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[Vinyl 102] Leave In Silence | Depeche Mode [Vinyl]

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今回もDepeche Modeの12' シングル(UK)盤です。
1982年のリリースで、当時の私は美術大学1年生でした。当時は鉄道とは無縁の美大でしたので、私のもう1つの興味の対象であったオーディオから高校生時代から浪人時代に味をしめた?ニューウェーヴなどのシンセサイザーやリズムボックスなど、日々進化する電子楽器とそれに伴う新しいサウンドの発見に大きな刺激を受けて多感な青春時代を過ごしていました。(この時ぐらいから撮り鉄をフェードアウトしたように思います)

こうした新しい音楽のムーヴメントはMTVなどから流れるPV映像媒体の積極的な配信や、学校帰りの西新宿の輸入レコード屋巡りなどもあって、美大の1年生としては刺激の多い日々を過ごしてきたように思います。

さて、このDepeche Modeのシングルもアルバム「A Broken Frame」からのRemixではありますが、既にフリークだった私は見つけた時点で必ずゲットしていました。というのも、A面は確かにアルバムと同じ曲のRemixでしたが、B面はアルバムにはない曲がほとんどなので、レコードを買った時は家に直行し、すぐに針を落としてワクワクしながら聴いたものです。
このレコードについては、やや他のシングルとは異なり、B面もアルバムの2曲めに収録されている楽曲「Further Excerpts From: My Secret Garden」が収録されています。

また、美大の1年生というのは、案外創作活動をする授業は多くなく、専ら大学としての一般教養科目をこなすカリキュラムに私自身は組んでいた(学年が上がってから一般教養で時間を取られたくなかった)ため、正直退屈な授業ばかりで、放課後の輸入レコード屋への寄り道が大きな楽しみでした。

視聴をせずにアーティストの創作したサウンドを信じて買うという行為をしながらも、30cm四方のレコードジャケットは、もちろん興味ある分野でもあるグラフィックデザインが私に少なからぬ刺激を与えていたのも事実です。どの分野であれ、当時は海外の最新デザインに触れる機会は限られていたので、輸入盤のレコードジャケットは私にとっても良いお手本だったと思います。それはこのDepeche Modeのジャケットも大いにリスペクトしていて、まだ彼らの音楽性や志向が確立される前の黎明期だったからこそ、毎回新しいジャケットにワクワクしたことを覚えています。

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このシングル盤のジャケットはシンプルにアーティスト名とタイトル名だけをレイアウトしたものですが、タイトル名のフォントは、アルバムの各曲タイトル名のものと同様でした。
また、上画像を見て分かるように、このジャケットは色やレイアウトだけでなく、テクスチャの粗い厚紙製で素材にもこだわりを見せています。

また、裏面のマークのデザインからメッセージも読み取れると感じたものです。
このアルバムのマークは鎌が描かれていて、ここから連想するのは共産主義というものでした。冷戦当時、鉄のカーテンで仕切られていた西側の資本主義国と東側の共産主義国の格差や問題は見えづらく、しかし現実に存在している事実でしたし、近くにいながら見えづらい壁の外に居た多くの人々、特に若者の西側の自由に対する憧れや、それを渇望するエネルギーに対してメッセージが必要だった時代でした。この問題をテーマにしたアーティストも音楽に限らず多くの芸術活動に見られたものです。

そうした歴史や背景をほとんど知らなかった私は、憧れていたドイツという国の東西に分割された現実を良く知ることもせず良い面ばかりを見ることばかりで育ってきましたが、彼らに興味を持ったことで、その意味が少しづつ私の中に入って来ていました。それでも日本の限られた情報の中でしかありませんが...。

彼らはその後、スタジオをロンドンから西ベルリンに移し、作曲活動を開始するわけですが、当時の関心事は、やはり東西冷戦と、その象徴であったベルリンだったのだろうと思います。
壁がなくなり統一され、壁が立ちはだかっていた年月よりも長く経ってしまった現在からは想像しにくいですが、音楽のメッセージは強いものだと思います。

Discogs: Depeche Mode ‎– Leave In Silence




タグ:Depeche Mode MUTE
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