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Zugbildung F9 "Rheingold-Expreß" 1953 [Zugbildung]

第2次大戦が終わり、敗戦の傷跡も残る1950年代の初頭、西ドイツは、鉄道事業もドイツ連邦鉄道という新しい名称の組織として歩みを始め、戦後の復興を支える大きな役割を果たす中、戦前からの看板列車であるF-Zug "Rheingold-Expreß"を復活させました。

戦後初めてRheingold-Expreßの名前を冠したスイスとオランダを結ぶF-Zug列車は1951年5月から運用を再開しましたが、その時は1等から3等までの全等級の車両で組成されていました。それが1953年5月のダイヤ改正で1、2等車のみで組成されるようになり、本来の看板列車Rheingoldの歩みを始めました。とは言え、戦前時代のMITROPAによるプルマン車両とサービスではなく、Schürzenwagenによる個室車両と食堂車、荷物車による組成で運転されました。
そこで、1、2等車組成による戦後初めてのRheingold-Expreßの組成を1953年の資料から、以下の編成表を作成してみました。

因みに、3等車の無くなったRheingold-Expreßの代わりに登場したのはLoreley-Expreßです。この列車は全等級で組成されていて食堂車はCIWLによるサービスです。この時から、スイスとオランダを結ぶF-Zugは毎日2往復運行体制になりました。

zb_F9_Rheingold-Exp_53_500.jpg
▲ クリックすると拡大します。

この編成表は、スイスのBasel SBB発、オランダのHoek van Holland行きのF9列車の編成ですが、途中Mainz HbfとKöln Hbfで方向変換し、機関車は3回交代します。(Basel SBB-Basel BadもBR78によって牽引されていれば、4回交代の可能性もあります)その牽引機関車は01形、メインルートのライン左岸線は鉄青色の03.10形、Köln HbfからVenloまでは03形か41形、そして最後はNSの3900形ととても魅力的な編成になります。

また、1953年当時はまだ国際列車にDSGの食堂車サービスが許されていなかったため、CIWLの車両とサービスによって運行されていました。この食堂車は、パリとカレーを結んでいた元"Flèche d'Or"で活躍した厨房付きプルマン客車(WPC)を改造した車両で、特徴的な窓上部の角が丸い窓を持っています。もちろん向かい獅子のマークを車体の中央に掲げ、大きな楕円のドアを持つエレガントな食堂車は、ドイツの看板列車に相応しい車両と言えるでしょう。

当時は、3等級制ですので、DBの最高種別の看板列車ですから1/2等(現在の1等設備以上)のみの区分室車による組成です。
なお、編成表の客車アイコンでは、2等級制に改変以降の誤解を防ぐため、2等車を黄色、1/2等合造車を黄色地に赤色縦線を中央に加えました。

メルクリンH0からは、このEp.IIIa時代の鉄青色Schürzenwagenモデルが未だにリリースされていません。TRIXからは単品で1/2等合造車(AB4üe)と1/2/3等合造車、そして3等車、荷物車がリリースされています。もちろんCIWL食堂車はリリースされていません。(荷物車も実車とモデルに違いがあります)

IMG_0559b.jpg
▲ 手元にあるモデルを使って出来うる限りの当時の雰囲気を再現してみました。

この戦後最初のRheingold-Expreßは、牽引機も客車も興味深く魅力的ですから、ぜひメルクリンからのリリースを期待して、この編成表を作成してみました。

[追記]
2023年のメルクリンH0新製品にあっさりとCIWLの鋼製客車2タイプ4種(Typ. "Étoile du Nord"/2等、Typ. "Côte d'Azur"/1等)が、製品化されます。
形状的には食堂車に改造されたプルマン客車は、客室窓片側8枚のTyp. "Fléche d'Or"のため、客室窓が片側9枚のTyp. "Étoile du Nord"(2等)とは異なり、塗装と印刷だけの変更では不可能ですが、今後のリリースに影響するであろう今年のCIWL客車モデルに注目です。今回のモデルの人気によっては、車両数の多い今後Typ. "Fléche d'Or"のリリースも期待できそうですし、それができれば、いよいよCIWL食堂車を組み込んだEp.IIIa時代の"Rheingold-/Rheinpfeil/Loreley-Express"の登場も期待できそうです。

なお、誤りなどお気づきになられた場合は、コメント欄などでお知らせいただければありがたいです。

参考サイト:F-Zug Rheingold Express / http://www.welt-der-modelleisenbahn.com

[EDIT] 2023-09-04
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