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Baureihe 111のまとめ [Maerklin-Lok]

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DBのBR 111は、BR 110の後継機として1970年代から活躍を始めた最高速度160Km/hの旅客列車専用の電気機関車です。当時、主にTEEからIC迄の幹線を走る優等列車牽引機が103.1形が担い、それ以外のD-Zugやミュンヘンを中心としたD-ZugやEilzugなど、またオーストリア方面にはTEEやIC/EC列車も牽引に当たるなど、幹線亜幹線を問わず電化区間の運用の中心的な役割を担っていました。ルール地方のS-Bahnネットワークの主力牽引機としてS-Bahn塗装を纏って活躍もしました。

さらには、1985年の連邦鉄道時代最後のCI変更によるOrientrot塗装を纏ったデモ列車やLufthansa Airport Expressの先頭に立つなど、まさに旅客列車の汎用機関車として重要な役割を果たしているように思います。

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▲ 111 094-9

[実車について]
1974年に初めて登場した111形はそれまでの110形を様々な機能をよりレベルアップし、またエクステリアについては、ウルム造形大学の流れを汲む、明快で合目的なデザインを目指しています。インテリアも乗務員の負担軽減を人間工学的見地から見直しを図り、形状から色彩まで細部に渡って検証し設計に活かしたものとなりました。

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▲ ミュンヘン中央駅 1996年5月17日撮影

111形の機械部分と車体製造は、Kraus-Maffei、Henschel、KRUPP社が行い、電装はAEG、BBC、SIEMENSが担いました。

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▲ InterRegioを牽引する111形 カールスルーエ 1991年撮影

1984年までに全227両を製造し、以下の6次車まで分類することができます。

• 1. Serie: 111 001–070
• 2. Serie: 111 071–110
• 3. Serie: 111 111–146 (S-Bahn)
• 4. Serie: 111 147–178 (S-Bahn)
• 5. Serie: 111 179–210
• 6. Serie: 111 211–227

このうち3、4次車はルール地方のS-Bahn塗装が施され、同地の通勤輸送を担っています。それ以外の111形は全てタルキスカラー(Ozeanblau/Elfenbein)で登場し、1986年のDBによるCIの変更でOrientrot色や民営化後のVerkehrsrot色への変更がされています。またLHAEの牽引機に指定されたことで049号機が1年間LHAEカラーで運用されています。そのほか、DBの民営化後に地域の広告機としての塗装変更などがあります。

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▲ Orietrot色の111 041-0 オーストリア Innsbruck West Bf.にて。1991年7月4日撮影

現在は、廃車解体も進み、元気に運用についている姿は少しづつ減少してきているようです。また111 001-4は保存機に指定され、オリジナルのOzenblau/ElfenbeinのカラーリングでDB MUSEUM Koblenz-Lützelに保存されています。

技術的な詳細はRiGの111形ページに譲りたいと思います。


[モデルについて]
その111形も最近は廃車や解体が進み時代の終焉を感じざるを得ませんが、メルクリンH0モデルも111形の登場から一貫して同じ金型の製品を実車の変遷とパラレルで数多くのモデルをリリースしています。まだ当分は新しい111形モデルもリリースされるのではないかと思いますが、この辺りでまとめとして今までリリースされたモデルをできる限りこのページでリンクを貼り網羅できればと思います。

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▲ メルクリン初の111形モデル(3042)が掲載された1977/78年日本語版総合カタログ

111形が登場したのが1974年でメルクリンH0の登場が1977年になります。少しタイムラグがありますが、花形モデルである103.1形がTEEやICの牽引機に対して、花を持たせる機関車がこの111形でしょうか。しかし、ダイナミックで重量級の6軸駆動の103.1形に対し、4軸で軽量タイプの111形は、そのコンパクトなスタイルとミュンヘンからドイツ・オーストリアアルプス方面でも活躍する山岳機としての顔も見せる健脚な機関車は、汎用性の高い旅客列車牽引機として模型の世界でも重宝するモデルです。

