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T23421 DB Avümh 111 (Runddach) / Ep.IV [Maerklin-Reisezugwagen]

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▲ 区分室側

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▲ 廊下側

このTRIX H0モデルは、以前他のメルクリン H0客車モデルと一緒に短く紹介したことに過ぎませんでしたので、改めてこの初期型の111形1等区分室客車について記してみたいと思います。

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さて、このモデルは2007年に発表され2009年まで3年間リリースされました。当時は28,2cm客車モデルが新開発製品として次々にリリースされ始めた頃で、1970年代の24cm鉄板客車から人気のTEE客車の新しいスケールでのモデルの登場は待ちに待った新製品で、心躍らせて購入した1両でした。鉄板客車時代は、当時の主力であった初期形の丸屋根仕様で、その後リリースされた27cmの同形モデルは、切妻屋根仕様でした。今回リリースされたモデルは、単に車体長が長くなっただけというわけではなく、丸屋根仕様と切妻屋根、また積載エアコンのタイプの違いによる車体側面の空気孔のサイズや位置、台車の違いなど、細かく仕様違いが作り分けられ、よりディテールに凝った設計になっています。

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台車は、MD34でしょうか。2つの台車には両方とも片側に車軸発電機1台が装着されています。(つまり1両に2つの車軸発電機があります)発電機は斜めにレイアウトされ、カルダンシャフトで車軸に連結されています。また制動器は車輪左右を押す(Krotzbremse)の他、電磁吸着ブレーキが付いています。

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車体横の片側2か所に印刷されたサボは、列車種別・愛称の「TEE Rheinpfeil」の他、号車番号「Wagen 14」、出発駅のDortmundから経由駅、終着駅のMünchenが記されています。ここから、この客車が、途中Duesburg HbfでのTEE Rheingoldとの解放・連結時に特に移動せず、TEE RheinpfeilとしてMünchenに向かう列車に組成されていることがわかります。

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車体のほぼ中央にはDBマーク、その下に車両番号、車両形式が記されています。このモデルについては、これら表記が区分室側では車体中央、廊下側では空気孔の位置関係に影響されたのか、車体中央よりやや右側にずらしてレイアウトされています。(モデルの印刷ミスの可能性もあります)
車両番号は、61 80 19-80 007-6です。このモデルの実車は、1962年にAv4üm-62の「10 407」としてDonauwörthのWMD(Wagen und Maschienenbau GmbH)にて製造されました。1966年9月30日よりこのUIC車体番号に改められています。(同時にF-Zug色からTEE色に変更されていると思われます)
現在、この車両が現存しているかは不明です。

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RICラスターには、最高制限速度160Km/h表記の他、4カ国(DB、NS、SBB、FS)の入線許可が印刷されています。おそらく当初のTEE Rheingoldの運用に合わせた仕様と考えられます。当時のTEE Rheingoldはオランダからドイツ経由でスイスのBaselまでがその運用でしたが、一部Kurswagenとしてイタリアのミラノ中央駅まで行く車両もありました。
また所属の「Mü」ミュンヘン連邦鉄道局、所属駅の「München-Pasing」(ミュンヘン・パージング)が記されています。

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REV表記は、「Ffm 9.10.67」と記されています。フランクフルトにて1967年10月9日が検査日です。

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妻部の正面です。特徴的な丸屋根が理解できます。(TEEカラーの丸屋根車両は少ないです)

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モデルの室内装備は青色です。これは実車のシートの色に合わせたものと思われます。
この111形客車のシリーズは、数度に分けて大量に製造されています。このモデルの実車はTEE Rheingold、Rheinpfeil向けに製造された最初期のもので、後にVT11.5が担っていたTEE列車の客車化に伴い順次増備されていますが、それらは切妻屋根の仕様になりました。

戦後、DBが新しい全長26.4m標準型客車の最高峰のGruppe 62形シリーズで最も多く製造された111形は、エレガントでゆったりとした9つの区分室が並ぶ高速対応の客車ですが、その設計は秀逸で、その後改良が重ねられ、今も少数ながら運用に就くほどの車両であり、DBを代表する客車の1形式であることは疑う余地がありません。
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