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26610 DRG SBC4ü-35 (10404) / Ep.II [Maerklin-Reisezugwagen]

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HWZ客車最後の紹介は、展望室付き2/3等区分室客車SBC4ü-35 (10404) です。おそらく、このHWZを初めて観た利用者は、この車両の展望室の中から走り去る景色を眺めたいと思ったに違いありません。1936年という戦前に世界で初めての全車流線型車両による美しい車体が平均時速104Km/hでベルリンとドレスデンを結ぶ訳ですからその高揚感はいかほどのものか想像できます。

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展望室部分を側面から見たところです。車内の図面を見る限り、この展望室には4つの座席が窓に向かって配置され、人が通るのも難儀をするほど狭い空間です。おそらくこの座席はTEE Rheingoldのドームカー同様、座席指定はなく自由に出入りできるようになっていたものと考えられます。

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展望室と反対側の車端部分側面です。出入口の隣はWCです。そして3等区分室x2、2等区分室x4、3等区分室x2の8室がレイアウトされています。中間車が3等区分室x4、2等区分室x2、3等区分室x3なので2等と3等の割合が異なり、2等が多いのは、やはり展望室への出入りのし易さを配慮していたからかも知れません。

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ちなみに2等区分室は2300mmのピッチの空間に3人掛けのシートが対面にレイアウトされていて肘掛もついていますが、3等区分室は、1700mmの室内に4人掛けシートが対面に並んでいます。肘掛けはシートの端2箇所にあるだけです。現在の基準だと3等車は結構キツいかも知れません。

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展望室正面です。このオリジナルの造形では、尾灯が車体に埋め込まれるデザインでスッキリとしています。

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やはりこのHWZの見せ場がこの展望室でしょう。ただ、室内は狭いので優雅..というには程遠かったのかも知れません。(座ってしまえば一緒かも知れませんが...)

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このHWZ(D54列車)は、Berlin Anhalter Bfを13:10に出発、約180Km離れた Dresden Hbfには14:55に到着します。所要時間1時間45分です。現在は途中Leipzig Hbfに停車しますが、この列車は、Dresden Neustadtに停車する以外はノンストップでした。(Leipzig Hbfは突端駅でしたので機関車の付け替えが必要になります)
種別はD-Zugですから、特別豪華な列車でもありませんが、4両編成で食堂車もあります。今ならICE-TDレベルの設備仕様でしょうか。スプリンタークラスの俊足で、ICE種別が与えられたことでしょう。

この列車は、1編成しか用意されなかったため、1日2往復のみの運転でした。この華々しくデビューしたドイツの誇る列車も1939年にはドイツ軍がポーランドに侵攻。第2時大戦が同年9月1日に始まる直前の8月31日までの運行を持って終了となりました。

以上で、このHWZモデルの紹介は終了です。

参考文献:SWRPwPost4ü-35, SBC4ü-35 Henschel-Wegmann-Zug / "WAGEN" Das Archiv der deutschen Reisezug- und Güterwagen / GeraNova Verlag München
タグ:Ep.II DRG HWZ
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