37316 DB 111 197-0 / Ep.IV [Maerklin-Lok]
111形モデルは、まだ現役機がいることもあってメルクリンではリリースが続いていますが、このモデルは、Ep.IV時代のタルキスカラーの仕様です。メルクリンの第3世代デジタルmfxが発表されて、それに合わせて登場したmfxデコーダー搭載の最初のモデルの1つでもあります。
実はこのモデルは、公式ではfxデジタルモデルですが、実際はESUのLokpilot Iが搭載されています。過渡期のmfxモデルと言えるのかも知れません。(MSやCSでは、このモデルのアドレスを自動的に判別して表示、制御が可能です)
このモデルが発売前のタルキスカラーの111形モデルとは、デコーダーの他にも外観上の違いを見つけることができます。それらを中心に今回は触れてみたいと思います。
▲ DBマークの下の数字は形式・車体番号です。その下の小さな文字列は「EUROFIMA」と記されています。これはEUROFIMAによる信託車両である印と思われます。
[実車について]
111 197-0は、6次車まである全226両の111形のうち、5次車(179 – 210)の範疇に入ります。KRUPP社が車体、電装系は西ベルリンのAEGにより製造されました。
RIV表記では、Opladenの車両工場で1982年8月23日が直近の検査日と表記されています。1984年まで製造が続いた111形ですので、このモデルの実車は、1980年代初頭の製造ではないか..と思われます。
所属表記です。「BD München」(ミュンヘン連邦鉄道局)、「Bw München 1」(ミュンヘン第1機関区)の表記です。111形はミュンヘンとS-Bahn向けのルール地方に集中して配属していることが、これまで紹介してきたモデルの表記でも理解できます。
台車には、車輪が黒色塗装になっていますが、これは1、2次車が赤色塗装であるのと好対照です。
また、バッファも5次車は角形に変わっています。3、4次車はS-Bahn塗装ですが、どの時点で角形バッファに変更されたか未確認です。
屋根上の塗装もシルバーからダークグレーに変更されています。これもDBの標準塗装の変更による塗装だと考えられます。パンタグラフは、ワンアームタイプのSBS 65です。
[モデルについて]
このモデルは、2004年から2005年までの2年間のみリリースされました。先にも記しましたが、ちょうどメルクリン第3世代のデジタルであるmfxが登場した時で、この機関車はオフィシャルではfxデジタルではありましたが、実際はmfx機能を持つESUのLokpilot Iデコーダーが搭載されているモデルです。(同時に告知された120.0形モデルはmfxではなくfxデコーダーが搭載されています)更にサウンド基盤とスピーカーも搭載されていて、警笛だけですがf3でサウンドが機能します。
ボディを外して真上から撮影した画像ですが、所狭しとデコーダー類がレイアウトされているのがわかります。
▲ ESUのLokpilot Iデコーダーです。
▲ サウンド基盤です
▲ 小型のスピーカーです。小型ですが、警笛のみのサウンドなので、これで十分です。
▲ モーターは、5極回転子を持つ直流DCMです。60760で改造したDCMよりも静粛な動きをします。
105号機(2856)モデルなどと違う点の1つは尾灯が点灯することです。ただ、豆球なので上部前照灯も少し赤い光が漏れてしまうのは残念なところです。カプラーはKKKです。
見えにくいかも知れませんが、105号機(2856)との台車の比較のために並べてみました。手前の197号機は、台車の片側にステップが付いています。これは改善点の1つです。
運転台は、以前のモデルよりやや室内が実感的になりました。特に室内の計器類が薄い緑色に変わったのは進化です。運転台に人間工学的な分析と配慮を行なった機関車としては、色についても検討結果としての薄緑色なので、この変更は大いに評価すべきディテールです。
105号機(2856)と並べてみると、象牙色の色合いが異なることが気になりました。そこでRAL色票を置いてみました。197号機(37316)の方が色味が近いことがわかります。
このモデルがリリースされた後は、2回目のLHAE仕様モデルが登場していますが、基本的には同じ樹脂ボディのモデルです。S-Bahnや近郊列車からInterCity、更にはLHAE、そして試験機に至るまで旅客牽引機関車として運用汎用性が高く、多くのバリエーションも持つ111形こそ、金属製ボディでの新開発モデルの登場が待たれると期待しています。
[参考サイト]
37316 | BR 111 der DB / HGH's Homepage
DB-Baureihe 111 / Wikipedia ドイツ
[EDIT] 2020-06-18
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