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▲ 1984年の英語版メルクリン総合カタログに掲載されているワンアーム仕様の111形モデルのセット(2856)

実車は当初ワンアームタイプのパンタグラフで登場後103.1形に移設され、代わりに菱形のパンタグラフを持った仕様として登場したのは、ある意味現実に即した対応でした。その後、フランクフルト空港シャトル列車セット(2856)に同梱されていた105号機はワンアームタイプでした。

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▲ 2004年のドイツ語版メルクリン新製品パンフレットに掲載されている111形モデル(37316)

2004年はメルクリンH0の歴史に残る年でした。それは第3世代デジタルの登場によるもので「メルクリン・システムス」と名付けられました。
具体的には、それまでの最大80両のアドレスが機関車のデコーダーに割り当てられ、その番号を指示して制御する方式から、機関車デコーダーと制御コントローラが双方向で通信する方式となり、レールに機関車を載せるだけで機関車デコーダーから自動的にコントローラに表示され自車の存在を知らせる画期的なシステムが登場しました。

この発表と同時に告知されたこの111形モデル(37316)にも、このシステムスに対応したmfx機能を持つデコーダーが搭載されています。我々ユーザーが各機関車のアドレスを覚えて、その数字を呼び出すというユーザーの記憶に頼る必要のない優れた技術は、今もなおリファインを重ねながら続いています。そしてこの新しいデコーダーは最大3万を超えるアドレスを持つもので、それまでの最大80までのアドレスを持つデコーダーから、ほぼ無限大と言えるデコーダーアドレスとなった大きな進歩でありました。ただ、このシステムスやデコーダーを開発したESU社は独自にこの技術を活用したデコーダーや、それを組み込んだ機関車などの開発を始めたため、メルクリンのライバルとなり、ESUのデコーダーを積んだこのモデルは2年間のリリースに留まりました。

2014年からは、最新の塗装(Verkehrsrot)を纏い、第4世代デジタルであるシミュレーション機能を持つmfx+デコーダー搭載モデルが登場しました。こうして見ると車体や台枠の基本的な部分は1977年から変わらず、制御部分が時代に合わせてリファインされている様子が良くわかります。今後変わるとすれば、車体のダイカスト化を基本にした新設計となるでしょう。そうなると中央に菅モーターを置き、左右の台車にカルダンシャフト経由で全軸駆動となる仕様の登場が待たれます。

このモデルを初めて手にした時のメルクリンらしからぬ軽い印象は、新しいメルクリンを感じたものですが、今や新しい金属製ボディの登場で再び重量のあるモデルとしての存在感を発揮する時の期待をファンは持っていることでしょう。

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Ep.IV
Ozeanblau/Elfenbein
37314 DB 111 014-7
83342 DB 111 018-8 (mit Graffiti)
3042/3642 DB 111 043-6
3642 DB 111 049-3
3342/3642 DB 111 058-4
2856 DB 111 105-3
37316 DB 111 197-0

Orientrot
3360/3660 DB 111 041-0
2662/2862 DB 111 068-3 (Demonstrationszug 2)

S-Bahn
3355/3655 DB 111 133-5
3155 DB 111 136-8
37313 DB 111 162-4

LHAE
2667 DB 111 049-3
26670/26671 DB 111 049-3

Versuchslackierung
3172 DB 111 068-3 (rot/grau/rot)
2859 DB 111 069-1 (rot/grau/blau)


Ep.V
Verkehrsrot
37317 DBAG 111 095-6

S-Bahn
33315/37315 DBAG 111 158-2 (rot/grau)


Ep.VI
Verkehrsrot
37319DBAG 111 088-1 (mit Wappen Baden-Württemberg)

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[関連記事]
DB BR 111 / Ep.IV

参考サイト:
DB Baureihe 111 / Wikipediaドイツ
BR 111 DB / Modelbau-Wiki

[EDIT] 2021-03-19
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