仕様から屋根色まで造形的には同じと考えられます。(43240モデルの車内のテーブルランプは個人的に後付けしました)
「SPEISEWAGEN」の文字が小さく、DSGの黄色いマークがドア横に印刷されているのが塗装色以外の違いでしょうか。

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2両の食堂車モデルを連結させてみました。どちらも甲乙つけがたい魅力あるモデルです。

参考文献:
Schürzen-Schnellzugwagen Teil1 / KIRUBA Classic 1/2000
Koll's SPEZIALKATALOG 2008

[EDIT] 2019-07-21
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