SSブログ

26610 DRG 61 001 / Ep.II [Maerklin-Lok]

IMG_7666b.jpg

IMG_7686b.jpg

久しぶりに機関車モデルを紹介します。第2次大戦前のドイツの鉄道技術の最高峰はいくつかあり、ハンブルグ-ベルリンを結ぶ最速気動車SVT877 "Fliegender Hamburger" や流線型カウルを持つBR05もその中の1つですが、これはベルリン-ドレスデンを結ぶ流線型機関車61形です。この機関車には数々の最新の技術のアイデアが詰め込まれているのですが、それらに触れてゆきたいと思います。

[実車について]
IMG_7685b.jpg

この機関車は2'C2'の軸配置ながらテンダーを持たない機関車です。その理由は、ベルリンとドレスデンを結ぶ際に始発・終着駅で牽引機関車をターンテーブルで転回させず、そのまま客車の反対側に連結させて後進運転で同じ最高速度で走らせる性能を持つことが特徴です。それに伴い始発・終着駅での待ち時間を最小限に抑えることができます。同時期に似た形態で登場した北ドイツのLBEの2階建列車は、プッシュプル方式でしたから、連結・解放時間の手間も必要ありませんでしたが、いずれも新しい技術のため、4両の客車を牽引するHWZは前方機関車で試したのかも知れません。

また、その連結や解放の時間短縮のために世界初の自動連結器(Scharfenberg-Kupplung)をHWZの機関車と客車の双方に装備されています。この自動連結器構造は現在まで引き継がれていることや、世界の鉄道にも大きな影響を与えた技術の1つでしょう。(61形は1942年に通常のスクリューカプラーに換装されています)

それまでの蒸気機関車の常識を覆すコンセプトで出来たこの機関車は、製造がKasselにあるHenschel社で、1935年に落成しました。この機関車と組む専用客車はWegmann社で製造されたので、Henschel-Wegmann-Zugと呼ばれています。
一方、この機関車の2機目である002号機は、1939年の落成で全長の他、シリンダ数、デフレクタが新たに付けられているなど仕様も異なりました。

1936年に001号機はBerlin - Dresdenを1日2往復走りました。最高速度は175Km/hだったようです。当時の01形や03形の牽引する列車が最高速度130〜140Km/hであったことを考えれば、速度向上は大きな恩恵であったに違いないでしょう。しかし、この時期から終戦まではドイツにとって暗黒の時代とも言えるかも知れません。ベルリンとドレスデンの両都市は、戦争によって大きな被害を被りました。

戦後は、旧西独の英国領域に残りましたが、1952年に廃車、57年には解体されています。002号機は旧東独のソ連領域にあり、1958年に廃車、台枠や動輪などの主要部分は流用され、18 201になっています。

[モデルについて]
このモデルは、特徴的な美しい流線型スタイルで米国のミドセンチュリー時代の流行スタイルとは一線を画した形状です。それは単に造形的な美しさというより理詰めで出来上がった機能美と言えるものでしょう。

IMG_7751b.jpg
IMG_7683b.jpg

画像は上から俯瞰したところです。直径2,3mの動輪を3つ持つ機関車ですが、ほとんどフルカバーでカウリングされているので、機構を眺めることは出来ません。一方で、DRGの優等列車だけに許された紫とベージュの塗装を蒸気機関車に塗装してしまうところは、フルカウルボディならではです。旧満鉄のタブサ形機関車もこの機関車にリスペクトしたらしく、同じようにフルカウル、テンダーレス、ツートンカラーでした。

IMG_7678b.jpg

キャブ窓下の表記は形式のほか、所属機関区名、直近ブレーキ検査日などが精彩に印刷されています。

IMG_7676b.jpg

シリンダ付近には、KasselにあるHenschel社の銘板が印刷されています。今一歩シャープに撮影出来ずぼやけています。

IMG_7682b.jpg

正面から観たところです。先に記した旧満鉄のタブサと造形がよく似ています。個人的にはスラントしていないスマートなプロポーションの61形の方が好みです。

IMG_7687b.jpg

機関車を裏返すと、この機関車の軸配置がわかります。先台車の1位側と2位側が同じもので、その間に3軸の動輪がありますが、R1を通過できるように3軸の動輪が固定されておらず左右に振ることが出来ます。上画像は動輪を上側に降らせた状態です。この機構により急曲線通過が可能になっています。

IMG_7755b.jpg

ファンクションは、フルサウンドのmfxデコーダーにダブルチャンバーのスピーカーx2を装着しているので音量は十分です。ただ、2005年モデルということもあって音源は限られていて、走行音の他、ホイッスルと、機械音1種のみです。他にこの機関車や05形に装着されているヘッドライト(信号灯ではない)が個別にファンクションスイッチでon/offが可能です。

この機関車はおそらく地上から眺めると相当巨大な機関車に見えるはずです。その視点に近い位置で撮影したのが上画像ですが、中々立派に見えますね。

以下YouTubeに動画をアップしましたのでご興味のある方はどうぞ。
YouTube: Märklin 26610 Insidermodell | 61 001 (HWZ) / DRG Ep.II

参考サイト:DR-Baureihe 61 / Wikipediaドイツ
nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント