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42972 DB ARDmz106 / Ep.IV(実車とモデル) [Maerklin-Reisezugwagen]

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▲ 手ブレーキ側

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▲ 非手ブレーキ側

以前、当ブログでこのモデルについて記事を記しましたが、記事のテーマがモデルそのものというより、テーブルランプを取り付けた様子を記していたので、今回は27cmTEE客車モデル末期の登場となったこのバー車の実車とモデルそのものについて改めて記してみたいと思います。


[実車について]
1970年にWegmann社によって製造された3両のバー社のうちの1両です。先行して1965年から製造された105形バー車は、この年に5両、1967年に1両(これは、1両が事故廃車になったための穴埋めと思われます)、1968年に3両、1969年に3両とTEE路線網の拡大に合わせて小ロットで4次車まで増備を続けています。
今回のモデルである106形の実車については3両(105形の100番台と区別のためか200番台となり、201-203)のみで製造終了となり、1987年に全車廃車となっていて、製造後17年でお役目が終了と短命な車両となっています。(モデルの201は初号車です)

105形とは、ハード部分以外ではほとんど同じ設計で、車内レイアウトは、荷物室、区分室、バー、食堂の4つの機能が備わっています。基本的にはドームカー(ARDmh 101)からドーム部分が省略された車両という位置付けです。TEEや当時のInter City列車は、1等車のみの組成で車内の荷物預かりサービスのための設備がここにあり、食堂部分は隣に連結される食堂車(WRmh 132 / WRmz 135)の不足座席分を補う役割も果たしています。

1979年からのInterCity2等車連結に合わせて、このバー車は基本的に不要となり、それまで105形と共に14両体制でTEE/IC運用をこなしてきましたが、1982年から以下IC列車に組成されていました。

IC 1520/1540 Wittekind
IC 1530/1610 Seeschwalbe
IC 1508/1534 Seestern
IC 1514/1632 Seemöve
IC 1542/1624 Weserbergland
IC 1516 Seelöwe
IC 1616/1630 Seeadler

上記の列車名や列車番号を見ると、北ドイツの短編成IC列車のようです。最低限の供食提供のために活用され、往年の豪華TEE列車の一助を担った輝きは感じられません。

1987年に余剰となった105/106形バー車は、2両の105形が売却された以外は、その後の仕事もなく廃車となったということのようです。

モデルのプロトタイプIC 680 "Südwind"としてリリースされたのですが、実車ではこの列車には組成されていなかったようです。以下に列車組成のページにリンクしておきます。

IC 680 "Südwind" 1979/80 Winter


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[モデルについて]
このバー車モデルARDmz 106形をどういう位置付けでメルクリンがリリースしたのかが問われていた感じがします。IC680列車を再現させたいのであれば、食堂車を稀に組成されたWRmz 135ではなく、特徴的な139形Quickpickにすべきだったであろうし、当然関係のないバー車にこの列車のサボを付けて市場に出すこともなかったでしょう。一方でこの106形バー車やパンタ上下ギミックの付いた135形食堂車のリリースが目的ならば、IC680列車にすべきではなかったはず。ただ、赤裾TEEカラー時代のバー車そのものの位置付けが微妙なこの時代、実車欄で記述した運用に就いたとされる北ドイツのIC列車では食堂車の存在がないわけであるし、両方の供食車両を1つの列車としてリリースさせること自体が難しかったと言えるのかも知れません。

さて、このモデルは同時にリリースされた食堂車(42793)や1等車セット(42993)、2等車セット(42994)とともに2004年から2008年までの4年間リリースされていました。

上画像は、手ブレーキ側の車端部側面です。全体の見ればわかるのですが、メルクリンのショーティ客車は、窓数を減らしても、その見た目の印象を重視する姿勢でしたが、このモデルについては残念ながら窓数を正しくし、その代わりに高さと窓の大きさを全体として視野に入れなかったためか、105形モデルと同様、印象が実車と大きく異なるプロポーションになってしまいました。画像では、乗降扉の窓を見てもすぐ気づく細長い印象です。このモデルを見て、28,2cm化の実現を心待ちにしたのも確かです。

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台車です。MD36です。上画像は車軸発電機がなく、下画像の台車は車軸発電機付きです。

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画像が手ブレを起こしていますがご容赦ください。印刷精度は良好です。裾部分に印刷してある肉眼では判別が難しいほどの小さな文字列までキッチリと表現できています。
車体番号は「60 80 84-90 201-3」です。

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最高制限速度は200Km/h、航送許可、4電源の表記です。RICラスターに国別表記はありません。

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REV表記は、1978年5月10日です。

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所属はミュンヘン管理局、所属駅はMünchen-Pasing駅です。

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サボには「IC 680 Südwind」の表記です。このモデルのサボケースにはちょうど良い大きさですが、他のモデルはサボケースが大きかったのでケースに対してサボが小さく印刷されてしまっています。

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手ブレーキ側、乗降扉横の等級表記とバー車のピクトグラムです。この時代の表記については、未確認ですが、等級表記のレイアウトが上すぎる印象です。

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妻部の正面です。妻部についてはメルクリンモデルらしいごく普通の27cmモデルと変わりありません。

27cmのTEE客車モデルも末期にリリースされたこのモデルは、そのプロポーションのために、ファンも、もしかしたらメーカーでも早期の28,2cm化に拍車がかかったのかも知れません。その28,2cmモデルシリーズでは早々に106形バー車もリリースされ良好なプロポーションで現在に至っています。
27cmから28,2cmモデルへの過渡期モデルとして、色々な意味で注目されたメルクリンモデルとも言えるかも知れません。
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